2022年8月25日木曜日

国交省直轄工事/単品スライド急増見通し、21年度は近年最多23件適用

 国土交通省直轄工事で「単品スライド」条項の適用が増えている。港湾空港関係を除く地方整備局締結契約で2021年度は23件の工事に適用。▽全体▽単品▽インフレ-の3種類のスライド条項による現行の枠組みができた14年度以降、最多となった。単品スライドは物価変動分を工期末に精算変更する仕組み。22年度は適用工事が大幅に増加すると予測できる。これを見越し国交省は急激な資材高騰に対応できるよう運用ルールを6月に見直している。
 3種類で最も新しいインフレスライドの全国適用が14年に始まった。以降、単品スライドは年平均5件程度に適用していた=表参照。1年ほど前から顕在化してきた資材高騰の影響で、21年度末までに工期末を迎える工事で単品スライドの適用請求が増えたとみられる。
 全体スライドとインフレスライドは基本として請求日以降の残工事の資材・労務単価を見直す仕組み。一方、単品スライドは出来高払い部分を除いた工期内すべてを対象に、物価変動を考慮し工期末に請負代金額の変更契約を行う。物価変動の影響を既に受けた工事であっても工期末を迎えた時点で適用となる。ただしインフレスライドなどとの併用も可能だ。
 物価高騰に拍車をかける要因となったロシアのウクライナ侵攻が始まったのは年度末間近の2月下旬。単品スライドを適用できた工事は21年度の段階では限定的だったと予測でき、22年度には急増するとの見方ができそうだ。
 こうした事態を見越した対応として国交省は単品スライドの運用ルールを改定。実際の購入価格を用いてスライド額を算定できる新たな規定を加えた。スライド額の算定で物価資料を参照する場合もあるが、急激な物価変動で物価資料に上昇額が反映されるのにタイムラグが生じるケースがあるためだ。
 新たな運用ルールを踏まえたマニュアルも先月公表。発注者が購入金額の妥当性を確認する際の考え方を明示した。



source https://www.decn.co.jp/?p=145443

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