2022年7月13日水曜日

大林組/コンクリ構造物の自動化施工システム、PCa製造で省力化と工程短縮

 大林組は、3Dプリンターとロボット打設技術を活用したコンクリート構造物の自動化施工システムを開発した。セメント系材料を使用し3Dプリンターでプレキャスト(PCa)コンクリートの外殻を形成。この中にロボットアームでコンクリートを打設し、PCaブロックを製造する。鋼製型枠の製作、組み立て、解体作業が不要になり、PCaコンクリートの製造で省力化や工程短縮、コスト削減を図る。
 同システムはコンクリの吹き付けと流し込みの2パターンでPCaブロックを製造できる。打設経路をプログラミングしたロボットアームが自動でコンクリ打設する技術を採用。従来、数人の作業員で行っていたコンクリ打設を3分の1に省力化できるという。
 3Dプリンターは設計図から直接、ロボットの制御情報を生成し複雑な型枠や多品種の型枠が必要な構造物を構築できる。3Dプリンター製の外殻は鋼製型枠より短期間で製造できる上、次の製作に型枠を転用するまでの待ち時間が発生しない。PCaの製造工程を大幅に短縮できる。3Dプリンターの費用や人件費を比較しても鋼製型枠より安価に製造できる。
 大林組は日本ヒュームと同システムを適用した。プリントした外殻はコンクリと一体化しており、従来手法で製造したPCaと同等の強度を確認。PCaブロックの製造に成功した。
 特注の鋼製型枠で複数のPCaブロックの製造が必要なPCaケーソン基礎工事では、従来の約10カ月かかっていたブロックの製造工程を約2カ月短縮できる。外殻のプリントやコンクリの打ち込みをロボットアームが自動で行うため、24時間体制の製造が可能となり、さらなる製造工程の短縮を実現する。
 従来、コンクリート構造物の製造は、型枠の組み立てと解体、コンクリ打設など多くの人手が必要だった。大型のPCa製品は、鋼製型枠が特注生産となるため、設計から納品までの期間が約10カ月かかり、製造コストが高くなることが課題だった。



source https://www.decn.co.jp/?p=144316

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