国土交通省が道路空間の現況を電子空間に再現する「xROAD(クロスロード)」の構想が進展している。12日に中枢の「全国道路施設点検データベース(DB)」を公開。道路施設の定期点検で得られた膨大な情報をオープンデータ化した。当面は公開した情報を活用し、発注者が実際の維持管理業務を効率化できるアプリケーションの開発に注力する。同省担当者は「スタートラインに立った。民間発のいろんなアプリが生まれてくる世界を目指したい」(道路局国道・技術課)と意気込む。
xROADは国土地理院の地図などを基にし、道路施設の諸元やメンテナンス情報を関連付けて地図上で見られるようにするシステム。今後は構造物のCIMデータや道路区域内にある占用物件の情報も加える。将来的にはCCTV(閉回路テレビシステム)カメラなどで得た交通情報や、工事規制情報などとも連携。道路の現況を電子空間にリアルタイムで再現する。
全国道路施設点検DBは同省が毎年まとめる「道路メンテナンス年報」を基に構築した。膨大な情報が含まれており、例えば国管理の道路橋の場合、構造諸元や部材ごとの点検結果、補強履歴など1橋当たり1400項目の詳細な情報が登録されている。同省は全国の道路管理者が点検結果を入力するシステムも近く提供し、DBを最新の状態に保つ。
今後はDB上にある情報の有効活用が課題になる。現時点ではAIを活用した発注者支援アプリを想定。構造物の劣化箇所の写真を撮ってAIに入力すれば、DB内から類似の事例を探し出して表示する。過去の事例を参考に、対処方針を検討できるようにする。
アプリ開発の促進には民間との連携が不可欠になる。有力な手法として注目しているのは同省都市局が展開する「プロジェクト・プラトー」。直轄で整備した3D都市モデルをオープンデータ化するだけでなく、活用の具体事例を創出するため、民間提案に基づく実証実験にも取り組んでいる。こうした手法も参考に同省道路局は、近くアプリ開発の促進策を打ち出す考えだ。
source https://www.decn.co.jp/?p=144505
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