2022年7月22日金曜日

清水建設/半乾式耐火被覆吹付ロボットを開発、6軸アームで生産性向上

 清水建設が耐火被覆吹き付け作業の効率化と作業環境の改善を目的に、半乾式耐火被覆吹き付けロボット「Robo-Spray」を開発した。6軸のロボットアームが吹き付けノズルを自在に操り、梁の両脇や梁下に満遍なく被覆材を施工する。東京都港区で建設中の虎ノ門・麻布台再開発プロジェクト(A街区タワー)にプロトタイプを導入。従来の施工品質を確保しつつ、生産性が約30%向上することを確認した。
 半乾式耐火被覆の吹き付け作業は被覆材を遮る防護服や防じんメガネ・マスクを着用するため、夏場は過酷な作業になる。生産効率も低く、建設各社がロボット開発に力を入れている。「Robo-Spray」はアーム部、アーム部の高さを調整するリフター、リフター搭載の台車で構成。プロトタイプは台車の移動が手動になっている。
 全長2053ミリ、全幅1108ミリ、全高2452ミリで重量は1600キロ。使用時は作業員がロボットを所定の位置に移動後、タッチパネルで鉄骨梁の断面形状や梁天端の高さ、吹き付け範囲・角度、ノズルの作動速度などを設定。開始ボタンを押すと、アームがノズルの角度や鉄骨梁との相対位置、作動速度を適切に保ちながら作業を行う。
 吹き付けピッチは4~7センチ。厚さはノズルの作動速度やピッチで調整する。台車を一度移動すると梁幅2・5メートルまで対応が可能だ。鉄骨梁に設置される設備配管用の貫通孔は、タッチパネルで径や位置情報を入力することで回避できる。今後、ロボットの台車に電動走行機能を付加し、さらに生産性の向上を目指す。
 虎ノ門・麻布台再開発プロジェクトに導入したプロトタイプは、建物の43階と46階、49階の梁の一部(計434平方メートル)で施工した。従来の3人体制で2台のロボットを確実に操作できることや、生産性向上に貢献することを確認した。



source https://www.decn.co.jp/?p=144658

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