大林組は3Dプリンターを使った建屋建設に着手した。独自開発した常温硬化型超高強度繊維補強コンクリートで地上構造部材をすべて3Dプリンターで建設。同コンクリートによる構造形式で建築基準法に基づく国土交通大臣認定を取得したのは初めて。完成予定は11月。完成後、耐久性、構造、環境性能を評価し3Dプリント技術のPR施設として公開する。大臣認定の取得で得たノウハウを活用すると、複数階や面積規模を拡大した構造物の建設もできるという。
建設する「(仮称)3Dプリンター実証棟」は、壁が複数層でケーブルや配管ダクトが配置でき、通常の建築物と同様の利用を想定したデザイン。最少材料で最大の空間が得られるように設計した。3Dモデルで設計・製作フローを構築し、建築・構造・設備の各設計と施工を連携。プリント経路の自動生成や傾斜部の積層性、障害物との干渉状況を確認するソフトウエアも開発した。デザインされた形状に、建築物として必要な情報を付加し製作するまでの時間を短縮する。
実証棟は平屋で床面積が約27平方メートル。建設地は東京都清瀬市の同社技術研究所内。3Dプリンターで常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を充てんし、床版や壁をプリントしていく。床版(基礎、屋上階)は外部で製作する。建設地に床版(基礎)を設置し、3Dプリンターを据え付けて壁を構築。そのあと屋上階の床版を架設して、再び3Dプリンターで壁を築いていく流れ。
床版は力が分散するよう、力の流れに沿った形状の突起(リブ)で補強。空調、洗面、照明などの設備も実装するため、壁は構造体層と断熱層、設備層(ケーブル保護層や空調ダクト層)で構成する。3Dプリントでの躯体工事と同時に断熱、設備工事の一部を行うことで工期短縮と省力化が図れる。
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