2022年6月21日火曜日

国交省/インフラシステム海外展開行動計画、O&M技術で競合国と差別化

 国土交通省は2022年度のインフラシステム海外展開行動計画を決定した。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきている状況を受け、国交相らによる対面でのトップセールスを本格的に再開。日本企業が持つ高品質なO&M(運営・維持管理)技術を付加価値として前面に出し、中国など価格競争力で勝る競合国に対抗する方針も打ち出した。質の高いインフラ輸出を経済成長のエンジンに位置付け、日本企業向けの支援策を積極展開する。
 20日に国際政策推進本部の会合を東京都内で開き、同計画を決定した。本部長を務める斉藤鉄夫国交相はコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻に触れ、「世界のインフラ需要は旺盛だが、国際的な競争環境は厳しさを増している」と現状を指摘。幹部職員に対し「民間企業の支援ニーズを丁寧にくみ上げ、海外事業への参画を積極的に支援するようお願いする」と指示した。
 相手国の閣僚レベルへの、対面での働き掛けを再開する。斉藤国交相は「政務レベルのトップセールスで直接働き掛け、民間企業の取り組みをしっかり支援していきたい」と述べた。
 新たな行動計画にはO&M事業への参画推進や、中小・スタートアップ支援といった新たな施策を盛り込んだ。
 O&Mは政府開発援助(ODA)による整備と一体的に売り込む。日本企業が持つインフラメンテナンス技術や正確で安全な鉄道運行技術などを高く評価。競合国と差別化する上での強力な材料に位置付けた。
 今後はO&Mの案件発掘調査を実施。プロジェクトが具体化した後、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)など公的金融機関による融資や円借款などで資金面を支える。
 中小企業やスタートアップ企業の海外展開も支援する。海外展開に関する相談窓口をJOIN内に設置する予定。既存支援制度の説明会も地方ブロックごとに開催し、認知度向上につなげる。
 事業参画を目指すプロジェクトの一覧も示した。全87事業のうち今年新たに盛り込んだのは▽バンコク地下道路トンネル(タイ)▽プノンペン都洪水防御・排水改善(カンボジア)▽主要空港運営(ウズベキスタン)▽台湾高速鉄道車両調達(台湾)-の4事業。



source https://www.decn.co.jp/?p=143714

0 comments :

コメントを投稿