3日からの記録的な大雨でのり面崩落が発生し、通行止めになっている国道121号大峠道路の応急復旧で、道路を管理する山形、福島両県が権限代行制度の適用を国に緊急要望した。豪雨で川が増水し、勢いを増した水流で崖の上にある道路の下部のり面が崩落し通行できなくなった。現場が山間部の谷あいで県境という地理的な条件に加え、施工計画の立案や施工に高度な技術力が必要なため、国の支援を決断した。
山形県の吉村美栄子知事と内堀雅雄福島県知事が24日、斎藤鉄夫国土交通相とウェブで会談し権限代行での応急復旧を要望した。両知事は大峠道路が物流や観光に加え、通勤・通学にも利用され「欠くことのできない重要な道路になっている」と指摘。崩落したのり面に破砕帯が存在し復旧には高度な技術が必要で、「早期の通行確保が容易でない状況にある」ことから国交省の支援を強く求めた。
大峠道路は福島県喜多方市と山形県米沢市を結ぶ全長25・2キロの路線(幅員6・5メートル、2車線)。3日からの大雨で最上川支流の鬼面川が増水し、米沢市入田沢の八谷トンネル北側で道路下部ののり面(高さ約25メートル)が崩れ落ちた。崩落箇所は川の流れがカーブしている場所で水流の影響を受けやすい。谷から25メートル余りの崖上に道路があり、川と反対側は樹木が生い茂る斜面になっている。
被害箇所は6月下旬の大雨でものり面崩落が発生。8月の豪雨で被害範囲が拡大した。被害は甚大で、復旧にはかなりの時間が必要と見ている。大峠道路は米沢市入田沢(道の駅田沢)~福島県境間の延長9・5キロが4日午後3時から全面通行止めになっている。山形県置賜総合支庁によると、被害箇所の状況を把握するため、県がボーリング調査を実施しているという。
政府は、今月上旬から東北や北陸などで相次いだ豪雨の被害を「激甚災害」に指定し、復旧にかかる自治体の費用を支援する方針を固めている。
source https://www.decn.co.jp/?p=145458
0 comments :
コメントを投稿