大成建設は、国土交通省大阪航空局発注の「福岡空港事務所新庁舎・管制塔新築工事」(福岡市博多区)で、施工段階の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする国内初の取り組み「ゼロカーボン・コンストラクション」を始動した。CO2排出量を自社開発の計測・集計システムで把握しながら、現場や仮設事務所で効率的な省エネ、創エネ施策を展開。非化石証書とクレジットを活用したオフセットも組み合わせる。 仮設事務所として同社初の「Nearly ZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)」認証を取得した。断熱材や高効率エアコン、LED照明などで電力消費量を50%以上削減。太陽光発電で25%以上の創エネを実現する。循環型社会形成にも配慮し、仮設事務所の屋根に設置した太陽光パネルはリユース製品を使用。固定価格買い取り(FIT)制度の終了に伴い、大量の廃棄が見込まれる太陽光パネルの有効活用モデルとして検証を行う。 現場では燃費基準を達成した建設機械・車両の積極的な導入に加え、工事用仮設照明の一部LED化や運転者へのエコ・ドライブ教育、アイドリングストップ運動などを展開する。 作業所全体で使う電力は、同社保有の再生可能エネルギー電源に由来する「トラッキング付非化石証書」などで実質再エネ化を実現。場内で使う燃料も福岡市が市営林の間伐で創出したCO2吸収量のクレジット(福岡市営林オフセット・クレジット)を含むカーボンクレジットを適用し、CO2排出を実質ゼロにする。 CO2排出量の計測・集計システム「T-CARBON Watch」は電力使用量や燃料取引データを自動で取り込み、排出量を算出し集計する。施工段階だけでなく、材料調達段階のCO2削減にも注力。新庁舎本体の基礎躯体に自社開発の環境配慮コンクリートを約3800立方メートル使用する計画だ。
同社初の「Nearly ZEB」認証を取得した仮設事務所(大成建設提供) source https://www.decn.co.jp/
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