大林組は協力会社組織の林友会が運営する技能職向け訓練校にDX技術を活用した研修拠点を開設した。建設現場での安全性確保や人手不足の解決にVR(仮想現実)技術を活用。玉掛け作業などをメタバース(3D仮想空間)で実施し、施工手順の習得やクレーンオペレーター、合図者の仕事を体験できる。作業中のコミュニケーションの重要性や危険行動を体感してもらい安全意識の向上につなげる。
大林組林友会教育訓練校(埼玉県八潮市)に開設した「O-DXルーム」に、メタバース環境下での玉掛作業VRトレーニングシステムを構築。同訓練校に設けている鉄筋、とび、型枠大工の各コースの研修カリキュラムに導入した。VRを使った玉掛け作業研修は建設業界初の試みという。
VRトレーニングシステムは、実際の玉掛けに必要な5人で同時に行う。実在する現場をメタバース上に再現し、ハンドトラッキングによる手合図やヘッドホンを通じたコミュニケーションを行う。異なる役割も体験でき、免許未取得でもクレーンオペレーターを行える。
VRでの研修後は、研修内容をモニターで振り返ることができる。5人での作業で改善すべきところや施工手順を意見交換することでお互いに注意する点が分かり、作業精度や安全性の向上に役立つ。
体験した作業員からは「実現場で体験できない失敗例を学べて良い」「クレーンオペレーター目線で自分がどう見えているかが分かる。客観的に見えることで互いの作業がしやすいように気をつけるポイントが分かる」と感想が挙がった。
通信にはローカルワイファイを使用するためインターネット回線は不要。持ち運びが可能なため、工業高校での体験会や出前研修などでの活用を見込む。学生向けイベントでのVR体験による建設業への関心度アップを期待する。今後は、新たなVR教材を作成し技能者の多能工化を図りたい考え。技能者のリスキリング(学び直し)に活用していく。
source https://www.decn.co.jp/
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