日刊建設工業新聞社が建設関連95社に実施したアンケートで、48%が2022年度の初任給(大学卒、総合職)を引き上げたことが分かった。引き上げた企業のうち、3割弱は1万円以上の引き上げ幅だった。23年度の初任給は現時点で1割強が引き上げる予定。2年連続で引き上げる予定の企業は7社だった。人材獲得競争が激化する中、初任給を上げて優秀な若手の確保につなげる狙いだ。基本給を底上げするベースアップ(ベア)の実施に合わせ、初任給も引き上げたケースもある。=3面に回答企業一覧
ゼネコン34社、道路舗装会社8社、設備工事会社25社、建築設計事務所13社、建設コンサルタント15社の計95社から回答を得た。期間は6月13日~8月2日。
22年度の初任給を「引き上げた」と回答したのは46社(48%)。「引き上げていない」は47社(50%)、非公表が2社(2%)だった。引き上げ幅では、2万円が1社、1万円が12社で、5000円以上1万円未満が20社、5000円未満が13社だった。引き上げた理由は「採用の競争力強化とモチベーションアップを図る」(設備工事)や「魅力ある会社にしていく目的から一過性の賞与ではなく固定給での賃上げを実施」(ゼネコン)などが挙がった。ベアと連動して初任給を引き上げた企業も4社あった。政府が進める賃上げ政策が、新卒者の待遇向上にもつながっているようだ。
23年度の対応は「未定」が68社(71%)を占め、「引き上げる予定」が12社(13%)、「引き上げない予定」が14社(15%)などとなっている。引き上げ幅は3000円から1万4500円まで幅があった。
引き上げを見送った会社からは「同業他社と比較し遜色ない金額」(ゼネコン)、「既に20年と21年に引き上げを実施」(建築設計)といった声が上がった。先手を打って、近年に初任給を引き上げ済みのケースや、手当を手厚くすることで処遇の底上げを図っているケースも少なくない。
ある建設コンサルタントは「同業大手や大手ゼネコンと比較して低いことから引き上げる予定」と回答。建設業界内で見劣りするような事態は避けたいとの思惑が透けて見える。「23年は引き上げない予定」とする建設コンサルタントも、「賃金動向を見極め、状況に応じ検討の可能性あり」と回答。就職戦線の状況次第で柔軟に対応する姿勢を見せる。
source https://www.decn.co.jp/?p=145216
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