日建設計は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえた気候変動リスクの開示準備を始めた。クライアントの間でリスク開示の動きが広がる中、自らも開示することでSDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラル(CN)への対応強化につなげる。開示されれば、建築設計事務所で国内初になるという。同社はスコープ3(事業活動に関連する他社の排出)の試算の公表も始めている。定量的なデータを発信し議論を深め、開示リスクの精度を高めていく方向だ。
大松敦社長が日刊建設工業新聞社の取材に応じ、明らかにした。大松社長は「設計業界で先立ってTCFDを踏まえた開示に向け準備をしている。開示することで自分たちも変わっていけると思っている」と表明。海外クライアントの仕事も多数抱える中、グローバルに業務を展開する上でTCFDへの対応は欠かせないとの認識も示した。
同社は4月に発表した「サステナビリティーリポート2022」で、2021年の企業活動による温室効果ガス(GHG)の排出量を開示し、スコープ3(事業活動に関連する他社の排出)を含めた総排出量も初めて盛り込んだ。同年竣工の国内設計プロジェクトから今後50年間に排出されるGHGも参考値として提示。約100棟(総延べ約210万平方メートル)から、1001万3820トン(施工時の排出量は含まず)が排出されると見込んだ。
大松社長は「スタンダードのやり方が確立されているわけではなく、修正が必要な部分があるかもしれない」としつつも、関連する事業者らが「発信し合って互いにすりあわせていくことで、標準的なやり方を見つけていくことが、CNにプラスになっていく」との見解を述べた。
source https://www.decn.co.jp/?p=145156
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