建設コンサルタンツ協会(建コン協)四国支部(天羽誠二支部長)は27日、高松市のかがわ国際会議場で若手技術者と四国の未来を考えるシンポジウムを開いた=写真。2022年12月に建コン協西日本4支部連携の合同提言が発表され、作成に関わった同支部の若手メンバーが提言で描いた50年の四国のありたい姿を披露。道路・交通、観光・まちづくり、防災の観点から提言に込めた思いや実現への道筋を語った。 テーマは「可能性の宝庫四国のみらいを考える~若手技術者が思い描く四国のみらい~」。インフラ整備構想を策定し提案する同支部のキックオフシンポジウムと位置付けた。四国地方整備局や四国4県の職員、四国内外の建コン協会員などリモート参加を含む約510人が聴講した。冒頭、天羽支部長は「提言の中には現実味のある話や夢や希望、大胆な発想もある。かなえたい夢を堂々と掲げるのは次の時代を担う若者の特権でもある。夢を現実のものとする大いなるチャレンジと活躍に期待したい」とあいさつした。 続く基調講演で、荒瀬美和四国整備局長は新たな四国圏広域地方計画の策定状況などを説明。「社会インフラは空気のようなものというのが持論。ないと非常に困るが、あると当たり前になってしまう。なくてはならないものの整備や管理などに携わっているという気概を持ってほしい」とエールを送った。 この後、合同提言作成ワーキンググループ(WG)の大村史朗四国支部WG長(四国建設コンサルタント)が提言内容を紹介。各WGの西山毅道路交通グループリーダー(芙蓉コンサルタント)、石川ひとみ観光・まちづくりグループリーダー(四電技術コンサルタント)、長山学史防災グループリーダー(第一コンサルタンツ)と共にパネルディスカッションを行った。 コーディネーターを務めたWG学識委員の大津宏康京都大学名誉教授が提言の検討に当たりアドバイスした「エンジニアリングファースト、あったらいいなの考え」を出発点に議論が進行した。西山リーダーは整備中の四国8の字ネットワークや構想のある四国新幹線を挙げながら「今よりも人や物が運びやすくなる」と分析。四国が単なる経由地や産地となることに危機感を募らせ、南海経済軸の交通結節点に国内だけでなくアジアや世界と結び付く新拠点の整備を提案した。 石川リーダーは少子高齢化や人口減少による深刻な働き手不足から、ロボットにさまざまな行動を許可する「ロボット特区」を創設し地域活性化を図るアイデアを披露。長山リーダーは道の駅を事例に日常生活と防災を融合した防災拠点づくりの必要性を訴えた。 大村WG長はアマチュアの囲碁プレーヤーが最強レベルの囲碁AIに15戦14勝と大勝した事例を引き合いに「AIは過去の事例から勝ちやすい手を選択するだけ。前例のない未来に立ち向かうのにAIに頼ることはできない。あるべき姿、ありたい姿を思い浮かべ創意工夫しながら私たちが作っていく必要がある」と力を込めた。大津名誉教授は「前例にないものを否定しない環境があることで初めてイノベーションになる」と総括し、4支部のさらなる連携に期待を込めた。
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