ゼネコン各社が資材価格高騰や競争環境の激化などを受け利益確保に苦心している。主要26社の2022年4~6月期連結決算では、手持ち工事の順調な消化などで増収が目立った一方、本業のもうけを示す営業利益は黒字会社のうち13社が前年同期に比べ減少した。単体受注高はコロナ禍で低迷した民間投資の回復もあり、半数以上の企業が前年同期を上回った。
10日に出そろった26社の4~6月期決算を見ると、連結売上高は19社が増加。昨年10月に発足したインフロニア・ホールディングス(HD)は前年同期の前田建設連結比で増加した。減収になった企業は前年同期に売上高が多かった反動減や繰り越し工事の減少などを要因に挙げた。
営業利益の水準維持が難しい中、「前期に収益改善が進まない大型工事があった反動で利益率が好転した」(大成建設)や「売上高が伸びたことで増益となった」(清水建設)など11社が前年同期を上回った。減益となった企業では「新型コロナの自粛緩和で営業活動が活発になった」(中堅ゼネコン)など一般管理費の上昇を要因に挙げる。
工事の採算性を示す単体の完成工事総利益(粗利益)率は公表している23社のうち、15社が前年同期を下回った。長谷工コーポレーションや戸田建設など10社は2桁台を確保した。
単体受注高は15社が増加した。今後も防災・減災対策など公共投資は底堅く推移し、民間投資も回復基調にある中で「受注環境は一層厳しさが増す」(中堅ゼネコン)との声も多い。
通期業績予想は「好採算工事の稼働や原価低減などで営業利益の回復を見込む」(熊谷組)など大半の企業が期初計画を据え置いた。「コスト高で顧客との価格交渉が難航している」(中堅ゼネコン)といった企業もあり、複数のゼネコンが「引き続き資材高騰の動向に注視していく」と警戒感を強める。いかにリスクを回避しつつ好採算工事を確保するかが業績を左右することになりそうだ。
source https://www.decn.co.jp/?p=145270
0 comments :
コメントを投稿