2025年日本国際博覧会協会は13日、大阪市此花区夢洲に設ける同博覧会(大阪・関西万博)会場のシンボル施設「大屋根(リング)」の基本設計概要と新しいパースを公表した。建築面積約6万平方メートル、円周約2キロ、高さ12~20メートルで、世界最大級の木造建築物になるという。大屋根は「清水の舞台」(清水寺、京都市東山区)のように木の柱と梁を組む「貫(ぬき)工法」で支える。会場デザインプロデューサーの建築家・藤本壮介氏は大屋根の実現を通じ「日本の木造建築・空間が世界をリードできるようにしたい」と力を込めた。=1面参照
藤本氏は木造建築物が増えつつある世界の潮流を踏まえ「新しい時代の木造建築を提案することは、世界に大きなアピールができる。木造建築をリードする立場として、日本の伝統を示したいという思いがある」と強調。梁の端部が柱を貫通する貫工法を「現代的に再設計」し、現在の構造基準も満たす「伝統的な建築の趣がありつつ、現代的・未来的な木造をつくる」考えを示した。
現在は柱・梁の接合にピンを使うことが多いが、会期後の木材のリサイクルやリユースについて検証した結果、貫工法の方が現代工法より解体も容易にできることを確認した。
大屋根の上はバンク状。内側の高さは12メートルで、外側は20メートル。幅は約30メートル。植栽スペースも設け、「自然と共存する大屋根が会場全体の生態系の象徴になる」ように計画。会場動線となる大屋根下の空間の明るさを確保する天窓も設ける。地上とはエレベーターやエスカレーター、階段でアクセス可能にする。
使用木材量は約2万立方メートルを見込む。水面に張り出す部分があり、「基礎のつくり方は大きなチャレンジ」と話す。「ものすごく大きな屋外劇場のようになるので、催事やアートなどに使われることがとても楽しみ」と期待を込めた。工事費は約350億円。本年度中に実施設計を終え、23年4月以降の着工を目指している。
source https://www.decn.co.jp/?p=144355
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