2022年8月5日金曜日

関東整備局/荒川第二・第三調節池工事現場を公開、ICT駆使した最先端施工アピール

 関東地方整備局は埼玉県内で整備中の「荒川第二・三調節池」の現場を報道機関に1日公開した。現場では地盤改良工事などが進んでいる。事業を担当する荒川調節池工事事務所は7月に現場内に「あらいけDX体験館」を開設した。3Dプリンターを使って製作した堤防や排水門などの構造物の完成予想模型を展示。施工中の地盤改良工事の様子をリアルタイムで見られるモニターを設置するなど、現場で取り組む最先端のICT施工を紹介している。
 荒川流域の洪水調節能力を増強するため関東整備局は、荒川第一調節池(埼玉県戸田市)の上流左岸に、総面積約760ヘクタール、総治水容積約5100万立方メートルに及ぶ調節池を整備している。事業期間は2030年まで。総事業費は約1670億円を見込む。
 早期に整備効果を発揮するため、工事は大ロットで発注。各工区ではICTを用いた最先端の施工で、生産性向上に取り組んでいる。現在は地盤改良3工区と基盤整備工事2件、土砂改良工事1件と工事用道路の築造1カ所が同時に進む。
 河川本流と調節池部分を隔てる囲繞(いぎょう)堤の築造予定部分の地盤改良が最盛期を迎えている。3工区に分かれた現場では最大30メートルを超える大型の3点杭打ち機が林立し、巨大事業が着実に進んでいることを強く印象付ける。杭打ち機は最大で11機が同時に稼働。同日は7機が動いていた。いずれもGPS(衛星利用測位システム)を使って高い精度で施工が可能という。
 あらいけDX体験館は、事業区域を一望できる二池見晴台の隣(さいたま市桜区下大久保)に位置する。2階建てで、2階はガラス張りの壁面越しに施工の様子をパノラマで見ることができる。モニターを設置し、見学者向けの事業説明などに用いている。
 1階には3Dプリンターで作成した調節池の模型などを展示。AR(拡張現実)により完成後の様子を見ることができる。モニターでは目の前で施工している杭打ち機の施工状況をリアルタイムで見られるようになっている。展示内容は今後の事業の進展に合わせて変えていく予定だ。7月に完全予約制で見学者の受け入れを始めたが、現在は新型コロナウイルス感染拡大のため中止している。



source https://www.decn.co.jp/?p=145086

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