東海農政局は2日、明治用水頭首工復旧対策検討委員会(委員長・石黒覚三重大学名誉教授)の初会合を名古屋市内で開いた。愛知県豊田市の明治用水頭首工で発生した大規模漏水事故の原因究明と復旧対策を検討するもので、同局は今後の調査に関する助言を受けた。会合後に石黒委員長は「パイピング現象が発生したと推定される」と説明。原因として施設の老朽化の可能性もあるとした。今月中旬に2回目の会合を開き、収集したデータを踏まえ詳細な調査、解析方法などを検討する。
委員会のメンバーは同日午前中に現地を視察。午後に同局土地改良事務所で会合を開いた。頭首工上流部の河底に開いた穴から漏水し、下流部で水が噴き出している状況。会見で農林水産省農村振興局の土屋恒久施工企画調整室長は「水の道ができていることは間違いない」としたが、止水壁があるのに、どのようにパイピング現象が発生したかは現時点で不明とした。石黒委員長は、地下に大きな空洞ができている可能性も指摘した。
同局は、穴の状況や水の道を確認する方法として、水中カメラの使用やボールなどを流すといった方法を挙げた。収集、整理したデータなどを基に、次回の委員会でさらに詳細な調査・解析方法などを検討する。
明治用水頭首工は1957年に完成。78~83年に改修し、2017~22年に堰柱やゲート設備などの耐震化工事を実施した。堰長は約167メートル(洪水吐き133メートル、土砂吐き26メートルなど)。最大取水量は農業用水が毎秒30立方メートル、工業用水は同4立方メートル。現在は取水口からの取水ができないため、右岸側に設置したポンプ162台(能力は毎秒11・62立方メートル)で取水し用水路に流している。
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