2023年6月29日木曜日

国交省/建機の自動化・遠隔化で10月から現場検証、23年度内に安全ルール策定

国土交通省は建設機械の自動運転や遠隔操縦の現場検証に乗り出す。関係業界団体や行政・研究機関で構成する「建設機械施工の自動化・自律化協議会」の第3回会合を27日に開き、実施方針と安全上の対策項目を列挙したガイドラインを承認した。今後、現場検証に参加する民間企業や研究機関を追加公募し、茨城県つくば市の「建設DX実験フィールド」を中心に10月ころから現場検証を実施。実現場への適用に向けた標準的な安全ルールを年度内に策定する方針だ。
現場検証は自動運転や遠隔操縦を前提とした安全ルールや建機の機能要件を固めることが目的。参加企業らは「自動施工編」と「遠隔施工編」のどちらかのガイドラインに基づき現場検証に当たり、各現場で共通して実施すべき事項や事例を安全ルールに落とし込む。
これまでは自動・遠隔建機を導入する現場ごとに、労働基準監督署など関係者に説明する必要がある安全対策項目が必ずしも明確になっていなかった。それを標準化することで技術開発の効率化や早期の現場導入を促進する。
既に同協議会の下部組織として設置した実務者レベルのワーキンググループ(WG)のサブメンバーのうち10者(複数企業のグループを含む)が参加を表明。これ以外の参加者を追加公募で選定する。検証場所は建設DX実験フィールドに限定せず、自社現場など参加者が自ら用意する場所でも実施可能。例えば直轄工事現場でも発注者側の同意を得ていれば検証場所に利用できる。
同日の会合では委員から、安全面の確保だけでなく施工の効率性も意識しながら両方を高いレベルで実現する重要性が指摘された。年度末に策定する安全ルールをまずは第1版と位置付け、さらなる最適化に向け現場検証などで積み上げた内容を順次拡充し見直していく方針を示す。
冒頭あいさつした吉岡幹夫技監は「今ある技術を生かしていく考えもあるが、従来の形にとらわれず考えることも大事」と指摘し、同協議会の成果を踏まえ建設現場の将来像が描かれることに期待した。

source https://www.decn.co.jp/

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