2023年3月8日水曜日

鹿島/トンネル覆工で中流動コンクリも全自動打設、実工事に初導入

鹿島は7日、トンネル工事用機械の設計や製造などを手掛ける岐阜工業(岐阜県瑞穂市、宗像国義代表取締役)らと共同開発した「全自動トンネル覆工コンクリート打設システム」を、実工事に初導入したと発表した。2020年に開発した締め固めが不要な覆工用高流動コンクリートによる完全自動打設システムを、軽微な締め固めが必要な中流動の覆工コンクリートにも対応できるよう改良。中流動覆工コンクリートを全自動で高速打設でき、生産性と品質の向上を実現した。

新システムは鹿島、岐阜工業、シンテック(高知市、田所知美社長)の3社で開発した。従来システムにコンクリートポンプ2台を連携させた打設制御装置と、型枠バイブレーターの完全自動制御装置を新たな機能として追加した。
中流動の覆工コンクリートを大量・高速打設(1日当たり200立方メートル)するため、コンクリートポンプを左右に1台ずつ配備。型枠表面に設置した複数のセンサーでコンクリートの打ち上がり高さを検知し、各ポンプの吐出量を自動で切り替え制御する。常に左右同じ高さを保ちながら打設できる。
事前に設置した全ての型枠バイブレーターを自動制御し、人による操作を不要にした。稼働のタイミングや持続時間をパターン化し事前に設定。打設制御装置と連動してコンクリートの打ち上がり高さに応じ、自動で締め固めを行う。
初導入した現場は、西日本高速道路関西支社発注の「新名神高速道路大津大石トンネル工事」(大津市)。人力による配管切り替えが必要な従来工法と比べ、平均打設速度が約15%向上し、工数が約50%減った。
鹿島は今後、同システムを他の工事に広く展開し、さらなる合理化施工を検証する。将来的には型枠の設置からコンクリート打設、養生までの作業工程を自動的に行う統合システムを構築したい考えだ。

大津大石トンネル工事に導入した「全自動トンネル覆工コンクリート打設システム」全景(報道発表資料から)
脱型後の覆工コンクリートの仕上がり状況(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/

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