りんかい日産建設が建造を進めてきたバージアンローダ船「八洲丸」が完成し、14日に大阪港南港地区(大阪市住之江区)で関係者を集めた見学会が開かれた。国際海事機関(IMO)が定める窒素酸化物(NOX)の2次規制対応エンジンを搭載するなど、環環に優しい工事用船舶として期待される。見学会には近畿地方整備局や大阪港湾局、神戸市ら発注者のほか、施工者などが多数参加した。 同社が豊富に実績を持つバージアンローダ船で新船を建造するのは27年ぶり。新来島サノヤス造船水島製造所(岡山県倉敷市)で、2022年8月25日~23年5月30日に建造された。建造費は約20億円。 船体の規模は全長54メートル、幅16メートル、深さ3・8メートル。揚土ポンプ駆動機(1839キロワット)と主機(1620キロワット)、補助機(355キロワット)の計3基のNOX2次規制対応型原動機を搭載する。監視カメラを通じて操船ウインチと土運船接舷ウインチの遠隔操作が可能。 揚土能力は1時間当たり750立方メートル。排砂管径は630ミリで、排水量は2151トン(計画吃水2・5メートル)。 バイオ燃料や陸上電力供給設備に対応する。将来的に発電設備を船体に導入することで災害発生時の発電船としての役割を担うという。 長期の工事に対応できるよう、Wi-Fiを完備した居住室やシャワー付き女性専用居室、船員の働きやすさを追求した事務室も配備した。 同社の薄井通安土木本部土木部長は「環境対策や省人化など時代のニーズに沿った船舶として、これから全国的に運用を展開していきたい」と話した。見学会に参加した近畿整備局大阪港湾・空港整備事務所の佃千加所長は「最新鋭のバージアンローダ船が誕生したことで、将来を担う若者たちが港湾工事に興味を抱くきっかけになってほしい」と語った。 八洲丸は近く、試運転を兼ねて姫路港網干地区で稼働開始する予定。
完成した八洲丸 近畿整備局大阪港湾・空港整備事務所の一行が内部を見学 source https://www.decn.co.jp/
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