2023年3月3日金曜日

回転窓/急がれる少子化対策

厚生労働省がまとめた2022年人口動態統計(速報値)で、年間出生数が過去最少を記録した。1899年の統計開始から初めて80万人を下回る結果に「危機的状況」(岸田文雄首相)と懸念が強まる▼未婚・晩婚化の進行とコロナ禍が重なり、20、21年には婚姻数が戦後最少を更新していた。物価も上昇する中で将来に不安を持つ若者は多い。「女性にとって子育てとキャリアを両立することは困難」(24歳女性)。内閣府の調査にこうした声が寄せられている▼年度内に成立予定の23年度政府予算では少子化対策が最重要課題の一つ。4月には子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」が発足する。児童手当を中心とした経済的支援の強化や、子育て家庭を対象にしたサービス拡充などに注目が集まる▼とはいえ少子化対策に即効薬などなく、地道な取り組みを積み上げ、社会の雰囲気を変えていくしかないだろう。多くの人が安心して暮らせる環境をつくり維持することが大前提となる▼災害に強い国土や基盤も必須だ。信頼できるインフラに囲まれ、快適な生活を送れる--。そうした当たり前も改めて大事にしたい。


source https://www.decn.co.jp/

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