2022年8月3日水曜日

フジタら/山岳トンネルずりのかき込み・積み込み機、AI認識で自動作業

 フジタは2日、トンネル機械製作の三井三池製作所(東京都渋谷区、中村元彦社長)と共同で、山岳トンネルのずり出し作業を省力化するAI機能搭載の積み込み機を開発したと発表した。掘削時で発生するずりのかき込みから積み込みまで一連の作業を、オペレーターなしでAI搭載機が行う。実現場に導入したところ、切羽での作業を20%削減できることを確認した。フジタによると、自動で掘削ずりのかき込み・積み込みができる機械は国内初という。
 開発した「AIロックローダ」は、発破後に切り羽から出たずりをかき寄せる「掘削ブーム」、機械後方に直接ずりを排出しダンプなどに積み込む「排土ベルコン」、機械運転席前方に配置した「センシング機器」などで構成する。断面積60平方メートル、延長1キロ以上のトンネルへの導入を想定している。
 センシング機器に搭載したセンサーなどでずりの位置を検出し、掘削ブームを使い自動で排土ベルコンにかき寄せる。ずりはベルコンをわたって後方にあるダンプに積み込まれる。AIはずりと作業員、建機などを判別。ずり以外に接触しそうになると自動停止する。
 一連の動きをすべて自動で行えるため、ずりのかき込み・積み込みの作業が省力化できる。ずりを迅速に処理することで切羽作業エリアを早期に開放でき、次の工程に移行。トンネル掘削全体のサイクルが効率化する。
 通常、切羽では発破、ずり出し・積み込み、支保工のサイクルを5人1組で繰り返す。実現場にAIロックローダを導入したところ、4人での作業が可能なことを確認。20%の省人化を実現した。
 開発に携わったフジタ土木本部土木エンジニアリングセンター機械部上級主席コンサルタントの浅沼廉樹氏は「切羽でのずりの処理には作業員が拘束されたり、待ち時間が発生したりして非効率な部分があった。今後はAIロックローダを長大トンネルに導入していきたい」と話している。



source https://www.decn.co.jp/?p=144993

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