回転窓／抜けないトンネルはない！

　建設関連団体が先日開いた総会後の懇親会で、「青崩峠トンネル（仮称）」が話題に上っていた。長野・静岡県を結ぶ三遠南信自動車道の一部区間として建設が進むトンネルで、延長４９９８メートルを両方向から掘削し、約４年の期間を経て先月２６日に貫通した▼中央構造線の影響を受けたぜい弱な地盤で崩れやすく、加えて土被り６００メートル超の厳しい条件下での施工となった。事業化から４０年がたち、難所の貫通を多くのメディアが報じた▼開通すれば両県を走る中央道と新東名を南北でつなぐ最短ルートになる。南アルプスの山奥にある国道１５２号の通行不能区間の解消や広域的な交流促進など、地域住民の利便性はもちろん、経済的な波及効果への期待も大きい▼懇親会ではリニア新幹線の南アルプストンネルも話題に。技術的難度の高さだけでなく、水資源問題で掘削工事が滞る静岡工区が大きな難所となっている。先行きは依然不透明だが、早期解決を願いたい▼世紀の建設プロジェクトでは関係者が英知を結集し、多くの困難を乗り越えてきた。先人たちが実証してきたように「抜けないトンネルはない」と信じている。


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