竹中工務店は28日、RC・S造建築物の架構システムの一部に木を組み込み、遮音や耐震性能を補完する設計技術「KiPLUS(キプラス)」を構築したと発表した。初弾としてCLT(直交集成板)壁を配置し地震力などを負担させる「KiPLUS WALL(キプラスウォール)」を開発。木造・木質化の新シリーズとして中高層木造ハイブリッド建築へ積極的に展開していく。
キプラスウォールは第三者機関の構造性能評価を取得。RC、S造に木を組み合わせた架構システム全体で地震力に対する必要な効力を発揮する。従来に比べて柱や梁の断面をスリム化でき、計画の自由度も向上。内装材として使え、意匠性を付加できる。
S造に使う場合は鉄骨梁・柱のフレーム内にCLTパネルをはめ込んで接合する。必要に応じて引っ張りを負担させる補強材(タイバー)を設け、鉄骨とパネルの接合部に無収縮モルタルを充てんする。火災時にCLT壁が燃えても無収縮モルタルが熱を吸収し本体フレームへの熱伝達を防ぐ。
RC造ではCLTパネルの上下端を凹凸に加工。鉄筋コンクリート上に配置し空隙部分に無収縮モルタルを充てんする。
構造性能評価を取得して以降、4件の施工実績があり現在は5件を施工中。今後はシリーズとして他の建築部材への展開も検討していく。同社は中高層木造ハイブリッド建築の普及拡大に向け、シリーズ化している耐火集成木材「燃エンウッド」や耐震補強技術「T-FoRest」も積極的に展開。国産木材の活用を促進し脱炭素社会の実現に貢献していく考えだ。
source https://www.decn.co.jp/?p=144857
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