国土交通省はコンクリート工の生産性向上策の一環で検討している生コン情報の電子化で、直轄工事での試行を近く始める。関東地方整備局発注工事のうち既契約を含めた複数案件を対象とする予定だ。生コンの仕様や配合、製造などの紙伝票を電子データに切り替え、施工や品質管理を含めた関係者間のやりとり時間の削減や手戻り防止に役立てる。2023年度末に電子化に対応する形でJIS改正を想定。民間工事も対象に運用ガイドラインを検討する。
有識者会議「コンクリート生産性向上検討協議会」に設置した「電子媒体化ワーキンググループ」の会合を6月30日に開き、直轄土木工事を対象とした試行要領を決めた。日本建設業連合会(日建連)が参加するコンソーシアムが内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)を活用し開発した「クラウド共有型コンクリート品質管理システム」を用いる。
同システムは生コンの製造、出荷、現場の受け入れ、施工、品質管理の記録をすべてクラウド上に保存。生コン工場の出荷状況や施工現場の打設状況を「見える化」し、供給者と受注者、発注者の3者がリアルタイムで確認できる。生コン車の到着に合わせた現場打ち作業の調整に役立つなど施工者側の利点も大きい。
生コン工場がシステムの導入主体になるが、現状では導入実績が全国で1割に満たない。直轄の試行工事では受注者が調達先の生コン工場に導入状況を確認。未導入の場合は各工場や、地区別に加入する協同組合からシステム導入の了承をもらう。
関東整備局でのスポット的な試行で実用性を検証し、23年度は試行拡大を視野に入れる。将来的に直轄土木だけでなく民間建築などに適用を拡大したい考え。同システムを用いた施工管理ガイドラインを検討し、誰もがシステムを導入、運用できるようにする。
source https://www.decn.co.jp/?p=144075
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