ケミカルグラウトが、微生物の活用により難透水層の地盤で対応可能な土壌浄化技術「バイオジェット工法」の展開に力を入れている。ウオータージェットで土中に浄化剤を注入し、微生物の活性化を促進してVOC(揮発性有機化合物)を無害化する。小型機械で施工するため稼働中の工場などにも適用可能。地盤をあまり乱さず、汚染土の掘削除去に比べ工事費や二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる。SDGs(持続可能な開発目標)につながる対策として積極的にPRしていく。
米国EOS社との共同開発で、大豆を主原料にした薬剤「水素徐放剤」をスリット状に充てんして、土中に水素を徐々に放出していく。この水素が微生物の栄養源となり、微生物がVOCを脱塩素化する作用を促し、無害なエチレンまで分解する。粘性土の浄化が可能。汚染状態によるが、一般的な施工期間は半年~2年程度を想定している。
薬剤プラントなどの設置スペースが必要となるものの、狭い場所で作業できるため、操業中の工場内などにも対応する。転用を予定する工場用地などで稼働しながら土壌を浄化し、完了後に土地を売却するようなニーズにも応える。
掘削除去による対策と異なり、大規模な汚染土壌の搬出・処理などが不要となる。コスト軽減とともに、汚染土1000立方メートル当たりのCO2排出量を約70%削減できるという。土中に存在する微生物を活用することで環境負荷も軽減できる。
ケミカルグラウトは環境実験施設を保有しており、浄化状況の把握精度向上も図っている。置換方式や熱水による洗浄、鉄粉による分解などと組み合わせることで、最適な浄化対策を提案していく。「高圧噴射を生かした原位置浄化を、環境事業の主軸にしていきたい」(同社)としている。
source https://www.decn.co.jp/?p=153229
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