2022年8月4日木曜日

大成建設/河川工事出水警報システム機能拡充、AI活用し24時間先の水位予測

 大成建設は、河川工事中の急激な水位上昇を知らせる出水警報システム「T-iAlert River」に新機能を追加した。AIを活用し、雨雲画像や過去の天気実況・予報に基づき24時間先までの河川水位を予測する。従来に比べ早期に施工現場や周辺流域の出水対応が可能。人員や建設機械・資材などを計画的に退避できるようになる。
 「T-iAlert River」は2008年に開発した。国土交通省が提供する雨量・水位観測所のデータから河川流量を解析する方法や、観測所間の水位の相関式から下流(現場)の水位を計算する方法を使って約12時間後の水位予測が可能。10件以上の河川工事で避難計画立案などの安全管理に活用している。
 機能を拡張したシステムは全国の雨雲画像を利用して過去の天気実況を基に、予測地点の雨雲画像(現在を起点に前後24時間分)を抽出。雨雲画像とその時間帯に工事地点で計測した河川水位(現在を起点に1~24時間後)を併せてデータベース化し、約7万ケースをAIで深層学習させる。
 予測地点の天気実況と天気予報に基づき、現在を起点とする前後24時間分の雨雲変化と類似した雨雲画像を深層学習の結果から抽出。学習した河川水位データを基に1~24時間先の予測結果を表示する。雨雲画像から水位が予測できるため、工事現場の近傍に観測所がなくても行える。
 河川水位の上昇、下降の傾向が早期に把握できる。出水後の復旧タイミングを見越して早い段階から工事再開の準備や作業に着手できるため、出水に伴う工程遅延を最低限に防げる。今後は従来システムも併用しながら予測精度を高め、土木・建築を問わず積極的に提案していく。



source https://www.decn.co.jp/?p=145033

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