中日本高速道路東京支社が、2019年10月に発生した台風19号で被災した西湘バイパス(下り線)西湘PA(神奈川県小田原市)のリニューアル工事を完了した。PA全体の地盤をかさ上げしたり、高波や津波の浸入を防ぐ「波返し」を備えた擁壁を整備したりして防災機能の強化を図った。4月28日に現地で完成式典を開き、多数の関係者が生まれ変わったPAの完成を祝った。同29日に供用を始めた。
西湘PAの所在地は国府津1の9の1、敷地面積は約1万1000平方メートル。相模トラフ沿いの海溝型地震による津波を想定し、PA全体の地盤を約2・2メートルかさ上げした。既存の擁壁(延長約200メートル)に高さ約2・4メートルの波返しを新設。約11・1メートルまで高くした擁壁で高波や津波の浸入を抑制するなどの工夫を施した。中日本高速道路会社が管理する施設で「かさ上げしたケースは珍しい」(同支社広報・CS課)という。
トイレ棟(面積350平方メートル)は、女性用トイレを従前よりも3カ所増設し20カ所を用意。多目的トイレも新設した。台風被害を教訓にトイレ棟と二輪車の駐車スペースを内陸側に移設するなど施設のレイアウトも見直した。工期は20年7月~23年5月末。擁壁を含む土木工事の設計・施工を鴻池組、施設の設計が第一設計、施工は名工建設が担った。
完成式典には松井保幸中日本高速東京支社長や守屋輝彦小田原市長ら関係者が出席。主催者を代表して同支社の中嶋秀和伊勢原保全・サービスセンター所長は「災害に強いPAを目指し、防災機能の強化を図った。資材不足などで完成が当初の目標よりも遅れたが、リニューアルを迎えることができた」とあいさつした。
台風19号の影響で西湘PA内では海岸線に近いトイレ棟が損壊し、コンクリート製の歩道デッキや越波防止柵も被害を受けた。中日本高速東京支社は20年1月から6月にかけて応急復旧を行った。22年2月以降は施設を閉鎖した状態で本格的な復旧作業に当たった。
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