2023年3月31日金曜日

大林組ら/協力会社向けに相談窓口開設、事業承継や技能者育成など

大林組は30日、同社協力会社組織の大林組林友会連合会(林友会、山本正憲会長)と共同で4月3日に「事業と技能のあとつぎ支援センター」を開設すると発表した。協力会社の抱える経営課題の解決と経営者、社員、若手技能者の確保・育成支援が目的。採用や事業承継などに関する相談を受け付ける窓口を設置するほか、集合教育や動画による教育コンテンツを提供する。
センターの事務局は、土木関係を大林組土木本部長室、建築関係を建築本部本部長室調達マネジメント室にそれぞれ設置する。外部委託の相談窓口で相談を受け付け、事務局が提携する採用、教育、DXといった各種専門コンサルタントと連携して対応する。
相談窓口では協力会社から経営上の課題に関する各種相談を電話やメールで受け付ける。相談内容としては効果的な採用プロセスや自社の教育体系の作成、後継者候補の育成などを想定している。
教育機会の提供では協力会社の経営者や若手、中堅社員などを対象にした階層別の集合教育や、動画などの教育コンテンツ(eラーニング)を定期的に配信する。具体的には後継経営者研修、若手社員育成研修、現場コミュニケーション技術研修などを実施する。
大林組が林友会加盟会社に実施した経営課題などに関するアンケートによると、「後継者の不在」「従業員、技能者の不足や育成」が多く挙がっていた。同社は林友会と共同で2014年に技能者向けの教育訓練校を設置し、技能者の育成・確保を支援してきた。
センターの相談対応体制(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

成田空港会社/「新しい成田空港」構想中間取りまとめ発表、将来配置イメージを公開

成田国際空港会社は「新しい成田空港」構想の中間取りまとめを発表し、三つの既存ターミナルを集約した「ワンターミナル」型の新旅客ターミナルと新貨物地区の将来配置図を公開した。新旅客ターミナルは第2旅客ターミナル南側、新貨物地区はB、C滑走路の中間地点をそれぞれ候補地とした。新旅客ターミナルの整備は投資コストを抑制するため、2段階のフェーズに分ける案も示した。
30日に東京都内で開いた定例会見で明らかにした。両候補地は各滑走路からアプローチしやすく、既存の道路や鉄道との接続性を考慮した。新旅客ターミナルの段階的整備の1例は、第1フェーズで第2ターミナル南側に新旅客ターミナルの半分を整備。第2、第3ターミナルを接続して暫定的なワンターミナルにする考え。乗り継ぎ利便性の向上や固定ゲートなどの一部施設を共用化し効率的な運用の実現につなげる。
第2フェーズは第1ターミナルを閉鎖し、跡地に新旅客ターミナルの残り半分を整備後、第2、第3ターミナルを閉鎖するという。第2フェーズ完成後、チェックインや保安検査、出入港手続きなどの本館機能を集約。利便性の向上などを実現していく向きだ。田村明比古社長は、各フェーズの期間や進め方が「まさに今後の検討で大きなポイントとなる」と強調した。
鉄道や道路などの空港アクセスは「さまざまな検討の場を設ける準備をしている」(田村社長)と述べ、「さまざまな制約がある。国や事業所、各自治体と連携する」と意向を示した。
中間取りまとめの内容は、成田空港会社などでつくる「『新しい成田空港』構想検討会」(委員長・山内弘隆一橋大学名誉教授)で議論してきた。空港の概況や課題、今後の方向性を▽旅客ターミナル▽貨物施設▽空港アクセス▽地域共生・まちづくり-の4テーマで整理した。同検討会は休会し、2023年度以降は社内で検討を進める方針という。
新旅客ターミナルと新貨物地区の将来配置イメージ(成田空港会社提供)
source https://www.decn.co.jp/

西日本シティ銀行、福岡地所/銀行本店本館建て替え、大成建設で11月着工

西日本シティ銀行(福岡市博多区)と福岡地所(同)は共同で計画する同銀行本店本館建て替えプロジェクトの概要を発表した。規模はS一部RC・SRC造地下4階地上14階建て延べ7万5678平方メートル。同銀行保有ビルの連鎖的再開発の初弾として本店機能に加え、オフィスや商業店舗を設けた複合ビルとする。地下には約400人規模の高い音響性能を備えたホールを設ける。11月ごろに着工し2026年1月ごろの完成を予定する。基本設計は日建設計と大成建設、実施設計・施工は大成建設が担当。
福岡市が進めるビル建て替え誘導プロジェクト「博多コネクティッド」の容積率緩和措置などの認定を受けた。計画地は福岡市博多区博多駅前3の1の1(敷地面積5230平方メートル)。2者が共同出資する特定目的会社Walkが事業主となる。
敷地北東側に地上・地下の歩行者ネットワークの核となる大規模立体広場を設け、回遊性の向上を図る。優れた環境配慮技術の積極的な採用によりエネルギー削減量50%以上を達成し「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready」の認証取得を目指す。同市が進める緑化誘導プロジェクト「都心の森1万本プロジェクト」の趣旨を踏まえ広場などに中低木を植樹する。
建物の地下は、はかた駅前通り地下通路に直結しJRや地下鉄へのアクセスを向上。オフィスフロアは博多駅前エリア最大級の基準階面積約3900平方メートルを確保する。地下3階の柱頭免震構造を採用し、大規模地震を想定した耐震性能を備える。
デンマークを拠点に活動する国際的な建築デザイン事務所「3XN Architects」が国内で初めて内外装デザインを手掛ける。建物の9階部分に切り込みを設けて建物のボリュームを分節することで周辺街区との調和を図る。
複合ビルの完成イメージ(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

建設業の課題解決へ、時計の針が一気に進む/国交省持続可能検討会で委員ら総括

国土交通省の有識者会議「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」が29日に取りまとめた提言は、業界が抱える長年の懸案を打開する契機となるか--。同日の最終会合では各委員から提言内容を一つでも多く実現し、現場へ浸透させていくよう求める声が上がった。座長を務めた競争法が専門の楠茂樹上智大学法学部教授は「今回の議論や提言が、政府による『成長と分配の好循環』『新しい資本主義』といった大きな政策の重要なパーツになると確信している」と期待した。
非公開で行われた同日の最終会合=写真=で各委員が発言した内容を国交省が明らかにした。
堀田昌英東京大学大学院工学系研究科教授は、重層下請構造の弊害是正など数十年にわたり議論が停滞していた難問に突破口が開けたことから「時計の針が一気に進んだ印象を受ける」と実感を口にした。制度化を検討する「これからが重要」との見通しを示し、適切な労務費水準をどう定めるかなどをポイントに挙げた。
「発注者を含むパートナーシップを明確にうたったのは大きな意義がある」と指摘したのは、西野佐弥香京都大学大学院工学研究科准教授。請負契約の透明性確保などの方向性に「総価一式が所与のものとする考え方を変え得る」と期待を示した。
建設分野などの労働社会学を専門とする惠羅さとみ法政大学社会学部准教授は、適正賃金の支払いが可能となる労務費から積み上げてコストを提示する在り方を示したことなどの意義を強調。関係業界を交えた今後の議論に当たって「世代を超えた議論を進め、現場の声もヒアリングしながら検討をお願いしたい」と要望した。建設業関係の企業法務に携わる大森有理弁護士は「若い世代が入りたいと望み、技能を磨いて残ってくれる業界にしていきたい」と将来を見据えた。
他産業を代表し参加した榎並友理子日本IBM執行役員は、請負契約を中心に「時代の変化を踏まえ変わるべきところは変わっていくのがいい」とのスタンスを示した上で、提言内容の実現に期待。労働法に詳しい原昌登成蹊大学法学部教授は、請負契約の透明性を高めて情報を明らかにするというキーワードが重要と指摘し、「これから当事者同士の協議を促す方向へ進んでほしい。現場の労働者が安心して働ける環境になることに期待する」と述べた。

source https://www.decn.co.jp/

東京都/有明アーバンスポーツパーク整備・運営/東京建物ら3社グループに

東京都は30日、PFI法に基づく「有明アーバンスポーツパーク整備運営事業」の優先交渉権者に東京建物を代表者としTSP太陽、日テレアックスオンで構成するグループを選定したと発表した。企画提案方式を採用。同グループを含め2グループが参加した。
選定に当たり事業者グループが施設計画や運営内容、事業収支計画などを提案した。幅広い層がアーバンスポーツに親しむ機会を提供するとともに、地域のまちづくりに真摯(しんし)に取り組む東京建物グループの提案内容を評価した。
計画地は江東区有明1の7の2の一部で、敷地面積は3万1204平方メートル。東京建物グループの提案によると、敷地西側の「レガシーゾーン」にはスケートボードパーク、屋内ボルダリング棟、3人制バスケットボール場を整備する。東側の「多目的ゾーン」は大規模アスレチックを有料で楽しめる屋外アスレチックのほか、60メートルの室内陸上トラックを備えたランニングスタジアム、BMXなどのイベント会場となる広場・マルチプルスペースで構成する。
レガシーゾーンは都が整備し2024年4月に先行開業する。全面開業は同10月12日を予定している。
アーバンスポーツパークでは誰もが健康的に、楽しくアーバンスポーツに親しめる場や仕組み、ライフスタイルなどを提案する。国際大会や地元のイベントなど幅広い催しを誘致し、地域の活性化につなげる。
今後は都と事業内容の詳細を協議し、6月に事業契約を結ぶ。6月~25年3月に多目的施設を設計・整備。スポーツパーク全体の運営期間は同3月~35年2月の10年間となる。
スケートボードパークの完成イメージ(東京都の発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

回転窓/記者の原点

2022年度が終わる。生活や仕事の変化を前に慌ただしい読者も多かろう▼「人に何かを伝えるときは必要十分条件ではだめで、必要十二分条件を言わなければ真意は伝わらない」。今月末退官する高知工科大学の磯部雅彦学長が、本紙の取材に語っていた▼海岸工学の第一人者で防災分野をけん引した磯部氏。土木学会が100周年を迎えた14年に会長を務め、社会へのアピールにも力を注いだ。市民の理解を得るために、より丁寧に伝える努力が不可欠との指摘は重い。すべてに通じる話で新聞社はその最たるものとなる▼記事は、ちょっとした表現で意味が変わることがある。内容を理解して、全体の構想とともに細部にまで気を配る必要があり、新米時代に何度も駄目出しされた。繰り返し取材して書いた原稿がボツとなり、取材先に謝罪した苦い経験も▼厳しく指導してくれたベテランが、きょう当社を卒業する。「読まれて初めて新聞記事になる。読み手を意識してほしい」とはHさんの言葉。当たり前だからこそ忘れてはならない記者の原点。建設産業を社会に正しく伝える一助となるため、肝に銘じ続けていきたい。

source https://www.decn.co.jp/

イオンモールら/東京都八王子市に延べ6・3万平米の複合商業施設、設計は大成建設

 イオンモールらが東京都八王子市に延べ約6・3万平方メートルの複合商業施設を建設する。施設には店舗に加え、事務所や保育所などが入る予定。設計は大成建設が担当する。施工者は未定。2023年春の着工を予定し、26年春の完成を目指す。全体敷地は約10・2万平方メートルに上り、2期に分けて整備。今回の複合商業施設は第1期で、続けて第2期工事に着手する構え。
 計画名称は「(仮称)八王子インターチェンジ北A街区」。イオンモールとグループ会社のイオンネクスト(千葉市美浜区、バラット・ルパーニ社長)が計画する。計画地は滝山町1の885の1ほか(地名地番、敷地面積6万4919平方メートル)。中央道八王子ICから約500メートル、JR八王子駅から約3キロの場所に位置する。
 建物はS造6階建て延べ6万3331平方メートルを見込み、▽物品販売店▽飲食店▽事務所▽保育所▽宿泊施設▽駐車場▽駐輪場▽工場-などが入居する。商業施設はイオンネクストが提案する次世代スーパーと位置付け、ロボットなどの最先端技術を活用する。ネットショッピングや宅配サービスといった多様な購買ニーズを取り込むハイブリッド型の店舗形態を目指す。
 シネマコンプレックスや障害者スポーツ施設、近隣にある道の駅との連携も構想している。八王子ICから近いという立地特性を生かし、多摩南西部など広域からの集客も期待する。



source https://www.decn.co.jp/?p=151397

2023年3月30日木曜日

大阪府/新安治川水門(大阪市港区)デザイン案決定、上屋外装にカーテンウォール

大阪府都市整備部は、安治川水門(大阪市港区)の上流側に計画している新水門のデザイン案を決定した。新水門デザイン中間報告を2022年12月、大阪府河川構造物等審議会に示し、有識者らの助言を踏まえてデザインをブラッシュアップし、13日の審議会にデザイン案を報告した。上屋外装のカーテンウオール導入を決定し、水門本体の金属部材の色をライトグレーに決めた。上屋(緩衝装置)の表面はリブ付きの鋼板仕上げを採用する。府は今後、新水門建設に必要な右岸側の用地の協議を着実に進め、工事着手に備える。
府は、安全・安心のシンボルや水都大阪の玄関口を表現できる新水門のデザインを探ってきた。
上屋外装についてはカーテンウオールを使用するが、上下流両側の印象に変化を付けるため、上流側には金属パネルを導入し、「シンボル性を保持しつつ、堅牢(けんろう)な印象も与える」計画だ。
▽放水銃の設置位置を門柱と緩衝装置の間に変更▽配管や機械設備が見えにくい転落防止策の縦格子採用▽現水門より細い防舷材の採用-なども決めた。
新水門の型式は引き上げ式のローラーゲート(2門)。高潮に加え、想定最大クラスの津波(L2津波)被害を軽減する構造物にする。規模は幅約30メートル、高さ約13メートルを想定している。
府は大阪市にあるアーチ型ゲートの三大水門(木津川水門〈大正区三軒家東〉、安治川水門、尻無川水門〈同泉尾〉)を新水門に建て替える事業を進めており、木津川水門の新水門事業を先行。木津川に続き安治川の新水門事業に着手する。34年度までに安治川水門改築事業を完了する計画を示している。
下流側のデザイン(大阪府ホームページから)
source https://www.decn.co.jp/

関東整備局日光砂防/独自対策で不調不落ほぼゼロに、インフラDXも注力

◇DXにも積極姿勢貫く
関東地方整備局日光砂防事務所が独自の不調・不落対策で効果を上げている。山間部の砂防事業は施工条件が厳しく、人手不足の問題が深刻さを増している。こうした状況下、同事務所は総合評価方式でインセンティブを設けたり、技能者不足に果敢に対応したりするなど各種施策を展開。全発注件数の半数を占めていた不調件数が、ここ2年でほぼゼロ件になったという。村松悦由事務所長は成功の決め手を「コミュニケーションを大事にしてきたこと」だと語る。
2021年4月に着任した村松所長がまず取り組んだのは不調率の改善。施工条件の厳しい工事に参加する建設会社は限られ、地元建設業からは「(技能者不足で)国の仕事まで手が回らない」との声も聞こえる状態だったという。厳しい状況を打破するため、同事務所は独自施策を打ち出してきた。
施工条件が厳しい工事を「日光砂防現場技術力認定工事」に独自で指定。工事を完遂した受注者にはインセンティブを付与。次回以降の入札参加時に総合評価方式で加点評価する取り組みを22年度に始めた。再度の入札参加を後押しするとともに、「自治体実績活用型」を積極的に活用し新規参入も促している。
予定価格の設定にも配慮。積算時は材料単価に注意を払い、生コンクリートなど価格変動が大きい資材は調査時の価格と実勢価格に差が生じないよう見積もりを積極活用。技能者不足に対しては、遠方からの技能者向けに宿泊費用を手当てしている。
最も大事にしているのはコミュニケーション。積み重ねてきた信頼関係が、厳しい施工条件の多い山間部の工事でも不調・不落を防ぐ決め手になっている。さまざまな手だてが功を奏し、22年度は入札参加者ゼロの工事をほぼ根絶することができたという。
日光砂防事務所はインフラDXにも力を注ぐ。現場では小規模ICT施工や遠隔臨場を積極的に取り入れている。栃木県建設業協会(谷黒克守会長)と協力して、経営者向けセミナーと技術者向け講習会を両輪にICT施工の普及拡大を図ってきた。
厳しい人手不足に直面する地域や工種は、生産性向上がより求められている。同事務所は関東エリアで初めて衛星通信を使って遠隔臨場を実施。23年度は別の衛星通信キャリアを用いた遠隔臨場にも挑戦する予定だ。
山間部では技能者不足や高齢化に歯止めがかからないのが実情だ。不調件数をゼロにできても、地域建設業が衰退すれば再び不調・不落が増えるだろう。若手技能者の確保には「コンビニ」「スマートフォン(の電波)」の二つが必要だが、山間部の現場にはどちらもない。同事務所では学校と連携した地域教育なども推進。「広く知ってもらえれば必ず建設に興味を持ってくれる人がいるはず」(村松所長)と将来につながる施策にも取り組んでいる。
過酷な山岳土木の現場は人手不足の最前線でもある
source https://www.decn.co.jp/

回転窓/レベル4飛行への期待

NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」があす最終回を迎える。空を飛ぶ夢に向かって奮闘するヒロインの物語。最終盤には空飛ぶクルマやコロナ禍のことも描かれ、人が空を飛ぶことのすごさ、行きたい場所に行けて会いたい人に会える大切さを改めて教えてくれる▼数人乗りの空飛ぶクルマが行きたい場所に連れて行ってくれる、ドローンが自宅に荷物を届けてくれる--。そんな未来がいよいよ現実のものになろうとしている▼日本郵便は24日、住宅街など有人地帯の上空をドローンが目視なしで自動運航する「レベル4」飛行を国内で初めて実施した。東京都奥多摩町での試験配送はドローンが郵便局から飛び立ち、周辺の民家や道路の上空を通過。目視外となる山間部の住宅まで往復約4・5キロを飛行し、約900グラムの荷物を配送した▼車で往復30分ほどかかっていた配送時間は約10分に短縮。日本郵便は運航体制などの課題を検証し早期のサービス開始を目指すという▼レベル4の飛行は昨年12月、改正航空法の施行で可能になった。インフラの保守点検や測量、災害時の被災状況確認などでの実現にも期待が膨らむ。

source https://www.decn.co.jp/

高砂熱学工業/創立100周年記念ロゴ作成/「挑戦」と「無限の広がり」表現

11月16日に創立100周年を迎える高砂熱学工業が記念ロゴマークを作成した。周年記念プロジェクトの一環。社員から広くデザイン案を公募して決定した。創立100周年のシンボルとして、コーポレートサイトや広告などの広報活動、名刺や各種資料などに使用する。
記念ロゴマークは「1」の数字を、これからも“挑戦”し続けていく力強い意志の思いを矢印になぞらえた。「00」は「∞(無限大)」にし、同社の事業や個々人の可能性の“無限の広がり”を意味している。
100の下には「空気の流れ」を曲線でデザイン。カラーは前身である「高砂煖房工事」の「煖房=オレンジ」を起点に「冷房=ライトブルー」を連想させる。今後進むべき「環境創造」をグリーンで表し、カラーグラデーションで時の流れと目指す方向性を表現した。
創立100周年記念ロゴ(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

清水建設、東京理科大/非構造部材の環境負荷低減へ、産学連携で研究開発始動

清水建設と東京理科大学は、建築内外装材など非構造部材の環境負荷性能に着目した共創プロジェクト「みどりの機能建材研究開発プラットフォーム」を立ち上げ本格始動した。二酸化炭素(CO2)排出量をライフステージごとに評価、可視化するシステムの構築を目指す。非構造部材の製造、施工時のCO2排出削減に貢献する高機能材料や工法の研究開発も促進。材料メーカーなどとの連携も視野に入れる。
プラットフォームは東京理科大学研究推進機構総合研究院(西原寛院長)の「共創プロジェクト」として設置。創域理工学部の建築学科を中心に先端化学科や経営システム工学科、同大学院国際火災科学専攻などと横断的な研究体制を構築する。設置期間は2025年3月まで。研究費は1・5億円を見込む。
建設段階のCO2排出量の約20%を占める非構造部材は膨大な種類の材料や工法が存在。これまで個別の研究開発が主流で、多種多様な材料を包括的にターゲットにした取り組みは業界初となる。
非構造部材は建設、運用段階を含むライフサイクル全体のCO2排出量を勘案した評価手法が確立されていないのが実情。共創プロジェクトではCO2排出量を評価し可視化するシステムの構築を目指す。
主なターゲットは内外装材や開口部材、下地材。▽省資源化▽長寿命化▽高断熱化▽木材活用▽資源循環-の各分野で研究を加速し高機能材料や工法の開発につなげる。
29日に東京都内で行った記者会見で、西原院長は「清水建設と英知を結集し環境配慮やカーボンニュートラル、資源循環の取り組みをリードしていく」と決意を表明。清水建設の掛川秀史執行役員技術研究所長は「学術的基盤の確立や研究開発などを通じて環境配慮建築物の実現を目指す」と力を込めた。
掛川技術研究所長〈右〉と西原院長
source https://www.decn.co.jp/

国交省、建設4団体/技能者賃金水準23年に5%上昇目指す、意見交換で申し合わせ

国土交通省と建設業主要4団体は、技能労働者の賃金水準の上昇率として2023年に「おおむね5%」を目指すことを申し合わせた。過去2年に業界共通の賃上げ目標を掲げて成果を上げてきたことを踏まえ、大幅な引き上げとなった公共工事設計労務単価に相当する賃金が末端の技能者まで適切に行き渡るよう、それぞれの立場で可能な取り組みを実行する。時間外労働の罰則付き上限規制の適用が1年後に迫る中、週休2日の確保などにより工期の適正化に官民で取り組むことも併せて合意した。
斉藤鉄夫国交相と日本建設業連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の4団体が29日に開いた意見交換会で、国交省からの提案に各団体が応じた。
21年は「おおむね2%以上」、22年は「おおむね3%」の賃上げ目標を設計労務単価ベースでクリアしてきた。3月に適用した設計労務単価は全国・全職種の単純平均で前年度比5・2%の引き上げとなり、その水準に相当する新たな目標を設定することにした。
政府の物価・賃金・生活総合対策本部が2月に開いた会合では、岸田文雄首相が「設計労務単価の引き上げが現場に着実に届けられ、公共事業に参画する企業で働く方々の賃上げにしっかりつながるよう万全の対応を進めてほしい」と斉藤国交相に直接指示した。
この岸田首相の発言を引き合いに出し、斉藤国交相は「実現には現在の流れが地方自治体や民間の工事にも広がり、技能者の賃金水準の上昇につながる好循環が持続できるよう、官民一体となった取り組みの一層の推進が必要不可欠」と4団体の幹部らに訴えた。
斉藤国交相は時間外規制にも言及し「働き方改革の推進や生産性の向上が最重要課題」と強調。国交省として週休2日を前提とした工事発注に加え、厚生労働省と連携した民間発注者に対する工期適正化の働き掛けを強める考えを示した。

source https://www.decn.co.jp/

岐阜県/第2次リニア活用戦略策定、効果波及へ18施策を推進

 岐阜県は、第2次岐阜県リニア中央新幹線活用戦略を策定した。各施策の取り組み状況や社会情勢の変化を踏まえ、観光振興・まちづくり、産業振興、基盤整備の各戦略で重点的に実施する18施策を改めて設定。実現に向けた具体的な事業と実施主体、事業方針などのアクションプランもまとめ、事業の進捗(しんちょく)を管理するためのロードマップも示した。2023年度から県や自治体、民間団体らが連携し、リニア開通の効果を広域に波及させる施策を展開する。
 第2次活用戦略では、戦略の視点にSDGs(持続可能な開発目標)や、21年7月に静岡県熱海市で発生した大規模土砂災害を踏まえ残土、盛り土などの環境対策、人材育成などを加えた。
 観光振興・まちづくり戦略では、リニア岐阜県駅から県全体、隣接県への観光振興、総合車両基地の観光資源活用、移住・定住の人口の拡大などに取り組む。滞在型コンテンツを充実するため、中津川市は苗木城跡を核とした拠点づくりの検討、瑞浪市と恵那市は道の駅を整備する。土岐市は25年度オープンに向け泉北部レクリエーションゾーン活用事業を進めるほか、文化財保存活用拠点(仮称)の整備も計画している。
 産業振興では、中津川市が中津川西部テクノパークの整備を進め、恵那市は恵那西工業団地2期と雀子ケ根企業用地の開発に向けた検討を進める。リニア総合車両基地で働く従業員向けの住宅、医療、福祉といった環境整備も進める。
 基盤整備ではリニア岐阜県駅へのアクセス道路のうち、濃飛横断自動車道(中津川工区)や国道19号瑞浪恵那道路はリニア開業を見据えて整備。濃飛横断自動車道(木曽川美恵橋以北)は開業後の状況を見て進める。県は施策の実現に向け、リニア活用戦略研究会や活用戦略ブラッシュアップ懇談会を中心に23年度以降、オール岐阜体制で取り組みを推進する。



source https://www.decn.co.jp/?p=151542

2023年3月29日水曜日

鉄道各社の展望-開業150年-/東急/鉄道と都市開発の両輪で事業強化

 東急は2022年9月に創立100周年を迎えた。今月18日には東横線と相模鉄道を結ぶ「新横浜線」が開業。初の東海道新幹線との接続を実現し、利便性を一層高めた。沿線を中心とした都市開発事業にも力を注いでいる。本拠地の渋谷では「100年に一度」とも言われる再開発を推進。駅周辺にオフィスや商業施設が入る超高層ビルを整備し、多様な来街者を呼び込む街づくりを仕掛けている。
 新横浜線は羽沢横浜国大駅~日吉駅間をつなぐ約10キロの新路線だ。神奈川県央部から東京都心部まで乗り換えずに移動でき、所要時間の短縮も実現。相鉄湘南台駅~東京メトロ副都心線新宿三丁目駅間を最速59分、相鉄海老名駅~都営三田線大手町駅間を同70分で結ぶ。新駅として整備した「新横浜駅」は、東急にとって初の東海道新幹線への乗換駅となる。関西方面へのアクセスが大幅に改善され、沿線からの利用者増加にも期待がかかる。
 鉄道とともに事業基盤を支えるのが都市開発事業だ。渋谷駅の周辺では12年に開業した「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、「渋谷ストリーム」(18年開業)、「渋谷スクランブルスクエア東棟」(19年開業)といった高さ180メートル超の複合ビルを続々と完成させた。駅直結のビルにオフィスや商業施設を設け、来街者の増加と鉄道利用者の取り込みを図った。
 23年度以降も大規模プロジェクトが控える。ヒカリエに隣接する「渋谷二丁目17地区」では、延べ約4・4万平方メートルの再開発ビルが24年度に完成する予定だ。駅周辺に不足する屋外広場を設け、来街者の滞留空間にする。東急百貨店東横店の跡地に建設中の「渋谷スクランブルスクエア中央・西棟」も27年度の開業を目指している。先行開業した東棟と合わせると、オフィスの貸し床面積は約7・3万平方メートル、商業施設の営業面積は約7・2万平方メートルとなり、駅周辺で最大級の複合施設になる。
 新宿・歌舞伎町では、14年に閉館した旧新宿ミラノ座の跡地に建設した複合施設「東急歌舞伎町タワー」が4月14日に開業する。「好きを極める場」をコンセプトに劇場や映画館、ライブホール、ホテルなどエンターテインメント要素に特化した用途構成が特徴。回復傾向にあるインバウンド需要の取り込みも視野に、歌舞伎町の新たなランドマークを目指す。
 東急担当者は施設について「集客に向けた施策を定期的に打っていき、世界へ向けた新たな都市観光の拠点を目指す」としており、ソフト面からのにぎわいづくりも積極的に仕掛けていく考えだ。開業時には人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションを実施。作品の上映や舞台公演、ライブなどビル全体で関連企画を展開し、ファンらを呼び込む。
 ハード面だけでなく、ソフト面からも沿線の魅力の底上げを図っている。田園都市線沿線では、生活者を起点とした街づくりとして「nexus(ネクサス)構想」と題した取り組みを昨年スタートした。農業やエネルギーなど持続可能性をテーマに実証を展開し、地域単位で社会課題や環境問題を解決する郊外沿線の新モデル構築を目指す。 =おわり
 (編集部・林慶彦〈現九州支社〉、小堀太暉、若松宏史、木全真平、沢口誠、遠藤剛司)



source https://www.decn.co.jp/?p=151484

国土交通省/六角川水系の33河川、九州初の特定都市河川に指定

国土交通省は28日、佐賀県内を流れる六角川水系六角川など33河川を九州初の特定都市河川浸水被害対策法に基づく「特定都市河川」に指定した。同日、県庁で「六角川水系特定都市河川および流域の指定」確認書の調印式があり、流域自治体である武雄市の小松政市長、嬉野市の村上大祐市長、山口祥義知事と九州地方整備局の赤松忠幸副局長が確認書に署名し、流域治水の取り組みへの決意を新たにした。
六角川水系では2019年、21年に1500戸を超える浸水被害が発生。河川対策を進めても浸水被害は解消されない見込みで、流域治水を本格的に実践するためハード整備への補助金の拡充などの優遇措置が受けられ、浸水被害防止区域での開発の規制などができるようになる特定都市河川の指定を受けた。
指定されたのは椛島橋(武雄市北方町)より上流側の河川で流域面積は約99平方キロ。今後、確認書に調印した4団体のほか農林関係の行政機関などで構成する「流域水害対策協議会」を4月ごろに設置し、おおむね20~30年間に行う浸水被害対策を盛り込んだ流域水害対策計画を策定する。
同計画に基づき、河道掘削や洪水調節施設の整備、支川や水路の浚渫など河川整備を加速。内水調整池や遊水公園の整備、田んぼダムやため池の治水活用など雨水貯留浸透機能を強化する。浸水被害防止区域や貯留機能保全区域などの区域指定、災害リスクが高いエリアからの移転や土地利用規制についても検討する。
調印式で小松市長は「治水と開発のバランスが取れた街づくりをしたい」、村上市長は「住民らの流域治水への理解が進むことを期待する」と述べ、山口知事は両市の取り組みへの支援に意欲を見せた。
赤松副局長は「流域治水の旗振り役としてその責任を果たすべく防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの予算を活用し、しっかりと六角川の治水事業を加速させていく」と藤巻浩之九州整備局長のあいさつを代読した。
(左から)山口知事、小松市長、村上市長、赤松副局長
source https://www.decn.co.jp/

立飛HD/浅田真央さん「MAO RINK」、東京都立川市に24年11月開業へ

立飛ホールディングス(HD、東京都立川市、村山正道社長)が、フィギュアスケーターの浅田真央さんの名を冠したスケートリンクの建設プロジェクトに着手する。同HDが所有する立川市内の土地(約9000平方メートル)にメインとサブリンクなどで構成する施設を整備。基本・実施設計を山下設計、施工を北野建設が担う。同HDが創立100周年を迎える2024年11月の開業を目指す。
プロジェクトの名称は「MAO RINK PROJECT」(マオ・リンク・プロジェクト)。計画地は泉町935の1ほか。ららぽーと立川立飛店の駐車場として利用されている土地に整備する。施設規模や着工時期は非公表としている。
「『真央リンク』をつくりたい」という浅田さんの思いを受けて同HDが計画。施設内は▽トレーニングジム▽スタジオ▽レストラン▽ギャラリー▽ショップ-の各機能を用意し、世界で活躍するプロスケーターの育成やフィギュアの魅力発信につなげる。
28日に東京都内で会見した浅田さんは「世界に飛び立っていけるスケーターを育てたい。笑顔があふれ、選手に活力を与えられる場所になることを願う」と語った。村山社長は「スケートリンクの開業によって立川がより魅力的な街になってほしい」と展望した。
完成イメージ(MAO RINK PROJECT準備委員会提供)
source https://www.decn.co.jp/

竹中土木ら4社/トンネル工事現場、バーチャル空間で施工確認

竹中土木ら4社は遠隔地からトンネル現場の施工状況が確認できるシステムを開発した。ローカル5Gと360度カメラ、映像コミュニケーションプラットフォームなどを活用し、4K映像の360度ライブをバーチャル空間に再現。現場映像の自由視点とリアルタイム確認を実現している。
国土交通省東北地方整備局発注の「国道121号湯野上2号トンネル工事」(福島県下郷町)で試行し国交省から実証確認を得た。
システムは4K対応の360度カメラとVR(仮想現実)ヘッドセット、ローカル5G無線通信システムで構成する。開発には竹中土木のほか、ICTシステム開発などを手掛ける演算工房(京都市上京区、林稔代表取締役)と日鉄ソリューションズ、リコーが参画している。
切羽付近に設置したカメラの映像をトンネル内のローカル5G無線を通じて現場の仮設事務所に伝送。遠隔地から自由な視点で施工状況が確認できる。任意の空間をVR上に再現するリコーのソリューション「リコーバーチャルワークプレイス」を活用。各自がVRヘッドセットを使ってその空間に一堂に会することができる。
リコーバーチャルワークプレイスを活用して地形やトンネルの3Dモデルを取り込み、資料・属性情報と組み合わせて工事進捗(しんちょく)や切羽状況を連続、立体的に確認することも可能。複数人が参加した場合、遠隔地からもアバターとしてバーチャル空間に入り、自然で自由なコミュニケーションが行える。
VRヘッドセットで現場状況を確認(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

国交省持続可能検討会が最終会合/議論の場は中建審へ、キーワードはパートナーシップ

◇長橋和久不動産・建設経済局長が検討過程で言及
国土交通省の有識者会議「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」が29日、議論の成果を取りまとめる最後の会合を迎える。ほぼすべての会合に出席し議論を見守ってきた国交省の長橋和久不動産・建設経済局長は「キーワードはパートナーシップ」と検討過程を受け止める。資材価格変動への対応や技能労働者の処遇改善といった根深い課題にさまざまな処方箋が示されているが、実現には発注者・受注者、元請・下請など幅広い関係者の理解が欠かせない。今後、中央建設業審議会(中建審)に議論の場を移し、制度上の対応方法など運用面を詰めていく見通しだ。
長橋局長が最終会合前に日刊建設工業新聞のインタビューに応じた=写真。政府全体で推進する「賃上げ」機運の高まりやロシアのウクライナ侵攻後の資材価格高騰を背景に、賃上げを阻害する労務費へのしわ寄せを防ぎ、適切な価格転嫁を実現する必要性を強調。将来的に建設市場の急成長が見込めない中、業界構造の抜本的なてこ入れを訴える。
持続可能な産業の姿として「若い人にとって魅力があり、新陳代謝が機能すること」と語り、深刻化する担い手不足を最大の課題に挙げる。検討会では国交省がたたき台の政策案を用意するのではなく、むしろ有識者らの提案を積極的に取り入れた。「若い人に選ばれる産業でないといけない」という思いから「新しい視点を持つ比較的若い世代の先生方、それも幅広い専門分野や他業種の方も含めてざっくばらんに意見をもらった」と狙いを話す。
これまでの議論を踏まえ「建設産業の生産過程に関わる取引の当事者らがパートナーシップによって適切に価格転嫁できる、適正な競争環境をつくる」と目指す方向を見据える。受発注者が互いを理解し対等な立場となれるよう、請負契約の透明性を高める仕組みなどが提示されている。他産業に劣らない賃金水準を確保し、週休2日など働き方の改善を実現するためにも、労務費や工期のダンピングを防ぐ方策も重要視する。
パートナーシップを構築することで「現場で働く技能者のスキルや経験がしっかり評価される労働市場をつくっていく」と話し、「それが建設キャリアアップシステム(CCUS)の目指すところ。ちゃんと機能させていく」と意気込みを語った。
検討会は業界外の視点を重視した意見交換だったため、中建審で業界関係者も交えた議論が本格スタートする。現時点で法制度にどう落とし込まれるかは白紙だが、検討会でまとまった論点を漏れなく提示し対応を検討していく方針だ。
長橋局長は各施策の具体化の方向性として、例えば労務費の圧縮を伴う廉売行為の制限に当たって「不適正な請負価格を判断する尺度がいる」と指摘する。受発注者間の価格転嫁に向け、想定外のリスクをどう見積もり、負担していくかのルール設定なども課題となる。さまざまな利害関係者が集まる中建審の場で、どのような着地点を見いだせるかが焦点となりそうだ。

source https://www.decn.co.jp/

回転窓/春の幸せをかみしめる

ある百貨店の食品売り場、いわゆるデパ地下に東京・巣鴨の老舗の塩大福が並んでいた。巣鴨とげぬき地蔵で親しまれる高岩寺の参拝土産として名高く、多くの人に好まれている▼北海道十勝産の小豆を使ったあんこを、絶妙な塩加減で調製した皮で包んだ“元祖”とされる逸品。昭和50年代に巣鴨の商店街で売られてから人気を博す。さっぱりとした甘さと独自の風味には、千葉・九十九里の製塩の経験が生かされていると聞いた▼この百貨店は土曜日限定で塩大福を仕入れ、特設コーナーに数を決めて陳列する。巣鴨の老舗と期間限定催事出品の契約をしており、評判の高さから全国に数カ所しかない常設販売を行うことにしたそう▼特設コーナーには各地の銘菓や人気の定番菓子が日替わりで用意される。京都府の名店の「生茶ゼリィ」や石川県で人気のあんころ餅など地域も種類もさまざま。「月に一度のお楽しみ」と銘打ち、1日限りの品が出たり緊急入荷があったりするので見逃せない▼近所の桜の名所が見頃を迎え、各地からも満開の便りが増えてきた。短いけれど、花も団子も楽しむ幸せな季節をかみしめて過ごしたい。

source https://www.decn.co.jp/

清水建設、神奈川工業高、小山学園/施工管理技術者育成へコンソーシアム

神奈川県立神奈川工業高校と小山学園専門学校東京テクニカルカレッジ、清水建設の3者は27日、施工管理技術者の育成に特化した「次世代建築リーダー育成コンソーシアム」を立ち上げた。必要なスキルとマインドを学ぶ7年間(工業高校3年、専門学校4年)の教育プログラムを提供。学習支援だけでなく、就職支援までを担うのが大きな特徴だ。4月に人財育成プログラムを始動する。
コンソーシアムは施工管理技術者を志す学生の減少や建設業界の担い手不足の解消を目的に設置した。人財育成プログラムでは施工管理技術者に必要な基本的素養や専門力、企業人としての基本的能力を段階的に修得できるカリキュラムを提供する。両校は一貫教育の提供に向け、神奈川工業高校建設科から東京テクニカルカレッジ建築監督科へ円滑に進学できる制度の整備に加え、学費支援などを含む学習環境を提供する。
清水建設は教育プログラムの開発支援や学生の就職支援などを担当。神奈川工業高校では職業観の理解促進や現場・会社見学、職業体験などの機会を提供する。東京テクニカルカレッジではインターンシップや研究の課題提供などを行う。「学び」と「働く」を円滑につなぐことで、就職後のミスマッチや離職防止にも貢献したい考えだ。将来的には全国各地の工業高校や専門学校、建設会社からも参加を募り、施工管理技術者育成の輪を広げていく。
27日に神奈川県庁で行われた協定調印式で、神奈川工業高校の片受健一校長は「学校の教育だけでなく外部の力を借りながら有意義な取り組みにしたい」と期待。小山学園の山本匡理事長は「実践的で学生一人一人の理解を深める独自の学びを通じ、優秀な人財を産業界に橋渡しする役割を担っていく」と力を込めた。
清水建設の村田広執行役員人事部長は「担い手不足の中、早い段階から建設会社の魅力を伝えることが重要だ。産学一体で強力に推進し建設業界を盛り上げていきたい」と話した。
右から片受校長、山本理事長、村田人事部長
source https://www.decn.co.jp/

東北整備局/3月28日にインフラDXの2拠点開所、人材育成・業務効率化へ

 東北地方整備局がインフラDXの新たな拠点として設ける「東北インフラDX人材育成センター」と「東北インフラDXルーム」が28日に始動する。最先端のデジタル技術を駆使しつつ官民連携をより強化し、次代を担う人材の育成や業務の効率化につながる新たな働き方を先導する。
 宮城県多賀城市にある東北技術事務所に開設するのは「東北インフラDX人材育成センター」。3DモデルやVR(仮想現実)、MR(複合現実)などの学習・体験スペース、除雪機械などの基本操作が習得できるシミュレーターブースなどを設置する。デジタル技術の活用に対応した研修メニューやセミナーを充実する。
 企画部の執務スペースに併設した「東北インフラDXルーム」は50型の8面マルチモニターを備える。ドローンなどで撮影した画像を処理して現地の状況を把握したり、VRやMR、3Dデータで仮想空間にリアルな現場を再現したりする。災害対応の技術支援や情報共有の強化にも役立てる。
 東北整備局は二つの新拠点を有効活用して東北エリアで地域の守り手として奮闘する建設会社、建設コンサルタントなどのDX推進を後押し。自治体や業界団体とも深く連携し、減災・防災や国土強靱化の取り組みを担う人材育成で深くアクセルを踏み込む。



source https://www.decn.co.jp/?p=151395

2023年3月28日火曜日

回転窓/海鷲と秘匿基地

福岡の都心に近く、自然豊かな人気スポットの糸島半島。多くの人が訪れるエリアながら、太平洋戦争末期に海軍航空隊の秘匿基地があったことはあまり知られていない▼冬場に名物のカキ小屋でにぎわう半島南西部、船越地区の「玄界基地」には滑走路も専用宿舎もない。本土決戦にも備え、身を隠すように水上機「瑞雲」など約100機を配備。波穏やかな船越湾から飛び立ち、戦地・沖縄への飛行を繰り返す。隊員は地域の民家に分宿し、それぞれの家族らと交流を重ねたという▼戦後、基地解散時に関連資料は全て焼却処分された。基地の存在を知るすべは少なく、長くベールに包まれた。志摩町(現糸島市)に元隊員が1冊の私記を寄贈したのは平成の半ば。それを基に基地の全容を明らかにしようと、地元有志が奔走。2003年、基地跡に記念碑が建てられた▼福岡で暮らしたこの3年、基地跡を何度も訪ねた。碑文には「平和日本の尊い礎となられた若き海鷲の鎮魂と世界の恒久平和を祈念し此の碑を建立する」との文字▼静かな海原を見守りながら平和の尊さを訴える記念碑。海鷲は今の世をどう見ているのだろう。

source https://www.decn.co.jp/

東京都/複合災害に備え雨水調整池を耐震改修、26年度以降に工事着手

東京都は公園などの地下に設置している雨水調整池の耐震化に乗り出す。地震後に風水害が発生する複合災害を想定。揺れによるひび割れや崩壊などを防ぎ、調整池としての機能を維持する。2026年度にスタートする都下水道局の次期経営計画を見据え、改修工事は同年度以降に着手する見通しだ。
都下水道局が管理する雨水調整池は14カ所で、全て区部にある。内訳は公園の下に12カ所、集合住宅や公共施設の下に1カ所、道路の下に1カ所。このうち最も規模の大きい南砂雨水調整池(江東区)は、2万5000立方メートルの雨水をためることができる。
雨水調整池はコンクリートで造られた箱形の施設。震度7相当の揺れに耐えられるよう天井や床、壁を厚くし、耐震化を図る。
都下水道局は現在、「経営計画2021」(21~25年度)に基づき一時滞在施設や災害復旧拠点など、災害後に人が集まる施設から排水を受ける下水道管とマンホールの接続部の耐震化を推進。接続部にゴムブロックなどを設置し、地震で揺れてもしなやかにたわむ仕様に変更している。耐震化した施設の割合を、25年度末で93%にする目標を掲げている。26年度以降は耐震化の対象施設に雨水調整池を加える。
都は4月に始動するTOKYO強靱化プロジェクトで複合災害への対応を強化する。大規模な地震後に大型台風が襲来した場合や、感染症まん延下で風水害や地震が発生したケースを想定。河川・海岸保全施設だけでなく、下水道施設の耐震レベルも引き上げ、都民が安全に避難できる体制を整える。
南砂雨水調整池の内部(東京都提供)
source https://www.decn.co.jp/

清水建設/PFAS汚染水を泡沫分離処理で浄化、微細気泡に付着させ回収

清水建設は、人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水を効率的に浄化する技術を開発した。気泡の気液界面に物質が吸着する性質を利用し、目的物を水中から除去する「泡沫(ほうまつ)分離処理装置」を製作。水中に含まれるPFASを微細気泡に付着させ、泡沫とともに回収する。
PFASは疎水基と親水基を併せ持つ界面活性剤としての特性を備える人工化合物。自然環境では分解されにくい。熱に強く、水と油をはじく性質があり、コーティング剤や泡消火剤など多様な製品に使われてきた。1990年代以降は環境や生体への残留性や蓄積性が問題視され、日本を含む世界各国で規制強化が進む。
同社はPFASの規制が土壌環境にも及ぶことを想定し浄化技術の開発を推進。界面活性剤を分離、回収できる「泡沫分離法」を使った浄化手法の確立を目指し、室内試験で技術検証を重ねパイロットスケールの泡沫分離処理装置を製作した。
沖縄県内でPFAS汚染水の浄化実証試験を実施した結果、1リットル当たりの濃度が634ナノグラム(国の暫定指針値の12倍超)の汚染水を40分間で1ナノグラム以下まで浄化処理できることを確認した。
国内では泡消火剤が使われてきた飛行場や基地周辺などで暫定指針値を上回るPFASが検出され、環境汚染問題が顕在化している。同社は土壌洗浄技術の新たなメニューに追加し、汚染土壌の洗浄時に溶出するPFAS汚染水の浄化処理に活用していく考えだ。
泡沫分離法の原理(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

国交省/民間発注者の意識浸透を、大手対象に初の取引実態調査実施

国土交通省は民間工事の発注者から直近の取引実態を聴取するモニタリング調査の結果を公表した。大手企業の発注・契約担当者を対象に、適正な請負代金や工期を見込んだ契約締結、契約変更の実施状況を確認。物価などの変動に基づく契約変更条項がないケースが26%、工期設定で長時間労働の是正や週休2日を考慮していないケースが24%あるなど、改善が必要な実態がいくつか明らかになった。国交省は来年度以降も調査を継続し、適切な対応が現場レベルで浸透するよう働き掛けていく考えだ。
モニタリング調査では本省や地方整備局の職員が個別企業の担当者に取引実態を直接ヒアリングする。元請企業の支店・営業所などが従来の調査対象だったが、昨年8月から民間発注者も新たに加えた。調査件数は全国各地の49カ所(1社で複数箇所を含む)。デベロッパーを中心に電力、鉄道、小売りなどの業界から選定し、本店・支店の発注・契約担当部署に出向いた。
受注者と物価上昇を織り込んだ総価契約で合意していることを理由に、請負契約書に民間工事標準請負契約約款で規定する契約変更条項が含まれない事例が一部あった。同条項の規定がなくても「申し出があれば協議する」という例外もあるが、国交省は契約時の適正な対応として民間約款の活用を呼び掛ける。
実際の契約額変更の申し出は65%にとどまる。発注者の肌感覚として申し出が増えているという声がある一方、自社の価格調査を踏まえ申し出を予想しつつも待ちの姿勢を見せる企業もある。公正取引委員会の独占禁止法に関する見解を踏まえ、発注者から積極的に協議の場を持つことが求められる。
工期設定は全調査対象で受注者との協議・調整を前提としていた。必ずしも短工期を求める姿勢だけでなく、「ゼネコン提案の工期が短い場合は理由の説明を求めている」「品質の確保を考えると工期短縮という考えはない」という意見もあった。受注者から工程に遅れを生じさせる事象の報告を受けた場合、工期変更を受け入れないことが多いとの回答は9%。エンドユーザーに影響しなければ柔軟に対応する傾向があり、余裕を持った事業計画の重要性が高いと言えそうだ。

source https://www.decn.co.jp/

記者手帖/笑顔であふれる

春といえば卒業式や入学式があり、親しい人との別れや出会いのシーズンでもある。公共事業では年度末の3月に開通式や完成式がよく開催されている。ただ、ここ3年は新型コロナウイルス感染症の流行が影響し、式典やイベントなどさまざまな社会活動の延期や中止、自粛を余儀なくされた◆新型コロナの感染者数が減少し、政府は13日からマスクの着用を個人の判断に委ねた。5月8日から感染症法上の5類に位置付け、いよいよ「アフターコロナ」という新たな時代に移ろうとしている◆こうした流れは公共事業のイベント開催にも現れている。事業のタイミングもあるが、3月は開通式や完成式の取材に4回も行く機会があった。昨年は2回だったので倍に増えた。高速道路や新駅、ダムなどいずれも地域の活性化や防災など重要な事業だ◆取材の場でいつも感じるのが、地元の人たちの笑顔だ。幾多の苦難を乗り越え、この日を迎えたに違いないだろう。特に感動するのが、地元の人たちのメッセージ。ある日の開通式で子どもたちが「きれいな道をつくってくれてありがとう」と大きな声で感謝の言葉を述べていた。これからも笑顔であふれるイベントがたくさん開かれることを願うばかりだ。(W)

source https://www.decn.co.jp/

JR西日本/うめきた2期大阪駅地下ホーム開業、関西の活性化に貢献

 大阪市北区の「うめきた2期(グラングリーン大阪)」にJR大阪駅の地下ホームが18日、開業した。JR西日本は地下ホームで出発式を行うとともに、うめきたのグランフロント大阪で国土交通省や自治体、経済界、施工企業の関係者ら約100人を集め、開業記念式典を開催。長谷川一明社長は「東海道線支線の地下化と地下ホーム設置の事業には、鉄道ネットワークの拠点、未来につながる拠点、街づくりの拠点をつくる意義がある。今後も近未来感あふれる駅として発展させ、周辺エリアと大阪・関西の活性化に貢献する」とあいさつした。
 式典では、渡辺学近畿地方整備局長が「この事業はうめきた2期の街づくりの基盤となり、踏切の除去で交通が円滑化し、関西国際空港とのアクセス向上に役立つ。整備局としても国際競争拠点都市整備事業で支援してきた。今後の、なにわ筋線やリニア中央新幹線などの整備と地区開発により、大阪が国際的に、社会経済的に発展することを期待する」と来賓あいさつを述べた。
 金井昭彦近畿運輸局長も来賓として出席し、田中清剛大阪府副知事は知事の祝辞を、高橋徹大阪市副市長は市長のメッセージを代読。
 東海道線支線の地下化に合わせ、うめきた2期の東側中央部地下10~15メートルに設置した地下ホーム(島式ホーム2面)と新しい地下の改札などは、イノベーションの実験場「JR WEST LABO」と位置付け新技術を投入した。
 事前に顔の画像とICカードの情報を登録しておくと、改札を通過できる顔認証改札や、AIが客の質問に答える案内サービスなど最新の技術を導入。地下ホーム21番線には列車の種類に合わせて開閉場所を自由に変えられる世界初の「フルスクリーンホームドア」を設置した。
 大阪市が施行した支線の地下化工事区間は福島区福島7から北区豊崎6までの約2・4キロ。地下ホームはJR西日本が整備。2015年11月に工事着手した。
 同日、大阪駅西口で整備を進めていた改札も稼働を始めた。



source https://www.decn.co.jp/?p=151256

2023年3月27日月曜日

福岡市交通局/地下鉄七隈線博多駅延伸が開業、JR各線や福岡空港へのアクセス向上

福岡市交通局が建設していた市営地下鉄七隈線の延伸部(天神南~博多駅間、営業キロ約1・6キロ)が27日に開業した。延伸により市西南エリアから博多駅までの移動時間を最大で14分短縮。新幹線などJR各線や福岡空港へのアクセスが大幅に向上する。26日に博多駅(博多区)で開いた記念式典には関係者約200人が出席し、テープカットやくす玉開披で延伸開業を盛大に祝った。
式典で高島宗一郎市長は「(天神などがある)福岡と博多の二つのエリアが、一つになって大きく発展する。福岡市で生活、活動される多くの皆さまに幸いをもたらすことを願う」と語り、関係機関や建設に尽力した工事関係者らへの謝意も述べた。式典後には特別列車が高島市長による「出発進行」の掛け声を受け、博多駅を出発した。
延伸部は全線地下方式(建設キロ約1・4キロ)で、シールド工法や開削工法、NATM、アンダーピニング工法を採用。中間駅として櫛田神社前駅を新設した。主な土木工事のうち、博多駅工区は大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JV、中間駅の西側工区は大林組・熊谷組・大本組・東田中建設JV、同東側の工区は錢高組・日本国土開発・九建JVが担当した。総事業費は約587億円。2013年度に着工した。
従来の終点・天神南駅では地下通路を介し、北側に位置する地下鉄空港線天神駅と改札外での徒歩連絡を行っていたが、両線ホーム間は600メートル以上の距離があり、10分程度の乗り換え時間が必要だった。博多駅では既設の空港線ホームと改札内でつながり、乗り換え通路に約55メートルの動く歩道を整備。七隈線沿線から福岡空港方面への所要時間短縮も実現した。
くす玉開披
高島市長〈右〉の掛け声で特別列車が出発
source https://www.decn.co.jp/

振興基金/CCUS登録特典を追加/駐車場の工事貸し切り予約でポイント付与

建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、民間企業らが「CCUS応援団」として展開するCCUS登録者対象のサービスで新たな特典を公表した。技能者向けでは駐車場事業を展開するタイムズ24(東京都品川区、西川光一社長)が、時間貸し駐車場を工事のために貸し切り予約した場合、500円分のポイントを付与するキャンペーンを追加。事業者向けでは、電動工具ブランド「ハイコーキ」を展開する工機ホールディングスジャパンは電動工具の利用に関する安全講習会を実施する。
タイムズ24はこれまで外部企業との提携実績がなかったが、建設技能者が同社の駐車場をよく利用することから、CCUSとの連携を決めた。時間貸し駐車場の工事貸し切り予約に対するキャンペーン期間は4月1日~6月30日。
利用者アンケートを実施し、CCUS登録者限定のサービスなど特典の充実を検討する。
今回の追加サービスを含め、「CCUS応援団」として特典サービスを提供刷る企業数は3月現在で40社に上る。

source https://www.decn.co.jp/

回転窓/橋の魅力に引かれて

詩人の高田敏子さん(1914~89年)は川に架かる橋の姿を見るのが好きだった。橋の持つあるさびしさと、美しさに引かれる自分の心を見つめて出来た詩がある▼〈橋は聞いている 川の声を ひととき 車のとだえたときに〉(「橋」の一節から)。通過する人のためにひとときでも役立つ力になることを、喜びとする心を橋は教えてくれるのだという(『高田敏子 暮らしの中の詩』河出書房新社)▼かたちの美しさに加え、つなぐ、架ける、支えるといった役割が、人々のさまざまな思いやストーリーに重なる。橋の魅力であろう▼詩や絵画などにも描かれるインフラだが、健全な状態に保たれてこそ本来の役目を果たしていける。国土強靱化の観点からも必要なのが、不具合が生じる前から計画的に修繕する予防保全型メンテナンスへの転換だ。持続可能なストックとしていくことが急がれる▼高田さんはこうもつづっている。日常生活の中でふと目に留まるもの、心引かれて見つめるものがあり、折々にその姿を思い浮かべてみることで、何か生きる力になることを教えられると。身近なインフラにもっと目を向けたい。

source https://www.decn.co.jp/

東北整備局/3月28日にインフラDXの2拠点開所、人材育成・業務効率化へ

東北地方整備局がインフラDXの新たな拠点として設ける「東北インフラDX人材育成センター」と「東北インフラDXルーム」が28日に始動する。最先端のデジタル技術を駆使しつつ官民連携をより強化し、次代を担う人材の育成や業務の効率化につながる新たな働き方を先導する。
宮城県多賀城市にある東北技術事務所に開設するのは「東北インフラDX人材育成センター」。3DモデルやVR(仮想現実)、MR(複合現実)などの学習・体験スペース、除雪機械などの基本操作が習得できるシミュレーターブースなどを設置する。デジタル技術の活用に対応した研修メニューやセミナーを充実する。
企画部の執務スペースに併設した「東北インフラDXルーム」は50型の8面マルチモニターを備える。ドローンなどで撮影した画像を処理して現地の状況を把握したり、VRやMR、3Dデータで仮想空間にリアルな現場を再現したりする。災害対応の技術支援や情報共有の強化にも役立てる。
東北整備局は二つの新拠点を有効活用して東北エリアで地域の守り手として奮闘する建設会社、建設コンサルタントなどのDX推進を後押し。自治体や業界団体とも深く連携し、減災・防災や国土強靱化の取り組みを担う人材育成で深くアクセルを踏み込む。
東北インフラDX人材育成センターのシミュレーターブース(東北整備局提供)

source https://www.decn.co.jp/

イオンモールら/東京都八王子市に延べ6・3万平米の複合商業施設、設計は大成建設

イオンモールらが東京都八王子市に延べ約6・3万平方メートルの複合商業施設を建設する。施設には店舗に加え、事務所や保育所などが入る予定。設計は大成建設が担当する。施工者は未定。2023年春の着工を予定し、26年春の完成を目指す。全体敷地は約10・2万平方メートルに上り、2期に分けて整備。今回の複合商業施設は第1期で、続けて第2期工事に着手する構え。
計画名称は「(仮称)八王子インターチェンジ北A街区」。イオンモールとグループ会社のイオンネクスト(千葉市美浜区、バラット・ルパーニ社長)が計画する。計画地は滝山町1の885の1ほか(地名地番、敷地面積6万4919平方メートル)。中央道八王子ICから約500メートル、JR八王子駅から約3キロの場所に位置する。
建物はS造6階建て延べ6万3331平方メートルを見込み、▽物品販売店▽飲食店▽事務所▽保育所▽宿泊施設▽駐車場▽駐輪場▽工場-などが入居する。商業施設はイオンネクストが提案する次世代スーパーと位置付け、ロボットなどの最先端技術を活用する。ネットショッピングや宅配サービスといった多様な購買ニーズを取り込むハイブリッド型の店舗形態を目指す。
シネマコンプレックスや障害者スポーツ施設、近隣にある道の駅との連携も構想している。八王子ICから近いという立地特性を生かし、多摩南西部など広域からの集客も期待する。
施設の完成イメージ(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

大林組/東名リニューアル工事に作業解析技術初適用、最適化を確認

大林組は24日、バーチャル現場で工程をシミュレーションし、現実の現場作業を最適化する試みを実施したと発表した。トヨタ自動車未来創生センター(愛知県豊田市)が開発した作業シミュレーション技術「施工シミュレータ」を東名高速道路のリニューアル工事に初適用。当初の工程では待機している作業員が多く、時間の無駄が発生していると判明したため、これらを改善して最適化した。
施工シミュレータは床版設置後、主桁と固定するための無収縮モルタル打設や、隣り合う床版と接合する部材「スリムNEOプレート」の設置などの作業工程に適用した。高速道路や施工機械、新しい床版など、目に見える部分を3Dコンピューターグラフィックス(CG)で表示してバーチャル現場を構築。実際の作業員の動きをバーチャル現場内で再現し、施工機械や他の作業員との連携作業を見える化した。
バーチャル現場で作業をシミュレーションしたところ、当初計画の工程では待機している作業員が多数いて、作業員数に対し時間の無駄が多く発生していることが分かった。施工順や次工程へのタイミングを見直し、各作業を作業員に適切に割り当てることで時間の無駄をなくした。その結果、当初計画では60分かかった工程を10分短縮し、作業員数も12人から10人に2人削減できることを確認した。
バーチャル現場のシミュレーションはアニメーションで現場に展開し、作業開始前の作業員向け説明資料に使用した。現場環境と作業を見える化したことで、詳細な工程検討や作業員の配置が可能となった。
今回は部分的な工程最適化を実施したが、今後は昼間工事と夜間工事の最適な作業人員の配置や、能力を考慮した作業の振り分けによる平準化など、施工シミュレータの活用によるさらなる工程改善を目指す。
バーチャル現場で工程をシミュレーションした(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

国交省ら/22年度入契法適正化実態調査、スライド条項運用基準・市区町村は策定3割

国土交通、総務、財務の3省は24日、公共工事の発注者に行った公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく2022年度実態調査(22年10月1日時点)の結果を公表した。直面する資材高騰を踏まえスライド条項運用基準の策定状況を初めて調査した結果、国が約6割、市区町村が約3割だった。週休2日など休日確保を考慮した工期の設定状況も国が約7割、市区町村が約5割にとどまるなど、改善の余地が見られた。
調査対象は国19機関、特殊法人など121法人、地方自治体1928団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)。
資材高騰分の適正な請負代金への価格転嫁が進んでいるか把握するため、公共工事標準請負契約約款で受発注者間の協議事項になっている単品スライド条項やインフレスライド条項の運用基準策定状況を初めて調査した。都道府県や政令市のほぼ全てが策定している一方、国は単品スライド条項63・2%、インフレスライド条項57・9%。市区町村では単品32・5%。インフレ29・2%だった。
工期設定で週休2日や祝日などの休日確保を考慮している自治体は、全政令市が実現。都道府県もほぼ全ての46団体が対応している。ただ国が73・7%(前年度比10・5ポイント低下)の14団体、市区町村が48・1%(4・1ポイント上昇)の828団体にとどまる。
併せて休日確保に有効な週休2日工事または技能者・技術者の週休2日交代制工事を実施している自治体は、全都道府県と全政令市が対応中。対照的に国が36・8%(5・3ポイント低下)の7団体、市区町村が14・2%(3・9ポイント上昇)の245団体と低い水準で推移している。
一方、工事の品質確保や受注者の適正利潤に欠かせないダンピング対策は着実に進展。低入札価格調査基準額や最低制限価格の設定に当たり、全都道府県が昨年に改定された中央公共工事契約制度運営連絡協議会(中央公契連)モデルか同モデル水準以上の算定式を用いている。低入札価格調査基準額の算定式に限って見ると、国が89・5%の17団体、政令市が80・0%の12団体と高い水準。市区町村は54・8%の424団体だった。
国交省は初の試みとして同日付で全公共工事発注者に「入契カルテ」を作成し送付。個別の調査結果概要を診療記録に見立て、入札契約の適正化に関する主な取り組み項目の進捗(しんちょく)状況をグラフチャートにしてまとめた。近く自治体に早期の改善を求める通知も出す予定だ。

source https://www.decn.co.jp/

レンタルのニッケン/社長に齊藤良幸氏(エム・エス・ケー農業機械社長)内定

 レンタルのニッケンは22日、新社長にエム・エス・ケー農業機械(北海道恵庭市)の齊藤良幸社長が就任する人事を内定したと発表した。4月1日にレンタルのニッケン社長付となり、6月30日に社長に就任する予定。南岡正剛社長は退任する。
 齊藤 良幸氏(さいとう・よしゆき)1992年一橋大学商学部卒、三菱商事入社、2019年IST Farm Machinery社長、20年から現職。東京都出身、54歳。



source https://www.decn.co.jp/?p=151280

2023年3月24日金曜日

愛知県蒲郡市、全国の建築学生対象にコンペ/「まちの待合所」テーマに

愛知県蒲郡市は建築を学ぶ全国の学生を対象に「がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ2023」を実施する。テーマは「電車待ちだけじゃない みんなで使う まちの待合所」。名古屋鉄道蒲郡線の西浦駅前に市の公共施設としてトイレ併設の無人待合所を新築する計画。最優秀作品の受賞者は建物の設計から工事まで携わり、提案が建物になる過程を体験してもらう。完成は2024年3月を予定している。
同駅には昨年まで旧駅舎があって市民から親しまれていたが、老朽化により解体された。この跡地にW造平屋60平方メートルの待合所を建設する。参加できるのは建築を学ぶ高校生以上の学生で個人またはグループ。グループの場合、同一学校で3人までとする。
4月2日にキックオフイベントや現地見学会を行い、同日から5月31日まで応募登録を受け付ける。1次審査は6月11日に実施。公開プレゼンテーションによる最終審査は同25日に西浦公民館講堂で行う。
賞金などの総額は100万円。最優秀作品賞(1点)には30万円や賞状、地元の温泉宿泊券が贈られる。審査委員は▽古谷誠章(審査委員長、NASCA代表、早稲田大学教授)▽安井秀夫(安井秀夫アトリエ代表取締役)▽恒川和久(名古屋大学大学院教授)▽伊藤隆一(itoto architects代表)-の4氏が務める。
詳細は市のホームページ(HP、https://www.city.gamagori.lg.jp/unit/kotsu/nishiura-challenge.html)へ。


source https://www.decn.co.jp/

回転窓/拡充する鉄道網

京王電鉄らが小説と連動して街歩きを促す取り組みを始めた。沿線の街をテーマにした短編小説シリーズ「いつも駅からだった」を小説家の岩井圭也氏が執筆。謎解きの要素を盛り込み、答えを探りつつ実際に散策してもらう試みだ▼初弾の舞台は音楽や演劇の街として知られる東京・下北沢。小説の冊子を配布するとともに、声優による朗読などウェブのコンテンツとも連携して多面的に楽しんでもらい、移動ニーズ創出を目指す▼大都市圏では鉄道網の拡充が進行中。横浜市内では「相鉄・東急直通線」の全線が18日開業した。神奈川県央エリアから東京都心を通り、乗り換えなしに埼玉県までつながるネットワークとなる▼27日には福岡市営地下鉄七隈線の天神南~博多を結ぶ延伸区間が開業する予定。市中心部からJR博多駅など福岡空港への利便性が高まり、交通渋滞の緩和にもつなげる。交通網は接続され連続性が高まることで相乗効果を発揮していく▼災害時の代替性なども考慮すると結ぶべき区間はまだまだある。新たな路線がどのような出会いを生み出し、物語を紡いでいくのか--。今後の広がりに期待したい。

source https://www.decn.co.jp/

東京ガス、日工/アス合材プラント向け水素バーナー開発、24年3月に販売開始

東京ガスは、アスファルト合材プラントで使用する都市ガスを水素に切り替えたバーナーを日工と共同開発した。合材製造時に行う乾燥・加熱の熱源として水素を利用し二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロにする。前田道路が保有する実証プラントでの製造試験を4月に行い、2024年3月に販売を開始する。国内にある全プラント(1000基)のうち、100基に納入する目標を掲げた。
水素専焼が可能なバーナーは、アスファルトに混ぜる砂利や砂を乾燥する作業などで使用する。従来、熱源として利用していた都市ガスやプロパンガスなどと違ってCO2を全く排出せずに高品質な合材を製造する。
ただ、水素は高温で燃焼すると酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)を大量に発生するという課題もある。両社はバーナー内に供給する空気量を調整できるよう、ノズルに工夫を施して低NOx化を実現。東京ガスらによると、従来のバーナーに比べてNOx値が10ppm以下に半減したという。
開発したバーナーは天然ガスとも混焼できる。高価で供給量が不安定な水素を大量に使用しないため、エネルギーコストが安価な上に安定操業にも貢献する。23日には東京ガスの千住テクノステーション(東京都荒川区)で開発したバーナー=写真=を報道公開した。


source https://www.decn.co.jp/

西松建設、佐賀大学/水路調査ロボットを開発、自律走行し高精度画像取得

西松建設と佐賀大学理工学部の伊藤幸広研究室は、水路トンネルの調査点検を自動化するロボット「turtle」(タートル)を共同開発した。坑内を自律走行しながら高解像度の計測カメラで壁面を撮影。画像を解析して覆工のひび割れを自動検出できる。作業員が坑内に入る目視点検に比べ、維持管理業務を大幅に効率化する。従来型の調査ロボットよりも安定して運用できる点も特長だ。
ロボットは走行部と計測部で構成する。バッテリー式で直径6メートル程度、延長2キロ程度のトンネル内を調べられる。走行部にはSLAM(自己位置推定)技術を活用した制御システムを実装した。レーザーで形状を検知するLiDAR(ライダー)などで壁面との位置関係や障害物を把握しながら、トンネルの線形に沿って中央部を自律走行する。回避が難しい障害物などが見つかった場合は自動停止する。
計測部ではLED照明と計測カメラ5台により、周囲の壁面の高精細画像を取得する。画像を使って構築した3Dモデルを基に展開図を作成し、AIによって幅0・1ミリ以上のひび割れを自動で検出できる。点検者の作業負担を軽減するだけでなく、結果の客観性を保てるという。
計測部の前後には計測カメラとは別に広角レンズのカメラを設置。坑内の状況を映像で撮っておくことで、坑内の漏水や異常箇所を確かめた上で補修・改修計画を立案できる。
水力発電所などの水路トンネルは、3年に一度の調査点検が義務付けられている。目視点検は安全面のリスクだけでなく、スケッチなどで記録した情報の処理にも時間と手間を要していた。これまでもドローン型や飛行船型などの調査ロボットが開発されてきたが、バッテリー容量に制約があったり水流や風によって機体の方向制御が難しかったりなどの課題があった。
水路調査ロボット「turtle」(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

全建/地域CCUS推進委開く、技能者登録200万人へ正念場

全国建設業協会(全建)労働委員会(委員長・青柳剛群馬県建設業協会会長)は23日、東京都中央区の東京建設会館で2022年度第1回「地域CCUS推進委員会」を開いた=写真。昨年10月に建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録数が100万人を突破。同時に次の節目となる200万人登録に向け正念場の時期を迎えていると認識し、全建会員企業を中心とする地域建設業のさらなる取り組み推進へ決意を新たにした。=2面に関連記事
会合は冒頭を除き非公開。CCUSの事業者・技能者登録や現場での活用などが先行している4協会(宮城、栃木、熊本、鹿児島)の取り組み事例を紹介。国土交通、厚生労働両省が中小建設業向けに展開している最新のCCUS普及促進策も説明した。CCUSに関する先行事例や国の施策を共有し水平展開することで、事業者・技能者登録のさらなる増加につなげる狙いがある。
席上、あいさつした青柳労働委員長は昨年10月に達成したCCUS技能者登録数の100万人超えを「ファーストステップ」、全就業者の約3分の2に当たる200万人の登録へ向けた動きを「セカンドステップ」と表現。当面の目標に掲げる200万人到達に関しては「インセンティブだけでは機能しにくい。それこそ正念場の時期だ」との見方を示した。
青柳氏は全国で事業展開するような元請の大手企業の現場で働く技能者のCCUS登録が先行する経緯も踏まえ、「特に地元自治体などを主体にした全建会員企業の登録がどういった形で進んでいくのか気になる」と指摘。技能者登録数200万人超えを前提に「制度そのものの機能がきちんと動き出すようになれば斉藤鉄夫国交相が言われているように制度インフラとしてのCCUSの機能が確立する」と訴えた。


source https://www.decn.co.jp/

国交省/インフラDX省内連携推進へ新体制、総括ポスト設置・技術ノウハウ集積

国土交通省はインフラ分野のDXを推進する新たな行動計画の骨子案を明らかにした。インフラの「作り方」「使い方」「データの生かし方」の変革を目指し、組織横断的・分野網羅的に取り組む姿勢を打ち出した。省内連携を深めるための具体方策も提示。新たな課長級ポストとして官房に「参事官(イノベーション)」を4月に新設するのに合わせ、各部局が個別に蓄積してきたデジタル技術や業務変革に関する知識や経験の集積・共有に本腰を入れる。
省内関係部局で構成する「国土交通省インフラ分野のDX推進本部」(本部長・吉岡幹夫技監)の会合を23日にウェブで開き、骨子案を説明した。昨年3月策定の「インフラ分野のDXアクションプラン」を改定し第2版として夏までにまとめる。
インフラの「作り方」では現場に縛られず建設現場を把握するなどi-Constructionの延長線上の施策を盛り込む見通し。「使い方」は利用者目線でインフラの潜在的な機能を引き出す方策などを提示する。
「データの生かし方」の一例として「国土交通データプラットフォーム(DPF)」のハブとしたデータ連携を推進。さまざまなデータを重ね合わせ地図上に一覧表示するなど可視化機能の充実に重点を置く方向性を明記する。
イノベーション担当の参事官はインフラDXの技術開発を総括するポストと位置付け、これまで部署がばらけていた土木や機械、電気通信の各分野が連携する新たな体制をつくる。ここが事務局となり関係部局の担当者を集めた打ち合わせを主催。▽画像認識技術▽センサー▽ビッグデータ解析▽自動化・自律化技術-など技術テーマごとに施策を分類した上で、各技術の最新動向の共有や技術的課題への対応に当たる。
会合の冒頭、吉岡幹夫技監は「デジタル技術や業務変革のノウハウは各局で共通している。省全体で共有し相乗効果を出していきたい」と呼び掛けた。建設業界の担い手確保に向け新3K(給与・休暇・希望)への変革が求められる中、「国交省職員自らが変わる姿勢を見せる」重要性を強調した。


source https://www.decn.co.jp/

熊本県/新工場団地を菊池テクノパーク西側に、23年度に実施設計着手

 熊本県は、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町への新工場進出に伴う半導体関連企業の誘致に向け計画する新たな工業団地の整備場所を、菊池市の県営工業団地「菊池テクノパーク」の西側隣接地に決めた。整備面積は約25ヘクタール。2023年度上半期に実施設計の委託先を決める一般競争入札を公告する予定で、9月ごろ設計に着手し、24年度末までに造成工事を始め、26年度末までの分譲開始を予定している。
 蒲島郁夫知事が22日の定例記者会見で発表。蒲島知事は「企業にとって魅力的な工業団地になると考える。さらなる産業集積につながることを期待している」と述べた。
 整備予定地は同市旭志川辺と泗水町永にまたがり、大半が農地。23年度中の用地取得完了を目指す。
 周辺に県や菊池市の工業団地があり、26年4月の稼働開始を目指す三菱電機のパワー半導体の新工場も新たな工業団地の北側に位置する。TSMCの新工場と国道325号でつながり、整備が進む中九州横断道路にも近く交通アクセスの良さも考慮して場所を選定した。
 県はこのほか合志市にも同規模の新たな工業団地の整備を検討しているが、場所を絞り込めておらず決定次第改めて発表するとしている。
 総事業費は2カ所の工業団地で計約70億円。23年度の高度技術研究開発基盤整備事業等特別会計予算に2カ所の実施設計費や用地取得費など24億9700万円を計上した。



source https://www.decn.co.jp/?p=151328

2023年3月23日木曜日

回転窓/酒造りを文化遺産に

3月に入り全国的に気温が高く推移し、各地で平年より早く桜が開花している。花見の名所では久しぶりに飲食の自粛要請もなく、にぎやかな声を聞けるシーズンとなりそうだ▼花より団子、それよりお酒という方もおられるのでは。花見宴会を4年ぶりに解禁する自治体は多いが、場所や時間を規制している場合もある。ルールを守りながら楽しいひとときにしてもらいたい▼文化庁が日本酒や焼酎、泡盛など日本の「伝統的酒造り」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の候補に提案する。2024年11月ごろ審議される見通しだ▼500年以上前に原型が確立した伝統的酒造りは風土に応じて発展し、自然や気候と深く結び付きながら伝承されてきた。酒は儀式や祭礼など日本文化の中で不可欠な役割を果たしている。建設に関する式典でも土地の神様に酒を供え工事の安全を願い、竣工時は無事の完成に感謝する▼酒造りも建設も古代から連綿と続く歴史を持ち、培われた高度な技は現代に受け継がれている。伝統的酒造りも無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠の技」に続いてほしい。朗報を待ちたい。

source https://www.decn.co.jp/

岐阜市駅前再開発が始動/2組合が設立発表会、34階建てツインタワーを建設

岐阜市のJR岐阜駅正面で大規模な再開発事業が動き出す。岐阜駅北中央東地区市街地再開発組合(柴山直人理事長)と同西地区市街地再開発組合(川口富雄理事長)は22日、組合設立合同発表会を市内で開き、新たなランドマークとなる34階建て2棟、総延べ8万平方メートル超のツインタワー計画の概要を説明。新たなにぎわい拠点の形成に向け関係者が一丸となってプロジェクトを進める。2025年度に既存施設の解体に着工し、28年度の完成を目指す。総事業費は約400億円。
岐阜駅北中央東地区第1種市街地再開発事業(吉野町5ほか)の事業参加者は積水ハウス(代表企業)、野村不動産、共栄ライフパートナーズ、清水建設、都市研究所スペーシア。施設は34階建て延べ約3万9000平方メートル。事業費は約190億円。
岐阜駅北中央西地区第1種市街地再開発事業(吉野町6ほか)の事業参加者は野村不動産(代表企業)、共栄ライフパートナーズ、清水建設、都市研究所スペーシア。施設は34階建て延べ約4万4700平方メートル。事業費は約210億円。
いずれも1~2階が商業施設、3~4階は業務施設。5階以上が住宅で、2棟合わせて約450戸の分譲を予定している。
柴山理事長は「金融危機や景気低迷などで計画立案が困難だったが、事業効果の大きさに期待している」、川口理事長は「市の玄関口の顔となるよう尽力する」とあいさつした。柴橋正直市長も「市のまちづくりが確実に進む。市民も交えて事業を推進したい」と話し、新たな再開発事業に期待を寄せた。
2棟の設計・施工を担当する清水建設の新村達也常務執行役員名古屋支店長は「市のランドマーク施設の設計と施工に携わることができ名誉なことだ。全社を挙げて取り組み地域の発展に尽力したい」と意気込みを語った。
再開発事業の完成イメージ。写真左のツインタワーのうち、左側が東地区、右側が西地区(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

竹中工務店ら/大商のロボット実証実験を支援、団地モデルルームで経路ナビ

竹中工務店とロボット開発などを手掛けるエイム・テクノロジーズ(東京都港区、吉本万寿夫代表兼CEO〈最高経営責任者〉)は、自律走行ロボットが団地のモデルルームで経路をナビゲーションするなどの実証実験を支援する。大阪商工会議所(大商、鳥井信吾会頭)が都市再生機構の協力を得て大阪市城東区の森之宮第二団地で行う実験。動作を検証し、ユーザー評価に基づき今後の実装に向けた課題を整理する。
竹中工務店が建設作業所で取り入れているロボット運用技術を、今回の実証実験に生かす。ロボットとエレベーターを通信機器で連携させて協調を確認。近隣の商業施設で購入した商品の宅配サービスや、ごみ出し支援も実験する。ロボット導入による団地管理者の業務省人化や、団地住民へのサービス・住宅の質の向上など、団地DXの可能性を探る。
実証実験は20~24日に実施。ロボットは中国製の「NAOMI-2」を使用。高さは約1メートルで、幅と奥行きは約55センチ。重さは約65キロ。2カ所の収納スペースを備える。
大商は森之宮第二団地付近の大阪城東部地区で、企業や住民が新しい価値やビジネスの創出を目指す「まちなかリビングラボ」に取り組んでいる。今回も、その実現に向けた社会実験の一環として行った。
今後、JR大阪駅北側のうめきた2期など大阪全体でこの取り組みを展開する予定だ。
エレベーターから通路に移動するロボット

source https://www.decn.co.jp/

21年度都道府県発注工事の週休2日達成率3割、公告時点と隔たり/国交省調べ

都道府県発注工事の2021年度完了案件のうち週休2日を実際に達成した割合が全国平均で約3割にとどまることが、国土交通省の調査で分かった。週休2日を前提とした工事発注の割合を示す「公告ベース」の数値とは大きな隔たりがあり、現場の実態として休暇取得のための現場閉所などができていない可能性がある。国交省は受注者と意思疎通を取りながら、発注者指定型モデル工事の拡大や工期設定の適正化などに取り組む必要性を訴える。

各都道府県に災害緊急復旧工事を除いて21年度に完了した工事件数と、そのうち4週8休以上を達成した工事件数を聞いた。未集計で回答がなかった東京都を除き、週休2日の達成率が「75%以上」は北海道と石川、福井両県の3団体。「30%以上75%未満」は15団体、「10%以上30%未満」は17団体、「10%未満」は11団体だった。
公告ベースの数値は各都道府県内の政令市の発注工事を足し合わせた県域単位で例年集計しており、21年度は全国平均で81%だった。週休2日対象工事の割合が100%に達している県域も19都県あった。
週休2日を実際に達成する現場を増やすには、地元業界内の意識浸透が欠かせない。国交省によると、達成率が高い団体からは「発注者指定型を増やすことで入札参加段階から企業の週休2日への意識が強まった」との指摘があった。
受注者希望型で多く発注する団体からは、天候などの不確定要素や工程計画上の理由、日給月給制の労働者の収入確保などを理由に希望しない企業が多いという声が聞かれた。「県の定める標準工期が短いとの理由から業界の理解が得られない」と明かす団体もおり、受注者の声を聞きながら現状の課題を分析し、週休2日を可能とする環境整備を進める必要がありそうだ。


source https://www.decn.co.jp/

記者手帖/親孝行したい時には親はなし

先日、父親の十三回忌の法要で数年ぶりに実家に帰省した。思い返せば父親が亡くなったのは東日本大震災の約2週間後。世の中も社内の業務も慌ただしい中で会社を休むことは心苦しかったが、こればかりはどうしようもなかった。葬儀後もこまごましたことで忙しかったことを覚えている◆実家にはしばらく母親が1人で住んでいたが、高齢で心配なこともあって、施設にお世話になることになった。盆と正月は帰省し面会するようにしていたが、コロナ禍で面会が禁止に。高齢者を預かる施設として当然の決断だが帰省の意味を失い、実家からも足が遠のいていた◆感染症の状況が落ち着いたこともあり、先日の帰省時わずか5分だったが対面で面会することができた。もしかしたら私の顔を覚えていないのではないか、と少し緊張したが杞憂(きゆう)に終わった。久しぶりに会う母親は1人暮らしの時よりも肌つやもよくふっくらしていた。三度の食事もおいしいそうで安心した◆いま考えると、父親にはたいした親孝行ができなかった。母親には「親孝行したい時には親はなし」とならないようにしなければ。久しぶりの故郷で改めてそう誓った。(川)
source https://www.decn.co.jp/

UBE三菱セメント/映画「シン・仮面ライダー」撮影に協力、工場がロケ地に

UBE三菱セメントは、映画「シン・仮面ライダー」のロケに協力した。余熱設備を備えた高さ約90メートルのタワーなど大規模な設備を保有する宇部セメント工場(山口県宇部市)が撮影地となった。圧倒的なスケールの工場設備の中で仮面ライダーが躍動しながら登場する。
同作品は仮面ライダー生誕50周年の企画作品として制作され、全国の劇場で公開されている。原作は石ノ森章太郎氏で、同市出身の庵野秀明氏が脚本・監督を務めた。
宇部地区で行われたロケの様子(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

長崎県大村市/新ごみ処理施設基本計画策定、運営期間20年のDBO想定

 長崎県大村市は、老朽化に伴う環境センター(森園町)の建て替えとして整備する新ごみ処理施設の基本計画を策定した。エネルギー回収型廃棄物処理施設と不燃物リサイクル推進施設などで構成。総事業費は約276億円(税込み、以下同)を見込む。事業手法はDBO(設計・建設・運営)方式で、運営期間は20年を想定。2023~24年度で工事発注仕様書をまとめ、25年度に事業者を選定する。
 エネルギーの消費効率を高めた新たな廃棄物処理施設は、現施設敷地の北西側にあるし尿処理施設の解体跡地に整備する。2炉構成(24時間稼働)で処理能力は1日当たり128トン。敷地東側には不燃物やプラスチックを処理できる同13・5トン(5時間稼働)のマテリアルリサイクル推進施設と、災害時に災害廃棄物の保管場所となる駐車場を整備する。
 市は日産技術コンサルタントに業務委託し、生活環境影響調査を進めている。事業者選定の準備と並行し、24年度以降に都市計画の変更など手続きを行う。事業者が決まる25年度に、し尿処理施設の解体を始める。廃棄物処理施設は26年度に実施設計を開始し、29年度の供用開始を目指す。32~33年度にマテリアルリサイクル推進施設の実施設計・建設、34~35年度に既存焼却施設の解体やストックヤード棟などの建設工事を行う。
 運営費を除く総事業費は20年9月時点で約170億円だったが、物価高騰の影響を加味し約276億円に増額した。内訳は廃棄物処理施設が約208億円、マテリアルリサイクル推進施設が約68億円。20年間の運営費は廃棄物処理施設が約154億円、マテリアルリサイクル推進施設が約53億円を見込む。
 基本計画策定等業務はエイト日本技術開発が担当。



source https://www.decn.co.jp/?p=151293

2023年3月22日水曜日

梓設計/スタジアム・アリーナビジネス活性化へ/本社でカンファレンス開く

 梓設計は、スタジアム・アリーナビジネス市場のさらなる発展と活性化を狙いにしたカンファレンス「AZUSA STADIUM&ARENA BUSINESS CONFERENCE(SABC)」を、7日に東京都大田区の同社本社内の「AZUSA HALL」で開いた。国内外の先進事例などを紹介。オンラインも併用し、100人以上が参加した。
 スポーツ庁の渡辺隆史参事官(民間スポーツ担当)が、日本でのスタジアム・アリーナビジネスの発展の重要性をテーマに基調講演した。同社の永廣正邦専務執行役員プリンシパルアーキテクト兼スポーツ・エンターテインメントドメイン長が、同社が目指すスタジアム・アリーナビジネスの在り方を説明=写真(報道発表資料から)。サッカーチームFC今治を運営する今治.夢スポーツ(愛媛県今治市、矢野将文社長)の岡田武史代表取締役会長は、今年完成した「今治里山スタジアム」で進めている取り組みや思いなどを語った。海外の有識者も登壇した。
永廣正邦専務執行役員プリンシパルアーキテクト兼スポーツ・エンターテインメントドメイン長が説明(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

TMES/「スポーツエールカンパニー2023」に認定/3年連続

 高砂熱学工業のグループ会社TMES(東京都港区、原芳幸社長)は、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2023」に認定された。従業員の健康増進のためスポーツ活動の支援や促進に向けた積極的な取り組みを実施している企業として評価を得た。認定は3年連続となる。  スポーツエールカンパニーは、職場で運動機会の提供や実施に向けた積極的な取り組みを行う企業をスポーツ庁が認定する制度。スポーツ実施率の低い「働き盛り世代」に健康的なライフスタイルを定着させることを目的にしている。  TMESでは▽ラジオ体操の推進▽運動・ストレッチ情報の提供▽スポーツクラブ利用料金の補助▽社内同好会活動の促進-を展開する。ヘルスケア専用サイト「健康ひろば」では、ウオーキングの啓発記事やデスク周りで行うストレッチを紹介。スポーツクラブとの法人契約で全国約500カ所の施設が特別料金で利用できる福利厚生も整備している。

source https://www.decn.co.jp/

回転窓/ただより高いもの

 ただより高いものはない-。無料や無償なものも、後になって相応の出費や要求が伴うことを意味し、世の中はそれほど都合が良くできていないという戒めの言葉でもある▼少しでも安く購入し、利用したい消費者心理からすると、ただほど安いものはない。しかし、モノやサービスを得る際の価格には、品質や性能など享受できる価値が含まれる▼安全・安心や便利・快適さも、ただでは手に入らない。先週末、首都圏の鉄道各社が運賃を一斉に引き上げた。コロナ禍で旅客需要が減少する中、安全輸送やバリアフリー対応への投資増が背景にある。近畿圏などでも値上げを順次実施する予定だ▼日々の暮らしや経済活動を支える公共インフラ・サービスの恩恵は、税収などで成り立っている。限りある予算をどう配分するか。必需が増せば、財源確保で難しい判断が迫られる▼少子化対策で医療費や教育費など家庭の負担を抑える無償化の取り組みに理解はしつつも、別のどこかにつけが回っては問題だろう。防災・減災、国土強靱化、経済・安全保障など、喫緊の課題は増えるばかり。先を見据えた政策論議が問われている。

source https://www.decn.co.jp/

宮城県/川内沢ダム本体着工26年春完成めざす、施工は西松建設JV

 宮城県は県南部に位置する名取、岩沼両市を流れる1級河川名取川水系川内沢川に建設する「川内沢ダム」の本体着工式を19日に名取市愛島笹島で開いた。施工は西松建設・奥田建設・グリーン企画建設JV。洪水調節と流水の正常な機能維持、河川環境の保全を目的に1997年から調査を開始。26年を経て本体着工に至った。総事業費は135億円。2026年春の完成を目指す。  起工式には遠藤信哉宮城県副知事や山田司郎名取市長ら県市の関係者、西村明宏環境相、西松建設の一色眞人代表取締役執行役員副社長ら60人が出席。工事の無事故・無災害と早期完成、流域の治水向上を願い鍬を入れた。  式典で遠藤副知事は「川内沢川流域はたびたび洪水被害を受けてきた。94年9月の豪雨災害を契機にダムが計画され、これから本格的に本体工事に入る。県としても施工者と協力し、工事が安全で着実に進むよう取り組む」と述べた。  来賓の西村環境相は「ダムは流域の治水に大きな力を発揮してくれる。地域の安全・安心な暮らしを守るため一日も早い完成を願う」と事業に期待した。  施工者を代表して一色副社長は「当社の企業理念『培ってきた技術と経験を活かし、価値ある建造物とサービスを社会に提供することで、安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献する』に合致するプロジェクトだ。工事に携わったことが誇りになるよう立派に完成させる」と決意表明した。  川内沢ダムは洪水発生を防御するとともに、10年に一度発生すると考えられる渇水に対し安定的なかんがい用水も確保する。完成すると堤高39・7メートル、堤頂長145・0メートル、総貯水容量179万立方メートルの重力式コンクリートダムになる。本体基礎掘削4万9510立方メートル、堤体コンクリート5万4000立方メートルなどを計画。コンクリート製造設備や濁水処理設備を設け、環境に配慮しながら施工する。今後基礎掘削を進め、24年度にコンクリートの打設に入る。工期は26年3月25日まで。実施設計は八千代エンジニヤリング。県営ダムの建設は13年5月に完成した払川ダム(南三陸町)以来11年ぶりになる。
 梅津智徳所長(西松建設)の話
 「生産性向上を図るため、工程管理の徹底に努めていく。地域の期待と信頼にしっかり応えたい」。
川内沢ダム建設イメージ(宮城県仙台地方ダム総合事務所提供)
関係者による鍬入れ
梅津智徳所長
source https://www.decn.co.jp/

主要ゼネコン35社、23年春の採用計画17社が増加/本社調べ

 日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン35社を対象に行った人材採用アンケートによると、今春入社予定の新卒社員の総数は2022年に比べて123人増の計3898人となる見通しだ。技術系が全体の83%を占める。採用の計画と実績を比較した充足率は下降傾向にあり、予定数を満たしたのは10社にとどまった。24年春入社の採用活動は2月時点で計画を回答した32社のうち、18社が23年度計画より増やす予定。学生の進路が多様化する中、各社はあの手この手で優秀な人材の確保を狙う。  アンケートは1月中旬から3月中旬にかけて実施した。今春の採用状況を見ると、23年4月の採用数が前年実績に比べ増えたのは17社だった。達成度を示す充足率は、23年採用の当初目標を回答した34社のうち24社が100%を下回り、採用活動に苦戦している状況がうかがえる。「官庁を含む多様な業界との競合が激しくなった」(大成建設)、「売り手市場が続き、建設業を目指す優秀な人材の確保が難しい」(東急建設)といった意見が目立った。  24年春の採用計画は32社が回答。総数は4043人で技術系が83%を占め、総数は23年当初計画に比べ微増にとどまる見通しだ。  コロナ禍の沈静化に伴い、複数社が対面での面接を再開した。同時に「対人で人柄を見たいが、就活生にとって来社は負担」(長谷工コーポレーション)との意見もあり、オンライン方式との併用が続きそうだ。  アンケートでは多くの企業が人材獲得競争の激化を実感し、母集団の形成が難しいと答えた。各社はSNS(インターネット交流サイト)での情報発信やインターンシップ(就業体験)拡充に加え、「ターゲット校の最寄り駅に広告を掲示する」(奥村組)など自社の認知度向上にも知恵を絞る。清水建設や大成建設は、多様な人材を求めて22年度から新卒採用の通年化に踏み切った。  内定の辞退を防ぐフォローなどで採用活動が長期化するケースもあり、中堅ゼネコンは「マンパワー不足」や「時間やコストの増加」などを課題に挙げた。


source https://www.decn.co.jp/

建設技能人材機構/特定技能の支援メニュー拡充、教育訓練支援など

 建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)は、特定技能外国人を受け入れる建設会社や専門工事業団体の支援メニューを拡充する。昨年9月に立ち上げた教育訓練支援事業は費用負担の範囲をさらに広げ、各団体が取り組む講習・研修を手厚くサポートする。建設キャリアアップシステム(CCUS)関係の手数料を負担するなど新たなメニューも複数用意。特定技能外国人のスキルアップと働きやすい職場づくりにつながる支援策を強化する。  建設分野の特定技能の業務区分が昨年8月に再編・統合されたのを受け、JACは特定技能1号の試験内容を刷新。これに合わせ専門工事業団体が実施主体となる職種別の講習・研修を充実させる目的でJACが運営費などを支援する枠組みを設けた。既に2団体の活用実績があり、日本機械土工協会(日機協)は1月、日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)は3月にどちらもベトナムで就労希望者への基礎的な技能講習を実施した。  従来はJACの負担額に上限を設定していたが、▽就労希望外国人の基礎教育・採用活動▽就労中の特定技能外国人のスキルアップ技能研修-の2メニューで上限を撤廃。厚生労働省の建設労働者技能実習コースを活用した外国人技能者の特別教育・技能講習は費用負担の範囲を広げる。  特定技能外国人の受け入れにCCUSの事業者・技能者登録が必須となっていることを踏まえ、事業者の管理者ID利用料と特定技能外国人の能力評価手数料を新たに全額負担。特定技能外国人が一時帰国する際の負担軽減につながる支援金も創設する。「建設特定技能受け入れ後講習」の3月実施分から、受け入れ企業が負担する参加費の全額支援も始めた。昨年7月から無料で実施する「やさしい日本語講座」はオンラインだけでなく会場開催の可能性も含めて検討する。


source https://www.decn.co.jp/

大阪広域水道企業団/工業用水新家~大泉緑地BP管、23年度は新家3~久宝寺着工

 大阪広域水道企業団は、2023年度当初予算に大阪府八尾市新家3~堺市北区金岡町の府立大泉緑地間約16キロに計画している工業用水道バイパス(BP)配水管整備計画のうち、新家3~府立久宝寺緑地(八尾市西久宝寺)間約2・6キロの工事費を計上し、23年度に着工する方針を決めた。同年度は、工業用水道BP配水管の大阪市平野区長吉出戸7~東除ポンプ場(大阪市平野区長吉川辺4)間の詳細設計を進め、東除ポンプ場~大泉緑地間の設計・施工一括(管路DB)方式による発注に向けた基本設計も委託する予定だ。
 工業用水道BPは、新家3と大泉緑地の間に設けている既設管の更新時に代替機能を発揮し、耐震機能を確保するために計画。区間の内挿管の仕上がり内径は1200ミリで、シールド工法で施工する。
 着工する新家3~府立久宝寺緑地間のシールドの外径は2000ミリ。27年度の完成を目指す。
 大阪市平野区長吉出戸7~東除ポンプ場間の延長は約3・3キロ。詳細設計は24年度に終える見込み。
 東除ポンプ場~大泉緑地間は延長約8キロ。この区間の中間部にも発進・到達立坑を設ける予定。同区間では工期短縮や、民間企業の技術力をより活用するため、管路DBを使う。基本設計の受託者は管路DB発注に向けたアドバイザリー・コンサルタントとしての役割を担う。
 企業団は、淀川から取水した水を大庭浄水場(守口市)で浄水処理し、工業用水を堺・泉北臨海工業地域などに配水中。浄水場から八尾ポンプ場(八尾市)を経由して大和川付近まで、既設の2ルートで工業用水を送り込んでいる。



source https://www.decn.co.jp/?p=151149

2023年3月20日月曜日

回転窓/咲き誇る桜の戦士に

 松尾芭蕉に春を詠んだ有名な句がある。〈花の雲鐘は上野か浅草か〉。江戸深川の芭蕉庵で作られた▼聞こえてくる鐘の音は上野の寛永寺か、それとも浅草の浅草寺か。咲き誇った桜が連なり雲のように見える中で思いを巡らした。春の穏やかな情景が目に浮かぶ▼インターネットで調べると、〈花の雲〉を〈花曇り〉とする解釈もあるよう。これは桜が咲くころに薄く曇っている空を表す言葉で、春の季語でもある▼14日に気象庁から全国一番乗りで開花が発表された東京の桜は、今週に満開を迎える。平年より10日も開花が早く、時事通信は「桜の開花は地球温暖化で全国的に早くなっているが、東京は都市化の影響もあるかなと考えている」と同庁東京管区気象台担当者の話を報じている。花を楽しめる時期が終わってしまうのも前倒しとなるが、今年は秋にも桜が注目を集める▼9月8日開幕のラグビーワールドカップ2023フランス大会に出場する日本代表チームの愛称は、「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」。日本からも桜ジャージを着た大勢のファンが声援を送るに違いない。雲のように満開となって。

大豊建設/工場建築に木材採用、木造提案力向上で営業活動に生かす

 大豊建設が建築物の木材利用に力を入れている。中央機材センター(茨城県阿見町)敷地内に建設している新工場の梁や耐震壁に木材を採用した。SDGs(持続可能な開発目標)実現に向けた自社施設へのESG(環境・社会・企業統治)投資の一環。木質化やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を進め、住宅や商業、事務所以外の用途の適用事例として脱炭素化に貢献する。工場や倉庫など大規模空間で木造・木質化の提案力を高め、営業活動に生かす。  新工場は大スパン空間を木質平弦トラス梁で構成した「鉄骨+木造のハイブリッド構造」を採用。梁15本のうち13本を木造平弦トラスとした。鉄骨ブレースをCLT(直交集成板)耐震壁に置き換え、製材型枠を部分的に採用した複合構造で建てる。  木材に石こうボードや不燃処理を施すとコストアップや納期遅延の問題があるため、新工場では、建築基準法の耐火仕様や内装制限を考慮した計画とし不要なコストを抑えた。木造梁を表しにし、癒やしなどの視覚効果も期待する。外壁の高断熱(軽量気泡コンクリート)化と、省エネタイプの設備機器(LED照明・人感センサー・高効率空調機)を採用し、環境にも配慮。竣工前に1次エネルギー消費量を50%以上削減する「ZEB Ready」を目指す。  2階建て延べ1794平方メートルの規模。このうち3分の2を倉庫として利用し、残る3分の1はニューマチックケーソンで使用する掘削機械や遠隔操作室を設け、既存技術の改良拠点として稼働させる。  同社はこれまで技術研究所の木質化や製材型枠の採用、CLT耐震壁の産学共同研究開発など建築物の木質化に注力。ZEB化事例として技術研究所、事務所ビル、貸貸住宅がある。今後は新設施設に限らず、既存施設や工場のZEB化を検計していく。
新工場の梁に木材を使用した

source https://www.decn.co.jp/

CCUS応援自販機、導入ゼネコン広がる/タッチ習慣化に寄与

 建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードタッチで飲料が無料で手に入る「CCUS応援自販機」の導入現場が複数のゼネコンに広がっている。2月末時点で鴻池組、東急建設、フジタの計12現場に設置済み。4月からは長谷工コーポレーションの11現場で運用予定だ。昨年9月の第1号機の設置以降、普及促進に取り組む建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)には30社程度から問い合わせが入っているという。  CCUS応援自販機は鴻池組がサントリービバレッジソリューションと協力し、サントリー独自のシステムを応用し開発。CCUS登録技能者に元請負担で飲料を無償提供する。カードタッチのリターンが日々実感できる仕組みと言え、振興基金はタッチの習慣化に期待する。  例えば鴻池組の建築現場のタッチ率は通常40%程度だが、設置現場では70%程度に向上した。他社現場でも同じような効果が表れており、ある現場所長は「タッチ率にも寄与しており、飲料無料をきっかけにCCUSに登録するという話も聞いた」と話している。技能者の立場からも「詰め所でも早く登録した方がいいよ、という話になっている」との声が上がっている。  無償提供の頻度は現場判断となり、1日1本提供するフジタの現場のような例もある。設置現場が増える中、サントリー側も設置条件の緩和を検討している。現状は工期1年半以上の現場が対象。自社商品以外も扱える「コンビ機」の設置も可能という。
応援自販機は技能者に好評(写真はフジタの現場)

source https://www.decn.co.jp/

国交省/インフラ分野の新たな電気通信技術ビジョン策定、センサーやAIなどに注力

 国土交通省は2023年度からの5カ年を対象とする「電気通信技術ビジョン」を策定した。インフラ管理の高度化や防災・減災につながる電気通信分野の技術開発や技術導入の方向性を提示。優先的に取り組むテーマとして、急速に発展する「情報通信」「センサー」「AI」の三つを挙げた。既存の通信基盤を強化するとともに、衛星コンステレーション(多数の小型衛星が連携して情報収集する衛星網)などと連携し災害時の迂回(うかい)路を確保する「次世代統合ネットワーク」の構築を目指す。  国交省は河川や道路の管理用に光ファイバーを敷設し、自営の通信網を保有している。特に災害時は映像による確認やテレビ会議が標準となり、通信回線の信頼性向上や大容量通信への対応が求められる。  衛星コンステレーションなど外部通信と連携し、新たな通信経路制御技術も導入。柔軟に自動迂回できる通信網の高度運用を目指す。地方自治体との相互接続や災害時の住民利用などを視野に入れた「共通プラットフォーム」の構築も推進する。  流域治水の実現に必要な技術的要素の一つとして、高性能センサーを用いて対象地域を面的に管理する技術検証に当たる。直轄施設の管理エリアにとどまらず民地も含めた広域的な被災情報の収集などを可能とする。ローカル5Gを活用した被災現場の臨時回線の確保などで機動性の高い防災通信を実現する。  AIで危険事象などを検知する技術は、車両検知以外にも土砂崩落や浸水・越水、不正侵入などに利活用対象を拡大する。映像やセンサーを組み合わせるなどしてAI検知技術の精度向上などを目指す。AI技術などを活用したインフラ管理の遠隔化・自動化にも取り組む。  これ以外にDXとGX(グリーントランスフォーメーション)を目指した技術開発も強化。BIM/CIMデータなどを日常的に利活用できる通信環境を構築したり、省エネルギー型の電気通信施設を展開したりする。
次世代統合ネットワークのイメージ (国交省資料から)

source https://www.decn.co.jp/

凜/国土交通省水管理・国土保全局・泉あかりさん、「当たり前」を守り新たな価値を

 「みんなが当たり前だと思っている生活を守りつつ、新しい価値や魅力をつくっていけるようなことをしたい」。入省前から掲げる志は、3年目となる今も変わらない。
 ぶれない姿勢は高校時代から一貫している。都市計画やまちづくりを大学での専攻分野に選んだのは、東日本大震災の被災地でのボランティアがきっかけの一つ。「きちんとした生活基盤に支えられて豊かな生活があると実感した」。
 子どもの頃に親しんだ風景が都市開発でがらりと変わり、全く違う魅力を放つことにも興味を覚えた。「制度や仕組みをつくる国土交通省なら、全国の都市づくりにアプローチできる」。大学入学前から国交省に憧れを抱いていた。
 1年目の港湾局では物流ネットワークのような「目に見えないもの」も生活基盤の一部だという新たな発見があった。翌年は八代河川国道事務所(熊本県)で災害復旧など治水対策に携わり、現在は同じ河川事業でも良好な環境の保全・創出に取り組む。さまざまな側面で人々の豊かな生活を支える国交省の幅広い役割の一端を担う。
 数少ない女性の幹部職員が口にしていた「走り続けてきたからこそ、今がある」という言葉が、自らの仕事姿勢に影響を与えている。困難に直面しても、ひたむきに頑張れば道は開けるはず。「果たすべき役割に真っすぐ向き合っていくことを今後も大切にしたい」と誓う。

国土交通省水管理・国土保全局河川環境課河川環境調整係長(いずみ・あかり)



source https://www.decn.co.jp/?p=151219

森本組/社長に横尾徹副社長昇格、6月30日就任

 森本組は17日、横尾徹取締役兼執行役員副社長土木本部長が社長に昇格する人事を発表する。就任は6月30日付。小林宗二社長は顧問に就く。
 横尾 徹氏(よこお・とおる)1982年千葉工業大学工学部土木学科卒、森本組入社。2017年執行役員東京支店長、18年取締役兼執行役員土木本部長、19年同常務執行役員土木本部長、21年同専務執行役員土木本部長、22年から現職。大分県出身、63歳。



source https://www.decn.co.jp/?p=151142

ガイアート/社長に石塚周平取締役兼執行役員常務昇格、4月1日就任

 ガイアートは13日、石塚周平取締役兼執行役員常務管理・コンプライアンス担当が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。山本健司社長は取締役相談役に就く。
 石塚 周平氏(いしづか・しゅうへい)1984年神奈川大学法学部法律学科卒、熊谷道路(現ガイアート)入社。2012年本社総務部長、17年執行役員、18年取締役本社管理統括部長、21年から現職。神奈川県出身、62歳。



source https://www.decn.co.jp/?p=151040

2023年3月17日金曜日

回転窓/賃上げ広がるか

 大手企業を中心に賃上げの動きが加速している。2023年春闘で大手企業の集中回答日となった15日には、「初の満額回答」「過去最高のベースアップ(ベア)」といった報道が目立った▼総合スーパーのイオンリテール(千葉市美浜区、井出武美社長)は、社員並みに働くパート労働者の待遇を、地域限定正社員と同等にする制度を導入。各企業が処遇改善に踏み切る背景には、人材流出への危機感があるのだろう▼同日には政府、経済界、労働団体の代表による「政労使会議」が8年ぶりに開かれ、労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠との認識で一致した。岸田文雄首相は、公正取引委員会と協力して業界ごとに実態を調査し、労務費の転嫁の在り方について指針をまとめる方針を示した▼中小企業にまで波及するかが今後の争点。日本商工会議所(小林健会頭)の調査によると、コスト増加分を7割以上転嫁できている割合は約30%にとどまる▼雇用の多くを占める中小企業で担い手がいなくなれば、日本経済は回らない。弱い立場にしわ寄せを強いることなく全体を底上げしていく姿勢が今こそ求められている。

source https://www.decn.co.jp/

大林組/ホイールローダ向け特殊バケット開発、残土積み込みの安全性向上

 大林組とオノデラ製作所(北海道苫小牧市、小野寺博社長)は、山岳トンネル現場の狭い空間でも安全に使えるホイールローダー向け特殊バケット「スライドローダー」を共同開発した。運転操作性を改善し、掘削残土を運搬車両に積み込める。バケット内に設置した排土板を排出方向に横移動させることで残土の積み込みが可能。低い空間でも容易な運転操作で積み込める。  スライドローダーはホイールローダーと運搬車両を並行に配置しバケットを傾けて積み込む「サイドダンプバケット機構」に比べ、低い位置で排土作業が行える。従来のホイールローダーよりも大型で使用できるバケット容量が増え、積み込み時間を3割程度削減するという。シンプルな動作機構のため接触損傷リスクも低減。熟練した技術が不要で技能者不足の問題解消も期待できる。  北海道新幹線の立岩トンネル(山崎工区建設工事)で実証実験を行った。今後、繰り返し動作を検証し、ずり出し作業の遠隔化・自動化を目指す。「スライドローダー」を積極的に活用することで社会インフラの迅速な整備に貢献するとともに、遠隔化・自動化に向けた開発を加速させる。  サイドダンプバケット機構では、バケット上部に十分な稼働空間を確保する必要があり、換気設備や照明が干渉しないよう、操作には熟練した技術が必要になる。周辺との接触を回避する必要があった。
「スライドローダー」を搭載したホイールローダー(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

厚労省/水道施設の更新・修繕費を試算、今後30年で年間1・8兆円必要

 厚生労働省は水道施設の適切な維持管理を後押しするため、長期的に必要な更新・修繕費の見通しを公表した。現行の施設規模のまま単純に更新した場合、2021~50年度の30年間の年間平均投資額が1・8兆円に上ると試算。過去10年間(2011~20年度)の年間平均1・3兆円よりも、5000億円程度の追加投資が毎年必要になることが分かった。同省は将来の水需要を踏まえた施設規模の適正化や統廃合などで建設投資の圧縮が可能とみて、地方自治体を中心とする水道事業者に計画的な維持管理を求めている。  昨年10月に水道施設の基本情報をまとめた台帳の作成・保管が義務化されたことを受け、過去の投資額などを調査し、より精緻なデータで更新費や修繕費の見通しを試算した。  厚労省によると、法定耐用年数(40年)を超えた管路延長は約15万キロあり、全体の20・6%を占めるという。水道事業の実務上の更新基準は平均60年程度とされるため、約15万キロを一般的な更新基準に合わせて今後20年(21~40年度)で更新していく場合、年間の平均更新延長は約8000キロ(更新率1・03%)に上る。20年度の更新実績は延長4811キロ(0・65%)のため、整備を加速する必要がある。  今後30年(22~51年度)の更新費を施設別に見ると、管路は計33・5兆円となる。ただ、水需要の減少を踏まえて管路口径の縮小などに取り組めば、最大で16%減の28・3兆円まで縮減できるとした。浄水施設は30年間で計19・6兆円の投資が必要になるが、施設規模の縮小や統廃合により、最大33%減の13・2兆円まで圧縮できるという。  厚労省は市町村を中心とする水道事業者に対し、今後必要な施設更新費用を把握した上で、施設の再構築や規模の適正化、水道料金の改訂による財源確保の検討など、アセットマネジメントを実践してもらいたい考え。そうした取り組みによって「水道施設を健全な状態で将来世代に引き継いでいってほしい」(同省医薬・生活衛生局水道課)と期待している。
source https://www.decn.co.jp/

飛島建設/トンネル切羽の観察記録を自動出力、省力化で作業時間を大幅短縮

 飛島建設は14日、トンネル掘削で切羽表面の観察記録を出力するシステムを開発したと発表した。切羽全体を撮影した写真をクラウド上にアップロードすると、AIが切羽観察記録を自動で生成。切羽観察作業の大幅な省力化が図れる。実現場に試行導入し、写真撮影から観察記録完成までの時間が大幅に短縮できることを確認。同社は今後、適用現場を拡大していく考え。
 観察記録の自動出力システム「アウフタクト・フォー・トンネルフェイス」は、AIの深層学習を活用している。大量の切羽の写真を通じて学ばせ、切羽の状態などを自動的に認識させることに成功した。現場担当者がAIによる切羽観察記録を最終的に確認し、修正する。無線LAN環境があれば、1日以上かかっていた切羽観察作業を、当日中に現場で完了できる。
 米マイクロソフト社の「Microsoft 365」で利用できる独自アプリを介して、現場担当者のスマートフォンから切羽写真をクラウド上にアップロードすると、AIが画像から切羽の状態を判定する。その後、アプリに切羽観察記録として送られてくる。
 一般国道5号共和町新稲穂トンネルR側共和工区工事(国土交通省北海道開発局発注)に試行導入した。切羽写真の撮影から切羽観察記録完成までの時間が、大幅に短縮されたことを確認した。現状はNATMだけで適用している。
 これまで切羽観察記録の作成には現場と事務所間の往復が必要だった。掘削直後の切羽直近で目視判定作業を行うため、安全確保に留意する必要があるなど、業務効率と安全面に課題があった。



source https://www.decn.co.jp/?p=151048

2023年3月16日木曜日

建災防/新5カ年計画始動、死亡災害15%以上減へ重点11対策推進

建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)は15日、2023年度から5カ年の「第9次建設業労働災害防止計画」を公表した。新計画では対象期間中に発生する建設現場の死亡災害平均件数を前計画期間の平均から15%以上減らし、休業4日以上の死傷災害(新型コロナウイルス感染症関連除く)を22年比で5%以上減とする目標を設定。引き続き着工前に現場の潜在的な危険性を特定するリスクアセスメントの確実な実施などを通じ、労働災害の撲滅を目指す。
新計画は同日に東京都内で開いた第162回常任理事会・第151回理事会に報告した。今井会長は新計画に基づき「積極的に労働災害防止対策を推進し、建設業の安全衛生水準の向上に努める」とあいさつした。
建災防によると、2月に集計した22年の建設業死亡災害件数は前年比5人減の274人とわずかに減っているものの、休業4日以上の死傷災害は1116人増の1万6617人と増えている。依然として死亡災害に占める割合が約4割と高い墜落・転落災害の防止も課題になる。
新計画は現行計画(18~22年度)で浮き彫りになった課題や、国の「第14次労働災害防止計画」(23~27年度)を踏まえ策定した。そのため建設現場で発生する死亡災害と墜落・転落によって発生する死亡災害の平均件数に着目。それぞれ前計画期間の平均に対し15%以上の減少を目指す。
これらの目標達成に向けた重点対策も会員企業または建災防といった主体別に整理。会員主体の対策として▽安全衛生管理体制の確立▽リスクアセスメントの確実な実施▽建設業労働安全衛生マネジメントシステム(コスモス)の導入▽墜落・転落など重篤度の高い労働災害減少に着目した対策▽ICT活用など各工事の特性に応じた対策▽安全衛生教育の徹底▽労働者の健康確保対策推進▽高年齢労働者の労働災害防止対策推進▽腰痛など職業性疾病の予防対策徹底▽快適な職場環境形成▽安全衛生推進大会など安全衛生運動の実施-の11項目を挙げた。
今井会長

source https://www.decn.co.jp/

回転窓/新たなリスク回避策

引っ越しシーズンを迎え、準備や手続きに追われている人も多いのでは。先日転勤した後輩記者も部屋探しや引っ越し業者の選定など、息つく間もなく新たなスタートを切った。新天地でも活躍を期待している▼この春に文化庁が京都へ引っ越し、27日に業務を始める。京都市上京区の旧京都府警本部本館と隣接地に新築した庁舎に移転。一部の部署を東京に残すため、移転完了後は京都で働く職員が約390人、東京約200人の体制になる▼移転は2016年3月に決定。東京一極集中を是正する地方創生の一環で、中央省庁の地方移転は明治以来初となる。「文化首都」の京都には全国の多様な文化の掘り起こしや文化芸術の振興をけん引してもらいたい▼政府機関の地方移転は他の省庁でも議論されたが、実現するのは文化庁だけのようだ。国会議員への説明や政党の会議への参加などが移転できない理由という▼東京は首都直下地震の発生が高確率で予測されている。非常時に司令塔の政府が機能不全に陥らないよう事前の備えとして何ができるのか。DXなどで新たなリスク回避策を講じるのも国土強靱化に必要だろう。

source https://www.decn.co.jp/

農水省/明治用水頭首工本復旧は基礎から再構築、10月着工・27年度完了目指す

農林水産省は14日、明治用水頭首工復旧対策検討委員会(委員長・石黒覚三重大学名誉教授)の第5回会合を名古屋市中区の東海農政局土地改良技術事務所で開いた。漏水の本復旧のための対策工法は、既存のP1堰柱と洪水吐き堰体を撤去し、基礎もコンクリートで再構築する方針を決定。10月に着工し非出水期に工事を進める。2027年度の完了を目指す。事業費は今後、精査する。
再構築の手順はゲート巻き上げ室や管理橋、1号洪水吐きゲートの撤去後、P1堰柱とP1-P2洪水吐き堰体を解体。堰体下は岩盤まで掘削し、根固め工と堆積層を除去する。基礎として無筋コンクリートを打設し、その上にP1堰柱など新堰体を現状と同形状で再構築する。堰柱の高さは約21メートル、幅は約26・5メートル。エプロン整備の延長は約66・5メートル。
本復旧の工法は、再構築案と既存の堰柱を継続使用する四つの補強案(支持杭方式、置き換えコンクリート基礎方式、上下流増杭工法、地盤改良工法)
を比較。P1堰柱基礎部分のボーリング調査や目視確認の結果、堰柱本体の変状はなく、根固め工、地盤改良も効果を期待できるとしたが、将来的な安定性の確保や堰本体を残したま下部を補強する施工の実現性を検討し、基礎からの再構築案を選択した。

source https://www.decn.co.jp/

清水建設らSPC/盛岡ボールパーク(盛岡市)竣工間近、4月オープン

 清水建設ら7社が出資したSPC(特別目的会社)盛岡南ボールパークが取り組む「盛岡南公園野球場整備事業」で、2021年6月にスタートした新球場などの建設が間もなく竣工を迎える=写真。
 事業費は約108億円。BTO(建設・移管・運営)方式のPFIを採用している。
 発注者は盛岡市。設計を環境デザイン研究所(東京都港区)・清水建設・久慈設計(盛岡市)JV、工事監理は環境デザイン研究所・久慈設計JVが担当した。施工は清水建設・菱和建設(同)JV。フクシ・エンタープライズ(東京都江東区)と日本体育施設(東京都中野区)、第一商事(盛岡市)の3社が4月~38年3月の期間、運営・管理を担う。
 野球場や屋内練習場などを一つのエリアに集約し盛岡南公園と一体化。緑地から外野席への出入りは自由で散歩やランニングをしながらフィールドの様子、奥羽山脈や北上高地の景観が満喫できる。4月1日の開業後は「きたぎんボールパーク」のネーミングになる。



source https://www.decn.co.jp/?p=151104

17年九州北部豪雨からの復旧・上/地域に寄り添い整備完遂、河川と砂防の事業を連携

2017年7月の九州北部豪雨により被災した福岡県朝倉市の筑後川水系赤谷川流域で、国土交通省九州地方整備局が進めていた災害復旧事業が完了する。大量の土砂や流木による中山間地の被災は前例がなく「河川事業と砂防事業の連携」という方針の下、新たな技術を導入し全国初の施設が整備された。地域に寄り添い、事業を引っ張ってきた同局の筑後川河川事務所九州北部豪雨復興出張所はその役割を終え、31日に閉所する。 朝倉市では17年7月5日から6日にかけて線状降水帯により、9時間雨量で日本最高となる774ミリの短時間集中型の豪雨が発生。赤谷川流域の約1100カ所で斜面が崩落し、約290万立方メートルの土砂と約5万本の流木が一気に谷を下り集落を飲み込んだ。
県知事から要請を受け国交省は応急復旧工事で河川法に基づく権限代行を全国で初めて適用。その後、本復旧についても要請があり、権限代行による河川の改良復旧事業と特定緊急砂防事業の同時実施が決まった。
災害復旧の方針は「河川事業と砂防事業の連携」。砂防事業は通常、100年に1回の確率で発生が見込まれる災害への対応を整備目標に設定するが、今回は河川事業に合わせて50年に1回を整備目標とした。これに基づき土砂などをできるだけ下流に流さず、流れても安全に流下できるよう砂防堰堤の配置を計画した。
河川事業の対象区間は赤谷川と支川である大山川、乙石川の総延長約14キロ。河道を拡幅し掘り下げて流下能力を4~6倍に引き上げ、蛇行していた流れを真っすぐに近づけた。杷木松末地区の左岸側に高さ2・7メートルの鋼管17本を突き立てた流木捕捉施設を九州の河川で初めて設置。上流の砂防堰堤で流木を取りこぼしても受け止められるようにした。
砂防事業では透過型と不透過型の堰堤を30基整備し、土砂崩壊を抑える緊急対策を1カ所で行った。堤体のコンクリートの一部を破砕すれば透過型に改変できる不透過型堰堤を全国で初めて整備。土砂量が多い場所に設置する大暗渠堰堤も九州で初めて整備した。
用地取得で遠隔による境界立会を全国で初めて実施した。被災箇所は危険で立ち入りが難しいため、航空写真や現地から送ってくる動画を活用して関係者の3分の1に当たる約100人が用地の境界を確認した。
事業着手から約5年4カ月。川邉英明九州北部豪雨復興センター長(筑後川河川事務所技術副所長併任)は出張所として「地域住民と話し、復旧が進む様子を見てもらうことに一貫して取り組んできた」と話す。約150回に及ぶ地元説明会を開催。常に「国交省が顔」という姿勢で住民と向き合った。川邉氏は「被災し、つらい思いの中、われわれの意見や話を聞いてもらい、仕事ができた」と感謝する。
渡邉正弘出張所長は事業完了を安堵(あんど)しつつ地域の将来を見据える。「治水安全度は上げられた。農地や宅地もできあがると聞く。今後は地域の方々の復興に向けた頑張りを少しでも手助けしたい」。
改良復旧が完成した赤谷川下流(1月撮影、九州北部豪雨復興出張所提供)
川邉センター長〈右〉と渡邉所長
source https://www.decn.co.jp/

大成建設/トンネル切羽前方の湧水測定技術を機能拡充、装置の設置・回収作業を高速化

大成建設は山岳トンネル工事で切羽前方の湧水を測定する技術の機能を拡張した。計測装置の設置・回収作業を高速化する「水圧圧送方式」を新たに開発。切羽前方にある湧水帯の水量と水圧を確認する先進ボーリング調査の時間短縮が図れる。同社は今後、技術実証を重ね、さらに改良。高圧・大量の湧水が予想される山岳トンネル工事で積極的に活用し、安全で効率的な湧水対策を立案する。
切羽前方湧水測定技術「T-Drill Packer」は、大量湧水の発生が予測される山岳トンネル工事で先進ボーリング削乳中の湧水状況を事前に把握するため、削孔管を引き抜かず、パッカー(膨張させ水圧を測定する装置)を挿入して孔壁崩壊のリスクをなくせるのが特徴だ。これまで複数の現場で適用してきた。
新機能の水圧圧送方式はパッカーの設置から回収までの作業を高速化し、短時間で測定できる。設置時に水流でパッカーをボーリング先端部まで圧送。回収時にはウインチでワイヤを引き寄せるため、1カ所当たり約1・5時間で調査が終わる。動作確認試験で圧送から回収までの一連の手順が正しく動作することを確認した。
従来の「ロッド方式」は長さ1・5メートルのロッドを継足しながらパッカーをボーリング先端まで挿入する。設置・回収作業に1カ所当たり約4時間かかっていた。
先進ボーリング調査はトンネル掘削工事を中断して行うため、より短時間での実施が求められる。ロッド方式は中断可能な限られた時間内で1~2カ所の測定にとどまっていたが、新方式は1カ所当たりの調査時間を短縮できるためより多くの箇所で測定が可能となる。
山岳トンネル工事は工事の安全や工期、工費に重大な影響を及ぼす湧水の発生状況を事前に把握するため、掘削を一時中断して切羽から100メートル程度の先進ボーリングを行う。前方に存在する複数の湧水帯の位置や湧水量・水圧を測定する必要がある。
水圧圧送方式の概要(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

成田空港会社ら/「新しい成田空港」構想検討会第5回会合開く、中間まとめ骨子案示す

成田国際空港会社などでつくる「『新しい成田空港』構想検討会」(委員長・山内弘隆一橋大学名誉教授)は14日、東京都内で会合を開き、中間まとめの骨子案を示した。既存ターミナルを集約した「ワンターミナル」を整備する計画だ。成田空港会社は新旅客ターミナルと新貨物地区の有力候補地を明らかにした。中間まとめは年度内に公表し、2023年度に詳細な検討を始めるという。

同案によると、三つある旅客ターミナルは集約型ワンターミナルとした。直行需要とともに、アジアをはじめとする3国間流動や国際線・国内線の乗り継ぎ需要を取り込み、多様なネットワークを持つ国際ハブ空港を目指す。施設は十分な取扱容量を確保しつつコンパクト化し、乗り継ぎ利便性を高めていく。
新貨物地区は土地利用規制を弾力的に活用し、空港の隣接地に整備される物流施設と一体的に運用。空港内の物流機能を補完し、効率化を図る。東アジアの貨物ハブとして、トランジット需要を取り込む。ストックセンターやパーツ発送基地といった新たな需要も創出していく。
空港アクセスの面では、鉄道やバスなどの利便性向上や周辺道路網の整備を各事業関係者らと検討する。空港内道路は信号の少ない周回型道路に再編する考えで、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)といった高規格道路との接続性を高める。
地域共生やまちづくりに関する項目も盛り込んだ。地域と空港が相互に連携して築く「エアポートシティ」の実現を目指す。関係市町と協議し、▽空港周辺への産業誘致▽空港起点の観光圏や地域に根差したコンテンツ▽地域の人が空港を訪れ、相互交流できる場所-などを検討していく。資源の地産地消にも取り組むという。
会合後、新旅客ターミナルと新貨物地区に関して田村明比古社長は「具体的な位置は検討中」とした上で、有力候補地となる大まかな位置を明かした。新旅客ターミナルの有力候補地は、第2旅客ターミナルの南側とした。C滑走路を含む3滑走路から見てほぼ中心に位置する。新貨物地区の有力候補地は、B滑走路とC滑走路の中間地点。新規に用地を取得する空港東側エリアとなる。
田村社長は「われわれが主体で検討すべきことは本年度内に進めたい」との方針を示した。道路や鉄道などの空港アクセスに関する検討は「プレーヤーが変わり、事業関係者も違う。23年度、それぞれに検討の場を設けて進めていく」との見通しだ。
同検討会は22年10月に初会合を開き、今回で5回目となる。新ターミナルの整備方針や新貨物地区の在り方などの議論を重ねてきた。具体的な検討が必要な項目が残っていることから「検討会は存続させる」(田村社長)という。
新旅客ターミナルと新貨物地区の有力候補地を示す田村社長

source https://www.decn.co.jp/

奈良県生駒市/南小・中学校を施設一体型で建て替え、現敷地で検討

 奈良県生駒市は校舎が老朽化している南小学校(萩原町)と南中学校(同)について、施設一体型の小中一貫教育の導入を視野に建て替えを検討する。専門的な指導や丁寧な学習など9年間の長期的な視点で児童・生徒を教育し、将来を担う人材を育てる。2023年度当初予算案に基本構想の策定と測量調査費を計上した。
 南小と南中の敷地は隣り合い、北側が中学校、南側が小学校。いずれの校舎も建設後50年以上が経過しており、これまで校舎の耐震補強やトイレの改修などを進めてきたが、建物や設備の老朽化が進んでいる。小学校区で設置した地域協議会からは早急な老朽化対策や小規模化を懸念する意見があり、校区の見直しによる適正規模化に向けた検討も進めている。
 小中一貫教育は全国的に導入する自治体が増えており、市は小中一貫校の導入を視野に学校再編を検討する。
 今後の方向性では、両校の検討委員会を設置し、さまざまな意見を聞きながら教育内容を検討する考えで、9年間を見通した6・3制をベースに小中一貫教育を進める。施設は最適な教育環境を提供するため、両校敷地内に施設一体型の小中一貫教育を推進できる校舎を整備する方向だ。
 建て替えに向けては、学校教育と社会教育が融合した多様性のある学びを実現できる環境づくりを進めるほか、活気のあるまちづくりへ地域住民らが利用できるようにする。校区の見直しについても検討を進め、小瀬町や壱分西など隣接する地域の児童らが通学できるよう早期に調整区域を設定する。
 市は24年6月までを期間とする第2次教育大綱の見直し作業を進める。23年度に本格的に議論を開始し、24年3月市議会にパブリックコメント前の大綱案を提示する。
 23年度予算案に生駒南小学校・中学校整備事業として13百万円を計上。新たな学校施設の方向性とともに、教育と施設の在り方を示した基本構想の策定に着手する。測量調査も実施する。



source https://www.decn.co.jp/?p=150915

2023年3月15日水曜日

回転窓/素足の小学生へのエール

イベントを前にそわそわしている近所の小学生たちを見掛けた。ホワイトデーではなく、15日の市長表敬で頭がいっぱいだと聞いた▼18~19日に兵庫県明石市の特設会場で行われるビーチサッカー全国大会に出場する児童らを、市長が激励するそう。選手全員が自分の名前とポジションを述べ、代表者が意気込みを伝える。緊張して話す内容を毎晩考え、学校を早退し市長に会う特権を得て興奮する選手らの帰宅後の感想を、保護者も楽しみにしているようだ▼サッカー愛好者の海辺のレクリエーションとして、素足でプレーを楽しむビーチサッカー。1992年に競技規則が統一され、2005年から国際サッカー連盟(FIFA)主催のワールドカップが開かれている▼サッカーやフットサルと比べて競技人口は少ないものの、全国大会は大いに盛り上がる。日本ビーチサッカー連盟らの普及活動にも熱が入り、イベントには日本代表選手が登場しアクロバチックなプレーを披露する▼コロナ禍で延期が続いたジュニア世代初の全国大会「ビーチサッカーU-12フェスティバル」。日本一を目指す素足の選手たちにエールを送ろう。


source https://www.decn.co.jp/

中部整備局越美山系砂防/山間部の遠隔臨場で実証実験、低軌道周回衛星の有用性確認

中部地方整備局越美山系砂防事務所は13日、低軌道周回衛星のインターネットサービス(スターリンク)を活用した遠隔臨場などの実証実験を岐阜県内の砂防工事現場で実施した。ウェブも含め約220人が参加。山間部の電波不感地帯でも映像や音声などが伝達できる通信環境の優位性を確認し、今後の活用に期待できるとした。同事務所は今後もさまざまな条件下で実証実験を行い、データを構築していく考えだ。
会場は揖斐川町の「道の駅 星のふる里ふじはし」。2カ所の砂防堰堤現場と会場を結ぶ形で実施した。冒頭、八尾光洋中部整備局企画部長は「人口減少が進み山間部の建設従事者も減っていく。今後も建設業が役割を果たすため、DXやICTにより遠隔地からの生産性を向上したい」とあいさつ。岡部栄一揖斐川町長も「町内では砂防工事などが行われているが、山間部のため電波の不感が課題となっている。実験を通じて今後、工事が円滑に安全に進むようになることを祈る」と話した。
堂洞第1砂防堰堤では、堰堤の施工に向け工事用道路を整備中。現場は4G回線エリアだが通信が不安定なため、遠隔臨場で音声や動画のやりとりが安定、円滑にできるかを4G回線と比較した。百々之木谷第1砂防堰堤の現場は電波不感地帯。このため、スターリンクを使ってドローン搭載カメラの映像をウェブ会議システムを通して配信。遠隔地からの指示によるドローン操縦も行うなど、スターリンクの有効性や適用性を確認した。参加者からは操作時の注意点、機器の導入費用などについて質問が寄せられた。
越美山系砂防事務所によると、アンテナやルーターなどの機器一式が約40万円。1カ月の通信費に約19万円必要という。今回の実証実験を通じ、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)が山間部で活動する際も有効活用できることを確認できたとしてる。
遠隔臨場の様子
ドローン撮影画像を共有
source https://www.decn.co.jp/

関東整備局鬼怒川ダム統合管理/湯西川ダム再整備を検討、業務プロポ公告

関東地方整備局鬼怒川ダム統合管理事務所は、鬼怒川水系の洪水調節能力を増強するため湯西川ダム(栃木県日光市)の再整備を検討する。放流設備増強や堤体かさ上げを視野に効果的な対策を探る。15日に「R4鬼怒川ダム治水機能強化検討業務」の委託先を選定する簡易公募型プロポーザルを公告する。参加申請と技術提案書を4月12日まで電子入札システムで受け付ける。5月8日に委託先を決める。履行期間は5月下旬から2024年2月29日まで。
プロポーザルに参加できるのは単体企業またはJV。いずれも関東整備局の一般競争(指名競争)入札参加資格で「土木関係建設コンサルタント業務」の認定を受けていることが条件。所定の実績も求める。
同事務所は鬼怒川水系の五十里、川俣、川治、湯西川の4ダムを管理している。4ダムが連携して洪水調節することで水害を防いできた。ただ豪雨の頻発、激甚化により既存の洪水調節計画を上回る洪水が発生する可能性がある。特に降水量に二つのピークがある「二山洪水」への対応が課題となっている。
このため洪水調節能力を高める目的で、直轄4ダムのうち最上流に位置する湯西川ダムの再整備を含めた水系全体の洪水調節能力増強策を検討する。具体的には湯西川ダムの放流設備の増強や堤体のかさ上げを検討。放流を弾力的に制御し水力発電能力を高めることも視野に入れる。
湯西川ダムは12年に完成した重力式コンクリートダム。堤高119メートル、堤体積106万立方メートル。有効貯水量は7200万立方メートル。工事は効率的にコンクリートを打設する巡航RCD工法を採用し、急速施工で注目された。施工は鹿島・清水建設JVが担当した。
湯西川ダム(鬼怒川ダム統合管理事務所のホームページから)

source https://www.decn.co.jp/

飛島建設/トンネル切羽の観察記録を自動出力、省力化で作業時間を大幅短縮

飛島建設は14日、トンネル掘削で切羽表面の観察記録を出力するシステムを開発したと発表した。切羽全体を撮影した写真をクラウド上にアップロードすると、AIが切羽観察記録を自動で生成。切羽観察作業の大幅な省力化が図れる。実現場に試行導入し、写真撮影から観察記録完成までの時間が大幅に短縮できることを確認。同社は今後、適用現場を拡大していく考え。
観察記録の自動出力システム「アウフタクト・フォー・トンネルフェイス」は、AIの深層学習を活用している。大量の切羽の写真を通じて学ばせ、切羽の状態などを自動的に認識させることに成功した。現場担当者がAIによる切羽観察記録を最終的に確認し、修正する。無線LAN環境があれば、1日以上かかっていた切羽観察作業を、当日中に現場で完了できる。
米マイクロソフト社の「Microsoft 365」で利用できる独自アプリを介して、現場担当者のスマートフォンから切羽写真をクラウド上にアップロードすると、AIが画像から切羽の状態を判定する。その後、アプリに切羽観察記録として送られてくる。
一般国道5号共和町新稲穂トンネルR側共和工区工事(国土交通省北海道開発局発注)に試行導入した。切羽写真の撮影から切羽観察記録完成までの時間が、大幅に短縮されたことを確認した。現状はNATMだけで適用している。
これまで切羽観察記録の作成には現場と事務所間の往復が必要だった。掘削直後の切羽直近で目視判定作業を行うため、安全確保に留意する必要があるなど、業務効率と安全面に課題があった。
システムでは切羽写真から岩種や風化度合いを判定し、デフォルメした画像に変換する(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/