国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)登録技能者の賃金実態を調査し、CCUSの能力評価制度で最上位となる「レベル4」の技能者の賃金が相対的に上昇していることが分かった。「レベル1~3」の技能者の平均賃金と比べると、2021年10月時点でレベル4の平均賃金は13・85%高かった。賃金差は1年前より2・67ポイント広がっており、能力や経験に応じた賃金支払いが着実に浸透してきたとの見方ができそうだ。
毎年10月に実施している公共事業労務費調査で取得したデータに基づき、CCUS登録技能者の賃金実態を調査、分析した。労務費調査では20年度から調査票にレベル記入欄を設けている。
CCUS登録技能者の平均賃金は、全建設技能者の平均賃金より2・55%高かった。1年前の20年10月時点と比べると賃金差は1・51ポイント縮小している。国交省は要因として、この1年で技能者登録がある程度進展し、全建設技能者に占めるCCUS登録技能者の割合が大きくなったためと分析している。
一方、CCUS登録技能者間でレベルごとに賃金差は広がる傾向にある。職種別にレベル4とレベル1~3の平均賃金を比較すると、▽左官=(レベル4がそれ以外に比べ)27・52%増▽鉄筋工=23・51%増▽普通船員=23・35%増▽電工=20・08%増-などで大きな開きがあった=表参照。
技能者の能力や経験に見合った評価や処遇が実現されれば、おのずとレベルごとの賃金差は生まれる。こうした傾向はCCUSの目的に沿った動きと判断できそうだ。
元請のゼネコンではCCUSのレベルを企業独自の手当に反映する取り組みも広がりつつある。国交省の調べによると、自社の優良技能者認定制度でレベル別の手当支給を行っているゼネコンが複数社ある。処遇改善とは異なるインセンティブ付与の在り方として、休日取得目標を達成した場合の労務費割り増し補正制度の運用でCCUSの就業履歴を出勤確認に利用しているケースもあった。
source https://www.decn.co.jp/?p=143916
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