2023年3月1日水曜日

竹中工務店、日本製鉄/鉄骨床の小梁耐火設計技術確立、耐火被覆最大100%削減

竹中工務店と日本製鉄は2月28日、鉄骨床システムの施工で小梁の耐火被覆を最大100%削減できる技術を確立したと発表した。コンクリート製床スラブの内部にある鉄筋に、火災時の熱によるたわみで荷重支持能力が高まる性質があることに着目。荷重支持能力の向上により、床スラブが載る小梁への耐火被覆を最大100%削減しても倒壊しないことを、実験と数値解析で確認した。
確立した耐火設計技術は2件のプロジェクトに適用している。床システムを構成する鉄骨小梁の耐火被覆を合理化した耐火建築物として、国土交通大臣の認定を国内で初めて取得した。耐火被覆を減らせれば使用材料の削減や工期短縮、コスト削減につなげられる。
鉄骨造の建物で火災が発生した場合、小梁に耐火被覆がないと熱で強度が低下し、荷重支持能力が失われ、床スラブが大きくたわむ。しかし実験により、たわみが大きくなるとコンクリート内部の鉄筋が上に向こうとする性質が働き、荷重支持能力が高まることが分かった。
鉄骨造建物の床システムは柱同士をつなぐ大梁と、大梁の間を渡す小梁、その上に乗せる床スラブで構成する。通常は床スラブが火災時に熱でたわんでも倒壊しないよう、床スラブを支える小梁の鉄骨に耐火被覆を施す。今回の実験では、床スラブがたわんでも倒壊しないことを確認できたため、小梁への耐火被覆を最大100%、大梁を含めた床システム全体では最大70%削減できるとした。

火災時は熱で小梁が変形するものの、床スラブの荷重支持能力の向上で倒壊には至らないことを確認した(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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