国土交通省は2023年1月に施行を予定している経営事項審査(経審)の改正内容を一部変更する。建設キャリアアップシステム(CCUS)を現場で導入する元請企業を評価する際の条件を緩和。当初は全工事現場あるいは全公共工事現場で就業履歴の蓄積に取り組むことを加点要件として提示していたが、過度な負担を考慮し「軽微な工事」や「災害応急工事」を審査対象から除外する。施行後すぐに適用せず、公布日以降に開始する事業年度からの取り組み状況を評価対象とする経過措置も講じる。
今回の経審改正は3月の中央建設業審議会(中建審)総会で大枠を了承した。担い手の確保・育成につながるとしてCCUSの現場導入企業や、ワーク・ライフ・バランス(WLB)関連の認定制度の取得企業を新たに評価。災害復旧に使用される建設機械の保有状況を評価する枠組みも拡充し、環境配慮への加点評価の対象となる認証制度も増やす。
CCUSを全現場で導入する企業は15点、全公共工事で導入する企業は10点を付与する。ただし極めて短工期で施工体制登録の時間的猶予がない少額工事や、緊急を要する災害応急工事などは審査対象から除外する規定を追加。具体的な線引きとして建設業許可が不要な「軽微な工事」(請負代金500万円未満の工事、延べ床面積150平方メートル未満の木造住宅工事など)と、発災直後の応急対策で災害協定に基づく契約や発注者の指示による工事を除外対象として明記する。
経審改正は8月にも公布する。新たな審査基準の適用は2段階で行われる予定で、CCUSの現場導入に関する審査項目に限り、公布日以降に開始する事業年度から審査対象の期間として運用する。23年1月の施行日に適用すると、公布前から加点要件を満たしておく必要があるためだ。経過措置の運用で、例えば3月決算の企業は23年4月以降にCCUSを現場導入すれば加点対象になる。
WLB関連の認定取得企業を評価する条件も一部変更。「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」の基準引き上げに伴い4月に新設された「トライくるみん認定」を加点要件に追加した。
source https://www.decn.co.jp/?p=143793
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