2018年5月1日火曜日

【回転窓】健康と建築空間づくり

先日も小欄で取り上げた「健康寿命」。健康で制限なく暮らせるこの期間を延ばしていくのに、身近な建築空間が果たす役割も抜きには考えられない▼1日24時間のうち、屋内に滞在している時間は約9割に上るとの調査報告もある。平均寿命が延びれば生涯に屋内で過ごす時間も増える。誰もが健やかで心豊かに生きていける空間づくりは重要なテーマと言えよう▼竹中工務店と千葉大学が共同で「健築」というコンセプトを構想し、交流、身体活動、感性の三つの空間特性に関わる研究と技術開発を進めている。健康的な環境の創造に建築空間が果たす効果を検証し、建築やまちづくりの面から健康長寿社会の実現を支援しようとの試みだ▼階段の上り下りが健康に良いと分かっていても、エレベーターのボタンについ指がいってしまう方も少なくないのでは。今後、例えば建築空間からのアプローチにより健康増進に効果的な「歩きたくなる階段」が作られるかもしれない▼そんな空間づくりに期待を大きく膨らませつつ、この大型連休に何か健康に良いことをしたい。まずは階段を嫌がらずに使うことから始めてみようか。

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