一般社団法人「今村天主堂保存会」は国指定重要文化財の今村天主堂(福岡県大刀洗町今)=写真=の耐震補強・補修事業に着手する。文化庁の補助事業採択を受け、文化財建造物保存技術協会(文建協)に調査工事を発注した。2023年度までの2カ年で調査工事を行い耐震補強の工法などを決め、24年度に本格的な工事に着手する見通し。事業期間は10年程度、20億円を超える事業費を見込む。
今村天主堂は九州最大規模のれんが造りの教会堂。九州各地の教会建築を手掛けた鉄川与助が設計・施工を担当し、1913年に完成した。床面積は1階部分が530平方メートル、2階部分が28平方メートル。
自然災害や老朽化により、柱が傾き、壁がひび割れるなど建物が著しく傷んでおり、17~18年度に実施した耐震診断では大規模な地震が発生すれば倒壊する恐れがあると判定された。21年1月から堂内への立ち入りを禁止している。
耐震診断では地盤が軟弱なため基礎の補強と地盤改良が必要と指摘されている。このため調査工事では基礎の一部を解体し、新築時に基礎工事で施工したとされる松杭などの状態を確認する。この結果を受け基礎工事の内容を固める。
建物本体については傾いた双塔の内部を鉄骨フレームで補強する案などを想定しており、調査工事の一環として進める実施設計の中で詳細な工法を決める。
調査工事は重要文化財関連の高度な知識や経験、技術力が必要なため、文建協に随意契約で発注した。24年度以降の耐震補強・補修工事の発注方法は入札などを今後検討する。
source https://www.decn.co.jp/?p=144122
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