2023年6月20日火曜日

JR東日本東京建設PMO/完成検査に点群データを本格活用/計測業務を省力化

JR東日本東京建設プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)が、鉄道施設の新設や改良時に行う完成検査の省力化に向けた取り組みを加速している。地上型レーザースキャナーを駆使して駅のホームや柱の位置などを点群データとして取得。事務所にいながら、設計通りに完成しているかをチェックできる環境を整えた。東京建設PMOは完成検査などに点群データを本格活用し、確認作業の効率化を目指す。
鉄道施設の新設や改良を行うには、鉄道事業法に基づき国土交通相の認可を受けなければならない。その後は完成した段階で完成検査を受ける。東京建設PMOの場合は関東運輸局による完成検査を受け、報告書を提出している。
完成検査は主に施行範囲が1キロ以上の軌道移設などが対象となる。完成した施設が設計通りに仕上がっているかを確認するには、作業員が現場に出向いて構造物の配置などを計測する作業を実施する。計測結果は検査帳票にまとめる。各種データを基に数回の社内検査を経て、完成検査に臨んでいる。一連の作業は何度も現場へ出向く必要があり、計測作業の効率化が求められていた。
東京建設PMOが展開しているのは、まず地上型レーザースキャナーで構造物の点群データを取得する。点群データを基に検査帳票を作成するため、手書き入力の手間が不要だ。計測時に現場へ出向く回数が一度で済むなど移動に必要な時間と作業人員を大幅に削減できる。
新潟駅の連続立体交差(連立)事業を皮切りに、2022年度には武蔵小杉駅や幕張豊砂駅などで試行導入した。点群データの活用は関東運輸局から許可を得ている。東京建設PMOは同局管内で、完成検査が必要な施設に本格導入する考え。完成検査が不要な小規模な鉄道施設でも積極的に活用する。将来的には維持管理業務に点群データを有効利用する方針だ。

完成検査で使用した武蔵小杉駅の点群データ(JR東日本東京建設PMO提供)

source https://www.decn.co.jp/

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