2022年8月31日水曜日

横浜市/山下ふ頭再開発で事業者提案・市民意見概要公表、観光・文化・防災など多様

 横浜市は29日、中区の山下ふ頭再開発の新たな事業計画策定に向けて募った市民の意見と民間事業者の提案概要を公表した。カジノを含むIR(統合型リゾート)施設誘致撤回後の市民らの声が明らかになった。市民からはスポーツ・エンターテインメント機能や親水機能、文化・芸術機能などを求める声が多かった。民間事業者からは鹿島、竹中工務店など10件の提案があり、大規模集客施設や国際展示場、企業・大学などと連携したイノベーション施設などの開発案が示された。結果の詳細は9月中旬ごろに公表する。
 山中竹春市長が誘致を撤回。IR施設の建設予定地だった山下ふ頭の開発事業を再検討するため、昨年12月~今年6月にかけて市民の意見と民間企業の事業提案を募集した。市は再開発案を再検討するための庁内プロジェクトを1月に立ち上げた。今後は地元団体の代表や有識者で構成する委員会を設置し、検討を進める。市民意見や提案を踏まえ2023年度以降に新たな事業計画を策定する。事業者公募・決定などを経て、26年度ごろの事業化、30年ごろの供用開始を目指す考えだ。
 市民アンケートには3721件の回答があり、このうち1942件の自由意見があった。市民からはエンターテインメント、水辺・親水機能、文化・芸術、スタジアム、ホテルなどの複合的導入を求める声が多かった。再開発に当たっては持続可能なまちづくりや多様性社会、実験都市、市民への還元、防災、環境配慮、企業誘致、産学連携、税収確保などの視点を取り入れる意見があった。
 提案事業者は▽鹿島▽竹中工務店▽TERRAデザイングループ(構成員・空間設計パートナーズ、万葉倶楽部)▽横浜魚類グループ(同・金港青果、横浜魚市場卸協同組合、横浜市場冷蔵、横浜市中央卸売市場関連事業者協同組合、横浜中央市場青果卸協同組合、横浜丸魚、横浜丸中青果)▽横浜港ハーバーリゾート協会▽リストグループ(同・ホテルニューグランド)。ほか事業者名非公表4者。
 主な提案内容は企業・大学などのイノベーション施設を中心に、グローバル企業の研究機関、キャンパス型オフィス、研究者用中長期滞在型施設、ホール・シアターなどの複合集客施設整備。国際展示場やコンサート・イベント会場、マルチアリーナ、ホテル、商業施設など大規模集客施設を中心とした提案。緑や水素発電・浄化システム、運動・健康施設、海上一体型シアターなど緑や環境を中心とした提案など。
 市は秋ごろから民間事業者提案の修正や事業提案の追加募集、新たな市民意見募集・意見交換会などを行う予定だ。山下ふ頭は面積約47ヘクタール。内訳は民間所有地約0・5ヘクタール、国有地約1・5ヘクタール。それ以外の大部分は市有地になる。



source https://www.decn.co.jp/?p=145656

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