首都高速道路会社が、最新技術を活用して老朽化が進む道路橋梁の点検・診断業務を効率化する取り組みを加速する。カメラを搭載したドローンや自走式の点検ロボットを含む複数の点検ツールを使い、橋桁を構成する部材の接合部などを撮影。人力での確認が困難だった箇所の目視範囲を大幅に広げる。東京都内の大規模橋梁で試行導入し今後、本格展開を目指す。
老朽化が進む橋梁の維持管理や効率的な修繕を狙い、首都高速会社はドローンやロボット、全方位カメラなどを開発。特に床版の下面、橋桁の縦方向は点検用足場からの目視確認が困難となっている。最新の点検ツールを使って足場から損傷レベルを正確に把握できる態勢を整え、きめ細かい補修につなげる。
試行導入したのは、2024度以降に大規模修繕を計画する湾岸線の荒川湾岸橋(東京都江東区~江戸川区、1975年竣工、延長840メートル)。約1700の部材が複雑に絡み合うトラス形式の同橋梁は、足場から目視点検するには限界があった。人力作業をロボットに置き換えると目視範囲(捕捉率)が床版面下は約27%から約81%に向上。縦桁も約29%から約75%にアップする。
ロボットでも確認が困難な箇所はドローンで補完する。足場からつり下げて使用する昇降式全方位カメラで足場直下周辺を可視化し、捕捉率を一層高める。点群データから損傷状態を3Dモデルで表現する「3Dハンディースキャナー」も使用し、維持管理の高度化を進める。
最新技術で得た情報は維持管理システム「i-DREAMs(アイ・ドリームス)」に集約する。資料収集~現場確認の時間が大幅に短縮され、生産性が約20倍アップするという。現在、首都高速会社はロボットとドローンは各1台、全方位カメラは10台を保有している。
24日には導入状況を報道機関向けに公開した。増井隆保全・交通部点検・補修推進課長は「成果を踏まえて今後展開する」とコメントしている。
source https://www.decn.co.jp/?p=145446
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