前田道路は橋梁の床版防水層の小規模補修に適した常温施工型グースアスファルト舗装補修材「マイルドグース」を開発し販売を開始した。橋梁用の常温補修材は初めて。硬化材を混ぜたバインダーに水を加えて化学反応を起こし骨材と一体化する。遮水性に加え、高い性能が求められる改質グースアスファルトと同等の曲げ疲労抵抗性を確保。補修材でありながら本施工にも使える基準を満たす。 マイルドグースは業界に先駆けて開発した水で固まる常温アスファルト補修材「マイルドパッチ」の技術を応用。バインダーの改良などで水密性や耐流動性、曲げ疲労抵抗性を高め橋梁向けに進化させた。 鋼床版とコンクリート床版に適用が可能。床版上に接着剤を塗布し骨材を敷きならした後、硬化材と水を混合したバインダーを流し込む。養生時間は約1時間。表層は別途補修材で施工する必要がある。加熱合材も使えるが、同社は常温合材のマイルドパッチをセットで提案していく。 0・5平方メートル(厚さ4センチ)分の材料がセットになる。1年以上の保存が可能で緊急時にも迅速に対応できる。通常のグースアスファルトは専用の大型クッカー車で加熱しながら、最低でも40平方メートル分の材料を運搬する必要があった。小規模補修に適したマイルドグースは材料ロスをなくし、燃料消費が大きいクッカー車が不要になるため、二酸化炭素(CO2)排出量も大幅に低減できる。 2015年から試験施工と改良を重ね供用性を確認した。「これまで橋梁の常温補修材はなく、低予算で道路を維持できる」(同社)ことを武器に、国や地方自治体をターゲットに提案や販売を本格化する。23年度は1万セットの販売を目指す。
マイルドグースの施工現場(報道発表資料から)source https://www.decn.co.jp/
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