幕末に撮られた日本各地の写真は、当時の風景や街並み、人々の服装などいろいろなことを今に伝えてくれる。写真そのものが珍しい明治も含めた時代に、多くの外国人写真家が日本を写した▼横浜開港資料館(横浜市中区)発行の館報「開港のひろば」(第154号)は、そうした一人を特集する。タイトルは同館で開催中の特別展と同じ「幻の写真家 チャールズ・ウィード」。一般にほとんど知られてこなかった米国出身の写真家だという▼作品には長崎の市街地や横浜山手から見た居留地、愛宕山から展望した江戸市街などがある。旧浜御殿(現浜離宮恩賜庭園)で勝海舟や米国公使らが一緒の人物集合写真なども撮影した▼1867~68年に日本で活動したウィードの写真にはどのような魅力があるのか。〈ウィードの写した写真はその風景の美しさに加えて、背景に潜む歴史的なストーリーを知ることによってその価値を増す〉と同館調査研究員の吉崎雅規氏は特集に書いている▼ウィードの特別展は12日まで。歴史資料としての価値や芸術性が高い写真の数々を見ると、150年以上前の日本にタイムスリップできる。
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