2023年6月12日月曜日

都道府県・政令市ほぼ遠隔臨場導入、BIM・CIMは実施体制整わず/国交省調べ

地方自治体発注工事で遠隔臨場やICT活用工事、BIM/CIM活用工事といった生産性向上の取り組みが広がっている。国土交通省が都道府県と政令市を合わせた計67団体に実施状況を聞いたところ、遠隔臨場はほぼすべての66団体が導入。ICT活用工事は全団体が導入していた。BIM/CIM活用工事は実施団体が1割強にとどまり、6割が検討中。受発注者双方の人材・機材が不足するなど実施体制が整っておらず、費用対効果の懸念も強いことが課題に挙がる。
遠隔臨場は国交省直轄土木工事で2022年度から原則適用し、実施費用は技術管理費に積み上げ計上することで発注者が全額負担している。既に導入している都道府県・政令市のうち、発注者が費用を全額負担しているのは30団体。発注者の一部負担は11団体で、発注者指定型と受注者希望型に分けて後者のケースで受注者負担としているのが10団体あった。発注者が負担しておらず、受注者の全額負担は25団体だった。
国交省直轄と異なる内容で遠隔臨場を活用するケースもある。工事の検査での活用は2団体で、現場状況の確認や事故の報告など効果的な項目を判断し活用しているのが2団体。直轄工事で適用している「段階確認」「材料確認」「立ち会い」のうち一部に限った実施や、一部工事での試行にとどまるのも2団体だった。導入に当たっては各団体で関連機器の調達方法・選定基準の検討、直轄工事の要領などを準用する妥当性の検討などに苦慮している。
ICT活用工事は都道府県・政令市レベルで取り組みが浸透しており、実施費用の全額負担が64団体、一部負担が2団体に達する。導入事例が多い工種は土工(39団体)、舗装工(36団体)、のり面工(29団体)、浚渫工(23団体)など。現状の課題として技術者不足やコスト増、中小企業への普及、企業間格差の拡大などが挙がる。自治体独自の先駆的事例として大分県は県内企業がICT建機を導入する際の費用を助成。静岡県は納品された3D点群データを無料で公開し2次利用も認めている。

BIM/CIM活用工事は「実施」が9団体で「検討中」が40団体。導入での課題は「体制不足」(発注者側14団体・受注者側9団体)、「高スペック機材の不足」(11団体)、「予算の確保や費用対効果への懸念」(6団体)などの回答が多かった。

source https://www.decn.co.jp/

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