2023年6月5日月曜日

JR東日本/羽田空港アクセス線東山手ルートとアクセス新線を先行着手、起工式開く

◇鉄建建設、大成建設らが施工
JR東日本が「羽田空港アクセス線(仮称)」の建設事業で、先行整備する「東山手ルート」と「アクセス新線」の工事を始めた。起点となるJR田町駅(東京都港区)付近の在来各線を順次移設し、空いたスペースを活用して延長約12・4キロの鉄道を敷設する。概算工事費は約2800億円を見込み、2031年度の開業を目指す。2日に田町駅付近で起工式を開き、関係者が工事の無事完了を祈念した。=1面参照
先行整備するのは、田町駅付近から東京貨物ターミナルを経て羽田空港内の新駅とを結ぶ東山手ルートとアクセス新線。東山手ルート以外は、JR大崎駅(品川区)方面の「西山手ルート」、りんかい線・東京テレポート駅(江東区)方面の「臨海部ルート」も計画されている。
工事区間は港区芝浦1丁目~大田区羽田空港3丁目。田町駅を通る各線を移設し、東海道線上下区間のスペースを確保。シールドトンネルや開削トンネルを構築する。現在使用を休止している貨物線(大汐線)の橋梁や高架橋などの既存ストックも有効利用する。
東京貨物ターミナル内は、JR東日本の保有地(約2・3万平方メートル)を活用して車両留置線や保守基地線を整備する。同ターミナルから南方向へ最大深度約50メートルの空間にアクセス新線(延長約5・0キロ)を建設。第1と第2ターミナルの間にある道路下に最大幅員約12メートル、延長約310メートルの新駅を設ける。空港内のシールドトンネルと開削トンネルは国土交通省が整備する。
設計は▽JR東日本コンサルタンツ▽JR東日本建築設計▽パシフィックコンサルタンツ▽鉄建建設・鹿島・東亜建設工業JV-が担当。土木工事は鉄建建設と大成建設。東鉄工業が軌道工事、日本電設工業が電気設備工事を担う。
起工式にはJR東日本の深澤祐二社長ら約90人が出席。神事ではJR東日本コンサルタンツの栗田敏寿社長が鎌、深澤社長が鍬、鉄建建設の伊藤泰司社長と大成建設の相川善郎社長が鋤を入れた。深澤社長は羽田空港アクセス線が「国際競争力の強化にとって重要なネットワークになる」とコメント。安全を最優先に関係機関と協力しながら工事を進める覚悟を示した。

□篠野正樹東京鉄道支店羽田アクセス田町作業所長(鉄建建設)の話□
「JR各線、東海道新幹線が横を通る箇所で工事を行う。安全な工事を心掛け、後世に質の高い鉄道を残したい」。
政策活動

工事区間の位置図(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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