2022年8月5日金曜日

建設技術研究所/下水管内の異常早期検知技術開発、腐食箇所や要因を検知

 建設技術研究所は4日、下水管内のさまざまな異常を早期に検知する技術を開発したと発表した。下水管内の水位や微生物を調べて、浸水や下水道管の腐食といった異常を検知する。従来技術よりも早期に異常を検知できるようになり、維持管理の効率性向上やコスト縮減といったメリットが期待できる。
 水位のリアルタイム監視と、微生物調査により異常を検知する。水位の監視ではマンホールふたを取り換えることなく伝送アンテナを設置するだけで監視が可能。下水管内の水位を観測し、リアルタイムで水位状況を確認・共有する。不明水や浸水といった下水管内の水位上昇に関する異常を早期に検知できる。
 微生物調査では下水を採水・分析することで腐食要因や箇所を早期検知。DNAの配列を読み取る次世代シーケンサー(NGS)を使い、多種多様な菌レベルの分析を可能とした。腐食を促進する原因菌を特定したり、場所による量分析を行ったりすることで腐食しやすい箇所を検知する。
 建設技術研究所によると、開発した技術を下水道管路施設の包括的民間委託事業に適用することで、さらに効果的な維持管理が可能になるという。地方自治体や民間の下水道維持管理業者にも活用できる。
 下水道分野の重要課題として、浸水被害の危険発生に関する情報発信や、施設の効率的な老朽化対策などがある。しかし浸水箇所の早期発見と要因調査、老朽化リスクの高い施設の特定には、職員の労力や高額な委託費用が必要だった。



source https://www.decn.co.jp/?p=145089

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