鹿島は光ファイバーを用いた張力計測システムを、神奈川県山北町で施工中の「東名高速道路上石山地区切土のり面補強工事」(発注者・中日本高速道路会社)のグラウンドアンカー更新工事に適用した。従来方法と比べ簡便にグラウンドアンカー全長の張力分布を高精度に把握できるのが特徴。グラウンドアンカーの健全性を見える化し、切り土のり面の変状を随時検知。高速道路のり面の安全性向上や、維持管理の高度化・効率化に貢献する。
同システムを高速道路の切り土のり面に本格適用するのは初めて。
同工事では計測管理対象となるグラウンドアンカー21本に同システムと荷重計を併用する計画。荷重計が故障しても、グラウンドアンカー頭部をジャッキで引っ張る「リフトオフ試験」が不要になる。張力の変動要因となる地山内部の変状を面的に精度よく把握できる。
同システムに用いる光ファイバーは、通信分野でも使う汎用性の高い安価な製品。システムの核となる光ファイバー計測技術は、遠く離れた地点を計測できるのがポイント。広範囲に存在するグラウンドアンカーで補強した切り土のり面を、遠隔で一元的にモニタリングと管理ができる。
今後、同工事で得た成果と実績を切り土のり面補強工事に広く展開する。インフラ維持管理の高度化に生かし、光ファイバー計測技術の開発を進める。将来的にはグラウンドアンカー以外に、橋梁やトンネルなどにも光ファイバーを設置し同一の計測システムに統合する考え。道路構造物を構成するインフラの状況を光ファイバーで網羅的に把握できるようにする。
source https://www.decn.co.jp/?p=145455
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