2018年5月1日火曜日

【キャリア形成や職場環境の在り方で意見交換】土佐工業(千葉県船橋市)、女性の就労環境テーマに座談会開く

 上下水道工事などを手掛ける土佐工業(千葉県船橋市、柴田久恵社長)が4月27日、建設業界で働く女性職人や現場監督を招き、「女性が働きやすい環境づくり」をテーマに座談会を開いた。

 結婚や出産といったライフイベントと仕事の関係がどうなるのか将来に不安を抱える出席者が多く、柔軟な働き方やキャリア形成を可能にする制度や環境の整備が必要なことが、改めて浮き彫りになった。

 座談会は、同社が創刊したフリーペーパー『けんせつ姫』の企画として開いた。冒頭、柴田社長は「担い手不足が深刻化する中で何ができるかを考え、この雑誌を創刊した。建設業にはこんな女性もいるんだと思って入職する人が増えてほしい」とあいさつ。座談会では、建設業で女性が活躍する場面という話題で、イセ化工(千葉県船橋市)の大日向弥生さんが「一般の顧客と接する際に、女性が説明する方が理解してもらいやすい傾向がある。仕上げ作業の説明をお化粧で例えるなど説明もしやすい」と述べた。

 ◇ライフイベントに応じ柔軟な働き方を◇

 男性が多い中、職場でどのように接しているかという話題で、丸喜齋藤組(東京都江戸川区)の隅谷萌さんは「現場で気に掛けてくれることが多く、働きやすい」と語った。一方、会社に女性が多いという原田左官工業所(東京都文京区)の梅田ひかりさんは「女性だけのチームで現場に行くと目立つ。そのために少しでも手間取ると『これだから女性は』とすぐに評価に直結してしまうことがあったと聞いた」と指摘した。

 建設業で女性を取り巻く環境について、広島建設(千葉県柏市)の阿部奈都美さんは「子どもができても今の仕事を続けたいと思うものの、会社で前例がなくどうなるか分からない」と不安な気持ちを吐露。梅田さんは「私の会社では結婚した際に、安全面で気に掛かることの多い仕事を外してもらうようにしてもらった。仕事について言いやすい環境をつくることが大切だ」と話した。

 柴田社長は「女性は出産をすると、体力がどうしても落ちてくる傾向がある。出産をしても続けられるような職場づくりが大事だ」と語った。同誌は現在、フリーペーパーの第2号を準備中。今回の座談会の掲載も予定している。

 座談会出席者は次の通り。

 ▽広島建設(千葉県柏市)亀田詩織さん、阿部奈都美さん▽星工務店(東京都目黒区)城戸帆乃香さん▽村井業務店(東京都港区)高宮希羽子さん▽丸喜齋藤組(東京都江戸川区)隅谷萌さん▽原田左官工業所(東京都文京区)梅田ひかりさん▽餅丸工務店(東京都町田市)渡邊美穂さん▽KSR(東京都立川市)中村友紀子さん▽イセ化工(千葉県船橋市)大日向弥生さん▽クリエすずき建設(千葉県柏市)佐々木真梨恵さん。


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