板金工事業などを展開する植田板金店(岡山市中区、植田博幸代表取締役)は、建築家の隈研吾氏とのコラボレーションで実現したCLT(直交集成板)造の小屋「木庵」を発売する。内部空間は4畳半(7・2平方メートル)の広さで、多様な生活スタイルの実現に貢献する。価格(税抜き)は310万円で、年間10棟程度の供給を見込む。安価な木造建築物を提供することでCLTの利用を増やし、コストダウンを導く狙いだ。
内装は国産材によるCLTの現しで、外壁には岡山県産のヒノキを採用。どの方向から見ても木の塊に見えるような小屋となっている。内部には高さの異なる二つの窓を設け、壁一面に温かく照らす間接照明を設けており、仕事や趣味などさまざまな生活スタイルに合わせて利用してもらう。
同社は21日、東京都新宿区の国立競技場で完成披露発表会を開いた。植田代表取締役は「格好良い小屋に仕上がっている。一般の人に質感とかを感じ取ってもらって、CLTで建てようという流れになるとありがたい」と話した。
隈氏は「日本人にとって居心地の良い4畳半の寸法で木の空間がエンジョイできる。茶室のように小さい空間を豊かに使う知恵が日本人には備わっている。ぜひ体験してほしい」と語った。手掛けた中で最小の建築物となり、「究極なミニマムの納まりに気を使った。小さいけれど設計時間はすごくかかった」と振り返った。
発表会に参加した建築板金業振興議員連盟やCLTで地方創生を実現する議員連盟の会長を務める石破茂衆院議員は「民需を増やさないと値段は下がらない。さらに木の利用が広がってほしい」、日本CLT協会の中島浩一郎会長は「新しいムーブメントになると思っている」と期待感を示した。脳科学者の茂木健一郎氏は「木目による表面の模様自体が自然からのメッセージで想像力をかき立てる」と指摘するとともに、木に包まれることによる森林浴的な効果にも触れた。
source https://www.decn.co.jp/?p=143730
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