2018年10月26日金曜日

【回転窓】職人育成にもっと光を

石井啓一国土交通相が先日、群馬県沼田市の廃校を利用して職人育成を行う利根沼田テクノアカデミーを視察し、「廃校を実にうまく活用している」と感心していたそうだ▼16年4月に開校してから初めての大臣視察。板金工事業を営む桑原敏彦校長が職人育成という自社の取り組みを広げ、他職種の仲間と一緒に立ち上げたアカデミーは、入職したての若者を集中的に鍛え上げる活動として注目されている▼職人育成の動きは各地で見られる。人材難といわれる中、「これからはコストではなく、人材育成で競争する時代」と言い切る経営者もいる。磨きを掛けた技能は生産性向上にも必ず役立つはずだ▼技を身に付ける訓練は地道な努力がどうしても必要になる。できるだけ単調にならず、飽きずに楽しさを感じてもらうにはどうすればいいのか。アカデミーの関係者は腐心していることだろう▼大臣視察が契機になって各地の継続した取り組みをより多くの人が知るようになれば、光明を見いだすきっかけの一つになるはず。数年前に国交省が提唱した「人材投資成長産業」という考えが建設産業に定着するよう願ってやまない。

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