建設機械の開発や販売を手掛けるエフティーエス(東京都中央区、木村浩之社長)とゼネコン4社が、山岳トンネル工事で吹き付けコンクリートの厚さをリアルタイムで計測管理する「吹付ナビゲーションシステム」を共同開発した。同社は今後、開発したシステムを搭載したエレクター付き吹付機「ヘラクレスナビゲーター」の普及を図る。 エフティーエスのほか清水建設、戸田建設、西松建設、前田建設の5社で共同開発した。 新システムは▽生コンクリートを吹き付けている吹き付け面までの距離を正確にリアルタイムで測定できるミリ波レーダー技術▽ミリ波レーダーの座標位置を正確に測量するモーションキャプチャ技術▽生コンクリートを噴出吹き付けするノズルを稼働制御する技術▽山岳トンネル施工坑内での機械測位システム技術-の四つの技術で構成する。 トンネルの基線の座標系に合わせて、吹き付けコンクリートの出来形をタブレット端末などでリアルタイムに可視化。施工操作と出来形のリアルタイム・デジタル管理が可能となった。ミリ波レーダーを使って吹き付け面までの距離を測定。通常のレーダー波と違って吹き付け中の生コンクリートの霧や塵(ちり)を透過するため、測定波が錯乱しにくく作業中の厚さの変化を高精度に把握できる。モーションキャプチャカメラは、吹き付け中のノズル位置計測に応用する。 ミリ波レーダー技術の導入検証と確立は前田建設、吹き付けロボットの高剛性・電子制御化開発はエフティーエス、吹き付けノズルの座標位置技術の確立は戸田建設と西松建設、トンネル機械測位システムと座標系統合技術の開発は前田建設が担当した。清水建設はプロトタイプ統合による全体検証を担当し、実証フィールドを提供した。 エフティーエスら共同開発チームは、2018年から山岳トンネル工事のコンクリート吹き付け作業を遠隔で自動化するための技術開発を進めてきた。従来の吹き付け作業効率を損なわず、定量的にリアルタイムに遠隔で吹き付け出来形状況が確認できる技術を目指し、ヘラクレスナビゲーターを開発した。
吹き付け厚さを、タブレット端末からリアルタイムで確認できる(報道発表資料から) source https://www.decn.co.jp/
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