国土交通省は2日、2040年までに展開する道路施策のロードマップ(行程表)をまとめた。DXの柱として道路空間の現況を電子空間にリアルタイムで再現する「xROAD(クロスロード)」の実装を推進。電子情報を道路施設の老朽化対策や維持管理の効率化などに役立てる。脱炭素関連では太陽電池を組み込んだ舗装の技術課題を24年度までに確認し、実用化の可能性を探っていく。=2面に主要施策一覧
社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会基本政策部会(部会長・石田東生筑波大学名誉教授・特命教授)の会合を同日に東京都内で開き、国交省が示した行程表の案を大筋で了承した。
xROADは国土地理院の地図などを基本に、道路空間の現況を電子空間で再現できるデータベース(DB)。先月、道路施設の14年度以降の法令定期点検で得られたメンテナンス情報をオープンデータ化した。23年度にはこのデータを活用し維持管理作業を効率化する「発注者支援アプリ」の開発に着手。構造物の劣化箇所の写真を撮ってAIに入力すれば、DB内から類似の対策事例を探し出し表示するようなアプリを想定している。
今後は道路の3D点群データもDBに取り入れアプリの機能向上を目指す。25年度までに国管理道路の全てで取得しオープンデータ化する計画。国交省は地下にある占用物件の情報や、地方道の維持管理情報も本年度以降収集し、随時DBに追加する方針だ。
脱炭素化への対応も道路分野の喫緊課題と位置付ける。海外で実用化されている太陽電池を組み込んだ道路舗装システムの本格導入に向け課題を洗い出す。技術や工法を検証する「導入促進機関」として国土技術研究センター(JICE、徳山日出男理事長)を選定しており、24年度までに検証結果をまとめる。
走行中の電気自動車(EV)に道路側からワイヤレスで給電する技術の実用化も検討。既に民間企業と連携し実現可能性調査を展開している。20年代半ばの実証実験開始を見据え、取り組みを加速する。
source https://www.decn.co.jp/?p=144989
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