国産の産業用ドローンサービスを提供しているFullDepth(フルデプス、東京都中央区、吉賀智司社長)は、自動航行する水中ドローンの取得データから3D情報を含む高精度の海底マップを作成する技術を実用化した。ドローンの自己位置推定と自動制御、画像合成処理の技術・ノウハウを駆使。人力ベースでは困難だった情報の取得を可能にした。橋脚をはじめインフラの点検や予防保全を効率化する技術として積極的に提案する。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を得て開発・実証を行ってきた。潜水士の情報収集や、重りを落として水深を計測する調査などでは難しかった海底の面的な調査を迅速に行えるのが特徴。主力の産業用水中ドローン「ダイブユニット300」を海底から1・5メートルで自動航行させ、10分30秒の撮影で取得した画像情報を合成処理し、295平方メートルの隙間のない海底マップを作成した。 ドローンは基準地に基づき、位置を推定しながら航行する。動画から1秒間隔で635枚の画像を切り出せる。画像から位置、距離などを出すオルソ画像の利用や、コンピューターグラフィック処理を施す。マルチビームソナーも組み合わせ、現場の実際の画像とともにさまざまな情報を提供する。 鉄道や道路の橋脚、ダムなど幅広い分野のインフラ点検に生かしたい考え。JR東日本と点検サービスの外販を視野に入れた協議を行っている。吉賀社長は「マッピングと自動航行で水中のDXを進めたい」として、人の代わりになる性能と技術をアピールする。
水中を航行するダイブユニット300(22日午後、川崎市内で) source https://www.decn.co.jp/
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