関東地方整備局大宮国道事務所は本年度、「核都市広域幹線道路(埼玉新都心線~東北道付近)」の計画段階評価の手続きを進める。地元の意見を聞きつつ、起終点や大まかなルート帯を盛り込んだ概略計画を策定する。7月から建設予定地周辺で地元住民らの意見を聞くオープンハウスを開催。8月からはワークショップを実施して理解を得ていく方針だ。今後、アンケートなども行い、段階的にコミュニケーションを取りながら計画をまとめる。 「核都市広域幹線道路(埼玉新都心線~東北道付近)」は首都高速道路新都心線をさいたま見沼ICから延伸し、東北自動車道浦和料金所~岩槻IC付近に接続する。直線距離は約5キロ。千葉県から埼玉県を東西に結ぶ核都市広域幹線道路の一部として、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と東京外かく環状道路(外環道)の間を埋める、いわゆる「2・5環状」を形成する多車線の自動車専用道路となる。 核都市広域幹線道路は2018年の外環道千葉県区間開通で交通量が急増し、深刻な渋滞が課題となっている埼玉県東西軸の交通円滑化の切り札と考えられている。人口と物流施設立地が急増したことで外環道だけでなく周辺の幹線道路も交通量が急増しており、開通後の1年でエリアの平均旅行速度は8%も低下した。渋滞損失時間は1・2倍になり、外環道だけで見ると渋滞損失時間は3・4倍にも膨れ上がっている。 新都心線の終端部周辺は広大な田園地帯「見沼田圃(たんぼ)」が広がる。首都圏の貴重な自然が残る地域で、環境や景観への配慮が不可欠になる。有識者らを交えて1月に開いた地元検討会でも「見沼田圃の自然は斜面林、湿地の環境、見沼代用水の三つが一体であることが重要。単に道路を造るだけでなくルート帯や構造の検討などで地域のまちづくりに貢献するインフラづくりを心掛けてほしい」「道路を造ったら景観がどう変わるのかシミュレーションで市民に分かりやすく伝える努力をしてほしい」など環境や景観への配慮を求める声が相次いだ。 同事務所では丁寧なコミュニケーションにより地元理解を得て、円滑な事業着手を目指す考えだ。
想定される延伸区間(埼玉県東西軸道路検討会の資料を基に作成) source https://www.decn.co.jp/
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