2023年6月15日木曜日

前田建設/鉄骨建て方の3D管理システム開発、柱のずれを自動計算

前田建設は鉄骨建て方の精度管理システム「建方ナビ」を開発した。組み上げた鉄骨の精度を立体的に表示し、柱や建物全体のずれ・倒れを直観的に把握できる。作業員の不足や高齢化が進む中、熟練度に依存しない精度管理により、鉄骨建て方の品質確保と不具合の防止を図る。システムは特許を出願中。これまでに2件の工事で採用しており、今後は全国の作業所で活用する予定だ。
「建方ナビ」では、鉄骨の建て方や溶接を終えた時点の柱の計測結果をクラウドに上げると、「柱の倒れ」を自動計算して管理値との整合を自動判定する。画面上では立体架構として3Dで可視化し、許容差を超えた箇所を太線で示して警告する。2Dの図面やシステムでは表しにくかった柱のずれ・倒れが一目で分かるため、不具合の見落としを防げる。
計測結果を表す伏図や立体図はそのまま記録書類として出力可能。品質管理記録の写し間違いといった人為的なミスを防ぎ、書類作成の労力を低減できる。クラウドを利用し関係者間の情報共有も容易という。
従来の精度管理では、下層階の柱の位置にずれが生じた場合、作業者がずれの方向を覚えておいて、上層階の柱の位置を調整する必要があった。この方法は作業者がずれた方向の勘違いしたり、下層階から累積したずれを把握しづからかったりして、建物全体の品質不具合につながる危険性があった。

「建方ナビ」画面例(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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